マインドフルネス・瞑想のやり方とは?初心者が無理なく続ける方法

マインドフルネス・瞑想のやり方とは?初心者が無理なく続ける方法

記事作成日:2024.10.16
マインドフルネス・瞑想のやり方とは?初心者が無理なく続ける方法

マインドフルネスや瞑想をやってみたいけど、「やり方がわからない」とお悩みの皆様。

今回は7つのマインドフルネスや瞑想のやり方を紹介します。初心者の方も、以前続かず、やり方を知りたい人にもおすすめの記事です。最後まで読んで、今日からマインドフルネスを実践してみませんか?

目次

1.マインドフルネスや瞑想ができている状態とは?

マインドフルネスとは「今、ここ」に意識を集中させている状態のことを指します。

たとえば、呼吸瞑想中に「今日の仕事の予定は…」「スーパーで何買おうか…」など、ほかのことを考えている状態はマインドフルネスができてる状態とはいえません。

しかし、マインドフルネスはそもそもできているかどうかの判断を下すものではないので、「できていないからダメ」と捉えず呼吸に意識を向き直せれば問題ありません。

2.マインドフルネスをつかむために知っておきたい知識

「マインドフルネス=瞑想」ではなく、マインドフルネスは目の前のことに集中している状態です。

マインドフルネスに取り組むための方法の1つとして、瞑想が採用されています。マインドフルネスや瞑想状態をつかむために、知っておくといい知識・キーワードを紹介します。

2-1マインドワンダリング

マインドワンダリングとは、わかりやすくいうとマインドフルネスではない状態のことです。

心の迷走状態を意味し、目の前のことから注意が逸れていることをいいます。先ほど紹介した、呼吸瞑想中にほかのことを考えている状態はマインドワンダリングです。

また、瞑想中ではなくても仕事中にプライベートのことを考えて、業務に集中できていない状態もマインドワンダリングと言えます。

2-2デフォルトモード・ネットワーク

デフォルトモード・ネットワーク(DMN)とは、脳が活発になることで疲れやすくさせてしまっている神経回路のことです。

脳が活発になるのはいいことに感じますよね。しかし、DMNは何もしていない時に脳が活性化して「心ここにあらずの状態」となっているのです。

みなさんは何もしていない時ほど、余計なことを考えたりネガティブになった経験はありませんか?その状態がまさしくDMNです。

2-3セントラルエグゼクティブネットワーク

セントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)とは、余分なエネルギーを消費せずに結果を出すために、脳が活発になっている神経回路です。

作業が効率よく遂行できたり、計画通りに物事が進んでも疲労感よりすっきりした感覚になっているときは、CENが正常に働いているといえます。

・課題遂行中や瞑想中にCENが活発になっている状態→マインドフルネス
・課題遂行中や瞑想中、何もしていない時にDMNが活発になっている状態→マインドワンダリング

マインドフルネスのトレーニングを重ねていけば、今はマインドワンダリングになりやすい人も「心ここにあらずの時間」を減らせます。

2-4セイリエンス・ネットワーク

もう1つ大事な神経回路が、セイリエンス・ネットワーク(SN)です。

SNは、脳に送られてきた指令・情報に合わせて、CENとDMNを切り替える役割を担います。SNは情報処理や注意集中の持続のために、重要な「脳の司令官」として機能している神経回路。

セイリエンス・ネットワークとセントラルエグゼクティブネットワークの結びつきが強ければ、マインドフルネスの感覚をつかみやすいですが、つながりが弱いとマインドワンダリングとなりやすいです。

2-5フロー状態

マインドフルネスでもう1つ忘れてはいけないのが「フロー状態」。

フロー状態とは、ある条件が重なったときに1つの活動に対して没頭している状態のことです。パフォーマンスを最大限に発揮できているため、活動が終わった後に達成感や爽快感などを得られます。

フロー状態の条件

フロー状態の条件とは、活動に取り組む本人の「スキル」と「挑戦する課題」のレベルが両方とも高い状態のこと。

たとえば、スポーツ選手が試合直後に、すっきりした表情でインタビューを受けている姿を見たことはありませんか?おそらく選手がフロー状態だったため、試合直後でもいい笑顔でいられるのです。

