手相占いは、手のひらに刻まれた線を通じて個人の性格や運命を読み解く占い方法です。
長い時代を経て発展し、自己理解や運勢判断のための重要なツールとして現代でも親しまれています。
誰でも手軽に始められるため、身近に感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、手相を読むためには線の種類だけでなく濃さや長さ、そして「丘」と呼ばれる手のひらのふくらみの意味などを知っておく必要があります。
そこでこの記事では、手相占いの基本知識や知っておきたい7大線、9つの丘について詳しく解説します。
手相占いをより本格的に学びたい方におすすめの資格も紹介するため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
手相占いは5,000年以上の長い歴史を持ち、古代インドの「サムドリカ」という学問に基づいています。
シルクロードを通じて世界に広まり、12世紀にヨーロッパに伝わりました。
19世紀にフランスやイギリスで西洋手相学が確立された一方で、中国や朝鮮半島では東洋式手相占いとして発展し、主に病気や健康の鑑定に用いられました。
日本では仏教伝道師から伝わり、江戸時代に広く使われるようになりました。明治時代には西洋手相学も導入され、現在では主に西洋手相学が基礎となっていますが、東洋式も高い人気を集めています。
手相占いでは、主にその人の性格や才能、適性など生まれ持った気質のほか、運勢や未来を読み解くことができます。
手相で運勢や性格などを占う場合は、一度占って終わりにするのではなく、定期的に変化がないかを観察することが大切です。
その人の考え方や行動、運勢が変わると手相も変化します。よって、仮に今の手相が良くなかったとしても落ち込む必要はありません。
占いの結果に一喜一憂するのではなく、手相からのメッセージを受け取って現状を改善する努力をすることで、人生がより良い方向へと向かっていくでしょう。
手相の意味は左右で差があります。左手は生まれ持った才能や無意識の性格、右手は努力によって得た才能や意識している部分など、生きていく中で変化してきた結果を表しています。
手相占いの際は両手を見て総合的に占うのが基本ですが、知りたい内容に合わせて左右どちらかだけを見ることも可能です。
「7大線」とは、手のひらにある主要な線のことです。
個人の性格や運命を読み解く際に特に重視されているため、手相占いを始めるならまず知っておきたい基本の線とも言えます。
ここでは、それぞれの線についてくわしく解説しましょう。
生命線は親指の付け根の上から出て、手首の方へカーブしている線です。この線は健康状態や生命力を表しています。
生命線を見る時は、長さだけではなく太さ・濃さも大切です。
生命線が長くはっきりしている人は、生命力が強く、活動的です。性格も明るく積極的で、新しいことにも恐れず挑戦するタイプだと言えます。
一方、生命線が薄く切れてしまっている場合は健康面で弱さを抱えやすい可能性がありますが、生命線の長さが寿命に直結するわけではありません。
このような場合は健康面で気になることがあれば早めに対処するなど、日頃から健康を意識しておくと良いでしょう。
知能線は、生命線が始まるあたりから手のひらを横切り小指側に伸びている線で、「頭脳線」とも呼ばれます。
知能線と言っても頭が良い・悪いを見るのではなく、主にその人の考え方や才能、判断力や記憶力、仕事の適性など知的な才能を見るのが基本です。
知能線が太く濃い場合は意志が強く、細く薄い場合は自己主張が苦手で気弱な性格を示します。
また、知能線が長い人は物事を慎重に考える傾向があり、短い人は直感的で決断力があることも示しています。
さらに、知能線は仕事の向き不向きを判断する際にも重要です。
線の太さや濃さを読み取ることで、「今の仕事が向いているかどうか」「自分の天職を知りたい」といった悩みを解決する手助けになります。
感情線は、小指の下あたりから人差し指の方に向かって伸びている線です。
この線は恋愛感情や友情、家族愛、情熱など、感情面を幅広く表します。感情線の長さからは執着心を、濃さからは感情の深さを知ることができます。
感情線は人差し指と中指の中間あたりを標準的な長さとして、それよりも長いか短いかで判断します。
感情線が長い人は情熱的で執着心が強く、短い感情線の人は執着が少ないと言われています。
また、感情線がはっきりしている人は情熱的で、感情を表に出すことが得意なタイプです。一方で、感情線が薄い人は感情をあまり表に出さない冷静なタイプだと見ることができます。
運命線は、手首の方から中指に向かって縦に伸びている線です。この線は運命や運勢、仕事を含めた人生の流れを表します。
運命線は人生の転機や重要な出来事を示すことが多く、手相鑑定の核となる重要な線です。
運命線がはっきりと見える人は目標に向かってブレずに進む傾向があり、強い意志を持っています。
一方、運命線が薄い人は目標がまだ定まっていなかったり、これから目標を見つけていったりする可能性を示しています。
また、運命線が途切れながら伸びている場合は、頻繁に仕事を変えるタイプであると見ることができます。
太陽線は、薬指の付け根から下に向かって縦に伸びている線です。この線は名声や成功、人気、他人からの援助運を表し、「第二の運命線」とも呼ばれています。
太陽線が長く濃い場合、その人は幸運で人に慕われる人気者であることを示します。
太陽線が感情線よりも下まで伸びている場合、それは幸運線とも呼ばれ、幸せな人生を歩んでいると見ることができます。
一方、太陽線がないままの人や、社会に出て自己が確立してから太陽線が出てくる人もいるため、太陽線がなくても心配する必要はありません。
結婚線は、小指の付け根と感情線の間にある短い横線です。この線は恋愛運や結婚運など、人生のパートナーに関する運を表します。
結婚線の太さや位置で、結婚の時期や年齢を知ることができると言われています。
複数の結婚線がある場合、離婚や再婚を何度も繰り返すことを示しているわけではなく、その人にとって結婚につながるような恋愛のチャンスが多いことを示しています。
また、今は結婚線がなくても、今後恋愛や結婚に対する意識が高まった時に現れることもあります。
財運線は、小指の付け根から下に向かって縦に伸びている線です。この線は金運や財産運を表します。
財運線が長い人は金運が良く、お金を稼ぐ力が強いことを示します。一方、財運線が短い場合は、金運がまだ強くないことを示しています。
財運線が長いのに金運が良くないと感じる場合は、お金に対する執着心が強いなどマイナス面が強く出ており、入るはずのお金が入ってきていないのかもしれません。
また、財運線が太く濃くなっている場合は大金が入るチャンスが近付いているサインです。
手相占いでは手のひらにある線だけを見て占うと思われる方もいるかもしれませんが、実は「9つの丘」と呼ばれる手のひらの部位にも着目します。
手のひらを9つのエリアに分けて「丘」と呼び、それぞれの丘には金星や木星などの天体の名前がついています。
部位によって意味があり、丘の状態やふくらみ方によってその人の性格や才能などを占うことが可能です。
天体の位置から性格や才能を読み解く占いとして西洋占星術が知られていますが、ヨーロッパでは西洋占星術と手相学には深い関係性があると長年研究されてきました。
天体が個人の性格や運命に大きな影響を与えるという西洋占星術の考え方が手相占いにも反映され、各丘にも天体の名前が付けられています。
ここからは、知っておきたい9つの丘について詳しく見ていきましょう。
金星丘は親指の付け根にあるふくらんだ部分です。この丘は、生命力、愛情、魅力、活力などを表します。
金星丘が発達している人はバイタリティに溢れ、強い生命力を持っています。また、愛情深い性格で、家族や周囲の人々に対してもしっかりと愛情を表現する性格です。
人の世話をすることが得意なため、介護士や看護師、保育士など職業にも向いているでしょう。
逆にこの丘が発達していない場合、体力が不足し、愛情表現が苦手でクールな態度を取りやすい傾向があります。