人間は自分のスキルよりも、挑戦する課題のレベルが高い状態では「心配」や「不安」が勝ってしまいます。一方で、挑戦する課題のレベルが自分のスキルよりも低いと、「退屈」「リラックス」という状態になったり、どちらも低いと達成しても感動しません。

人間はリラックスしているだけでなく、適度にフロー状態となることで幸福度が増すといわれています。

3.マインドフルネス・瞑想のやり方7選

ここからは、マインドフルネスのやり方を紹介します。

3-1呼吸瞑想のやり方

最も有名なエクササイズである呼吸瞑想。

呼吸瞑想は、呼吸に意識を向けるマインドフルネスの方法です。

<呼吸瞑想のやり方>
①椅子に浅く腰かけて、姿勢を整える
②ありのままの呼吸を意識する

初心者は1~3分程度からはじめてみましょう。呼吸瞑想はどこでもできますし、この後紹介するエクササイズに取り組む前に行うこともおすすめです。

呼吸瞑想のみの場合は、朝カーテンと窓を開けて光や風を感じながら行うと効果UP!

意識が逸れても、呼吸に集中しなおせば大丈夫なので、明日の朝からできるように今練習してみましょう。

3-2食べる瞑想のやり方

食べる瞑想(マインドフル・イーティング)とは、食事のときにできるマインドフルネスエクササイズです。

五感をフルに使って、食事の色や香り、食感、温度などに意識を向けて食事をします。過食や早食いを防げるので、ダイエットしたい人や便秘になりやすい人にもおすすめです。

<食べる瞑想のやり方>
①食べるものを観察する(スプーンや箸などですくったものだとなおよい)
②香りをかぐ
③口に入れて、食材を舌で感じる
④ゆっくりと噛む
⑤ゆっくりと飲み込む

食事中ずっとではなく、最初の数口だけでも効果的です。もともとは一粒のレーズンを食するレーズン瞑想として広まりました。食事以外では、温かい飲み物で実践する「飲む瞑想」も同様の効果を得られます。

3-3ジャーナリングのやり方

ジャーナリングとは、書く瞑想とも呼ばれているマインドフルネスのエクササイズです。

呼吸瞑想や食べる瞑想と異なり、文字で自分の頭の中を書き起こすことで、自分と向き合う方法として注目されています。

<ジャーナリングのやり方>
①静かで落ち着く環境を整える
(お気に入りの飲み物や音楽、香りを用意しましょう)
②紙とペンを用意する
③頭に思い浮かんだことを評価せず、そのまま自由に書く
(マインドフルネスのポイントは、否定しないことです)

やり方のコツは、制限時間を決めて集中すること。何も思い浮かばないときや、初心者の方はテーマを決めて取り組むのもおすすめです。

可能であれば1週間や1か月ごとなど、定期的に読み返す時間を作ってみましょう。書いたときの自分を今の自分が客観視している状態となり、冷静に自分自身を見つめて、方向性の修正や新たなアイデアにつながっていきます。

3-4歩行瞑想のやり方

歩行瞑想は、歩く際に実践できるマインドフルネスのエクササイズです。

<歩行瞑想のやり方>
①姿勢を整える
②歩き始める
③1つのこと(例:足の裏の感覚)に意識を向ける

もともと、室内で目を瞑って行うことが推奨されていますが、公園など人とぶつからない場所であれば大丈夫です。

また、目を瞑らなくても足裏の感覚などに集中はできるので、周りに気を付けながら日常生活で取り入れてみましょう。

3-5ボディスキャンのやり方

ボディスキャンとは、身体感覚に意識を向けるマインドフルネスのエクササイズです。

まるで自分の身体をCTでスキャンしているかのように、身体感覚をありのまま感じます。

<ボディスキャンのやり方>
①仰向けになる(座って行っても大丈夫です)
②自然な呼吸に意識を向ける
③身体の部位に1つずつ意識を向ける

足先から頭まで、徐々に身体を観察(スキャン)します。順番に決まりはないですが、足先か頭のどちらかからやると全身をスキャンする感覚になりやすいでしょう。

④全身を感じつつ、自然な呼吸を続ける

夜寝る前に行って、そのまま寝ることで睡眠の質が向上するといわれています。

眠れない夜や熟眠できていない日が続いている人は、ボディスキャンを夜に試してみてくださいね。

3-6マインドフルリスニングのやり方

マインドフルリスニングは、ここまで紹介した5つのエクササイズとは異なり、相手が必要となります。

皆さんは、人と話しているとき「私はそう思わないな」「なんてひどいことを言うんだろう」など、相手の話に自分の価値観を重ねてネガティブな気持ちになったことはありませんか?