木星丘は人差し指の付け根にあるふくらんだ部分です。この丘は向上心、野心、地位、名誉、権力、指導力などを表しています。
木星丘が発達している人は、野心的でリーダーシップを発揮しやすく、地位や名誉を手に入れやすいです。企業であれば経営者や管理職、リーダーとして活躍する人が多いでしょう。
反対に木星丘が発達していない人は、自分からリーダーシップを取ることが苦手で、人から指示を受けて行動することが向いています。
土星丘は中指の付け根にあるふくらんだ部分です。この丘は真面目さ、忍耐力、努力などを表します。
土星丘が発達している人は、地道な努力を積み重ねることが得意なため、研究者や職人などに向いているでしょう。
集中力が高く、ひとつのことに没頭できる傾向がありますが、他人のことを考える余裕がなくなり孤独になってしまうこともあります。
反対に土星丘が発達していない場合は、忍耐力に欠け、思いつきで行動しやすい傾向があります。
太陽丘は薬指の付け根にあるふくらんだ部分です。この丘は成功、名声、人気、富などを表します。
太陽丘が発達している人は感性が鋭く、芸術的も才能があり人々の注目を集めやすいです。人の助けを受けやすく、成功を手に入れるチャンスも多いでしょう。
反対に太陽丘が発達していない人は、人からの助けに頼らず、地道に自分で努力していくタイプ。コツコツと継続することが成功の鍵だと言えます。
水星丘は小指の付け根にあるふくらんだ部分です。この丘は商才、財運、社交性などを表します。
水星丘が発達している人は、コミュニケーション能力が高く、合理的でビジネスに成功しやすいタイプです。話術も豊富なため、営業職に向いているでしょう。
水星が金運をつかさどることから、金運にも恵まれている人が多いのも特徴です。
反対に、水星丘が発達していない場合は人前で話すのが苦手な性格で、表に立つより裏方の仕事が向いていることがあります。
月丘は小指の下方で手首寄りにあるふくらんだ部分です。この丘は直感、霊感、芸術などを表します。
月丘が発達している人は独自の世界観を持ち、クリエイティブな才能に恵まれています。商才にも優れていることが多く、発明家や芸術家に向いているでしょう。
反対に月丘が発達していない場合、想像力を働かせて何かを生み出す作業は苦手な傾向にあります。
地丘は手のひらの中央、手首寄りにあるふくらんだ部分です。この丘は先祖代々から受け継がれる恵みや家庭環境、性格などを表しており、生まれ持った資質や宿命が現れる場所とされています。
地丘が発達している人は生まれつきの資質に恵まれており、強運な人生を歩むことが多いです。先祖からのご加護を受け、大きな成功を収める可能性が高いでしょう。
反対に地丘が発達していない場合、物事が長続きしないなど、パワー不足に陥りやすい傾向にあります。あと一歩のところで運を逃してしまうことも多いかもしれません。
第一火星丘は親指と人差し指の間にあるふくらんだ部分です。この丘は行動力、積極性、勇気、闘争心、強い意志などを表しています。
第一火星丘が発達している人はチャレンジ精神が強く、行動力があり積極的な性格です。闘争心も強いため、競争で勝ち抜く力も持っています。
反対に第一火星丘が発達していない場合は大人しい性格で、積極性は少なく意思は弱いことがあります。
第二火星丘は小指と手首の間にあるふくらんだ部分です。この丘は忍耐、自制心、正義感などを表しています。
第二火星丘が発達している人は忍耐力があり、困難に耐えて乗り越える力を持っています。正義感も強く、不満があってもうまくコントロールして適切に対処することができるでしょう。
反対に第二火星丘が発達していない場合は忍耐力が弱いため、困難に直面するとすぐに投げ出しやすい傾向があります。
ここまでは基本の7大線や9つの丘をご紹介してきましたが、中には幸運を引き寄せるとされる特別な線もあります。
今回は、その中から代表的なものを5つご紹介しましょう。
これらのラッキー手相を持っていると成功や幸福が訪れると信じられているため、両手をよく観察して探してみてくださいね。