マインドフルリスニングは、自分の価値観を手放して相手の話に集中する方法です。

<マインドフルリスニングのやり方・コツ>
①相手が話し始めたら、腰を折らずに最後まで聴く
②注意が逸れたら、相手の話に意識を戻す

トレーニングとして行う場合は、相手と交互に役割を変えて、聞き終わったあとに内容の要約を伝えましょう。

日常の中に取り入れる際は、主観ではない形で相手のことを思って、労いや共感の言葉を伝えてみてください。

3-7慈悲瞑想のやり方

慈悲瞑想とは、自分や他人へ慈しみや思いやり、優しさを向けるマインドフルネスのエクササイズです。

<慈悲瞑想のやり方>
①楽な姿勢で座る(椅子でも床でもOK)
②呼吸に意識を向ける
③自分に対することを念じる
(例:「私が幸せでありますように」「私が今日も穏やかに過ごせますように」)
④自分にとって大切な人へのことを念じる
⑤再び呼吸に意識を向ける

ネガティブな気持ちになっていないときは、④と⑤の間に以下の人たちに向けた慈悲もやってみましょう。

・中立な立場の人や世界中の人
・自分が苦手な人や嫌いな人

両方やるなら順番は、中立な人たち→苦手な人たちにしてください。

しかし、自分の心に余裕がないときやつらいときに、無理に嫌いな人に思いやりを向ける必要はありません。

4.瞑想ができないと思ったときは?

マインドフルネスのエクササイズや各瞑想のやり方を紹介しました。

毎日継続することで、マインドフルネスの効果は得られますが、なかなか継続が難しいという意見もあります。

継続が難しい人や「瞑想ができない」と感じている人は、次のやり方を試してみましょう。

4-1時間を短くしてみる

マインドフルネスの上級者や夢中になっている人たちは、数十分以上行っている人もいます。

しかし、初心者の方や雑念がよく出てくる人は、毎日継続するだけでも必死ですよね。それならば、無理に長時間行わずに短時間行いましょう。

1日1分でも毎日実施するだけで、感じ方は変わっていきます。

できそうな日はもう少し時間を増やしてみてもいいですし、その日の自分の状態と相談しながら取り組んでみてください。

4-2ラベリングしてみる

マインドフルネスや瞑想が続かない理由の多くは、雑念が出てきてしまうこと。

ラベリングとは、雑念に名前を付けて、雑念を手放す方法です。

たとえば瞑想中に、昨日上司に注意されたことを思い出したとします。悲しくなってきて、「仕事に行くのやだな」「上司怖いな」「怒られたくないな」という考えが頭に思い浮かぶことも多いでしょう。

そのような場合に、次のやり方でラベリングをします。

・「上司上司上司」と雑念を単語に置き換えて意味を失わせる
・「イライラ君、イライラ君、イライラ君」とキャラクター化してしまう

注意されたことや、上司が怖いという自分の感覚ではなく、単語を連呼することに集中する方法です。

4-3正解を求めない

そもそもマインドフルネスとは、今ここに集中している状態であり、評価や判断は行わないことを指します。

マインドフルネスや瞑想に絶対的な正解はありません。理屈で考えたり、正解を求めるよりも、自分自身が続けられる方法で継続することがマインドフルネスの感覚をつかむ近道です。

「雑念が浮かぶこともあるよね」「1分できたから十分だよね」と自分の現状をあるがままを受け入れましょう。

4-4誘導瞑想を活用する

マインドフルネスはあらゆることに効果的ですが、「今、ここ」に意識をむけることは結構難しいですよね。

初心者の方や、つい普段からいろいろと考える人は誘導瞑想がおすすめ!