マスカケ線は生命線を起点に、頭脳線と感情線がひとつとなって手のひらをまっすぐに横切る線を指します。
別名「天下取りの相」とも呼ばれ、非常に強運を持つ手相です。マスカケ線を持つ人は平凡な人生では終わらず、つかんだ運は絶対に離さないとされています。
成功を収めるための強い意思と実行力を持ち合わせていると考えられており、豊臣秀吉や徳川家康もマスカケ線を持っていたという説もあります。
仏眼は、親指の第一関節にある目のような形で囲まれている線を指します。
この線は霊感や直感の強さを示し、先祖や目に見えない力に守られた強運の持ち主であることを示しています。
仏眼を持つ人は直感が鋭く、優れた記憶力や未来を予見する力を持ち、人に対する思いやりも深いです。
特に両手に仏眼がある場合はさらに珍しく、強い霊感と強運を持つとされています。
ラッキーM線は、手のひらにアルファベットの「M」字が描かれているように見える線を指します。
この線は感情線が始点となり、感情線・運命線・知能線・生命線がそれぞれつながって作られます。4本の線が濃くはっきりとしているほど、美しいM字が現れます。
ラッキーM線を持つ人は、全ての運気においてバランスが取れているタイプです。
健康、長寿、強運、穏やかな感情、頭脳明晰さなどの要素がバランス良く揃っており、大きな幸福を手に入れる可能性が高いでしょう。
覇王線は、手のひらの中央で太陽線・財運線・運命線が交わって1本の線になり、熊手のような形になった線を指します。
この線は非常に珍しく、持っているだけで強運の持ち主とされています。覇王線を持つ人は努力家であり、その努力が実を結び大成功を収める可能性があるでしょう。
有名人や成功者にも多く見られ、億万長者になることも夢ではない強運の手相です。
ソロモンの環は、人差し指の付け根に現れる緩やかなカーブの線です。
この線は、頭脳明晰で臨機応変に対応する能力を持つ人に見られます。ソロモンの環を持つ人はカリスマ性があり自然と周囲に人が集まるため、リーダーシップを発揮しやすいでしょう。
また、近い将来に目標を達成できたり夢が叶ったりするなど、幸せが訪れるサインとも言われています。
手相占いは資格がなくてもできますが、より本格的に学ぶなら資格の勉強を通して体系的に知識を身につけるのがおすすめです。
資格があれば手相占いについての知識を証明できるため、自信を持って家族や友人の手相を占ったり、占い師としての道が開けたりすることもあるかもしれません。
ここでは特におすすめな資格を2つご紹介しましょう。
手相鑑定士資格認定試験は、日本占い師協会が認定する資格です。受験資格はなく、誰もでも気軽に受けることができます。
手相鑑定士資格認定試験では、手相の歴史にはじまり9つの丘や知能線、感情線など手相占いの知識を幅広く習得可能です。
2024年は8月と10月の2回実施され、資格取得後は個別相談やワークショップの開催などができるようになります。
在宅で受験できるため、忙しい方でも合格を目指しやすいでしょう。
パームリーディングアドバイザー®資格認定試験
は、日本メディカル心理セラピー協会が認定する資格です。こちらも受験資格はないため、誰もでも気軽に受けられます。
パームリーディングアドバイザー®資格認定試験では、運命線や生命線など基本的な手相の知識のほか、掌全体の相や指の広げ方など、手相占いの実践で活かせる知識を学ぶことができます。
2024年は8月と10月の2回実施され、在宅で受験可能です。
初心者から経験者まで幅広く対象としており、手相に興味のある方は誰でも楽しく学びながら資格取得を目指せるでしょう。
手相占いは、手のひらの線や丘を通じてその人の持って生まれた才能や運命などを読み解く占いです。
今回ご紹介した基本の7大線や9つの丘を理解することで、より深い占いができるようになるでしょう。
手相占いを本格的に学びたい方は、資格取得を目指すのもおすすめです。資格があれば自信を持って手相を読めるようになるだけでなく、手相鑑定士や講師など新たな道も開けるかもしれません。
この記事を通じて、ぜひ手相占いの奥深い世界に一歩を踏み出してみてくださいね。