誘導瞑想とは、動画や音声コンテンツを活用して瞑想のガイドをしてもらう方法です。

YouTubeには1分瞑想から、さまざまな瞑想法まで誘導瞑想の動画が上がっています。誘導瞑想のメリットは、ガイドの方が正しい瞑想の声掛けとともに温かい言葉を言ってくださること。

自分が集中しやすいガイドさんの音声を見つけて、瞑想しやすい環境を整えましょう。

4-5ヨガなど動きを取り入れる

マインドフルネスや瞑想が苦手な人のなかには、じっとすることが耐えられない人も多いそうです。

マインドフルネスも瞑想も、じっとすることが目的ではなく、1つのことに意識を向けて集中することが重要。

じっとするのが苦手な人は、ヨガや生活瞑想を取り入れてみましょう!

ヨガは呼吸に意識を向けながら、ゆっくりとした動作を行うものからパワフルな動作を行うものまでさまざまです。

実施する目的には多少違いがありますが、マインドフルネスヨガ(動く瞑想)というものもあるので、自分に合う方法を取り入れてみましょう。

生活瞑想とは、生活動作の1つひとつに集中する方法です。例えば、皿洗いで水やスポンジの感覚に集中する、歯磨きに集中するなどが当てはまります。

4-6リトリートに出かけてみる

リトリートとは、非日常空間で心身をリフレッシュさせること。

近年は、自然を感じられる場所でヨガやマインドフルネスを行う方法として注目されています。

無理に非日常空間でヨガやマインドフルネスを実践する必要はありません。しかし、日常から離れられる場所へ行き、ゆっくりと過ごすことで、自分と自然に向き合い大切にできるかもしれません。

5.マインドフルネスのデメリット・注意点

マインドフルネスはさまざまな効果を得られるものですが、デメリットや注意点もあります。

5-1執着・依存してしまう

メリットだらけのマインドフルネスだからこそ、ハマりすぎて「やらなきゃ!」「瞑想をしないと不安になる」といった依存状態も生じやすいです。

マインドフルネスはネガティブな気持ちを和らげてくれて、不安や怒りなどの軽減にもつながります。しかし、マインドフルネスをしていないと不安が戻ってきてしまうようでは、本来の効果は得られていません。

生活瞑想のように自然に取り入れることと、「やらなきゃ」となっている状態は違います。焦ったり追い込んだり、義務化したりせずに、適度に取り組みましょう。

5-2不安が増える可能性がある

瞑想を取り入れることによって、些細なことにも敏感になりやすいです。決してやり方が間違っているのではなく、自分に向き合った結果「あのときああすればよかった」「もっとこうできていれば」という反省が湧き出てしまった結果といえます。

時に正しさを求めたり、普段から必要以上に反省することの多い人は体調が悪くなる場合も。

調子を崩したり、ネガティブな気持ちが晴れないときは無理にマインドフルネスを続けずに、いったんお休みしましょう。

もし、呼吸瞑想やボディスキャンなどで不安になりやすい場合は、ジャーナリングに切り替えるのもおすすめです。逆も同様となりますが、どちらも無理しないことが一番大切ですよ。

5-3自分を責めてしまう

マインドフルネスのメリットは、幸福度が増すことですが、幸福度を得るまでの過程のなかでは苦しくなる人もいます。

たとえば「毎日〇時に起きて呼吸瞑想をしよう」と決めたとしましょう。〇時に起きられなかった時点で、「起きられなかった」「なんて私はだめなんだ」と捉えて、呼吸瞑想も実践しないことを選ぶ方がいます。

このように決めたことを守らなければ、と思ってしまうことによる自責の念にかられるのはマインドフルネスのデメリットと言えるでしょう。

6.デメリットとならないようにするためには?

マインドフルネスのデメリットを避けるためには、次のようなやり方や考え方を取り入れてみましょう。

合わせて「瞑想ができないと思ったときは?」を思い出してみてください。

6-1判断しない

決めたことができなかったからダメ、雑念が湧いてきたから失敗などと判断することはやめましょう。

あるがままの自分を受け入れることこそが、マインドフルネスです。受け入れられない自分も、認めてあげることで、自分に優しくなり「じゃあどうすれば続けられるのか」という意識になりやすくなります。

6-2環境を整える・やり方を変える

現在、マインドフルネスを行っている時間帯や場所などはどんな感じでしょうか?

例えば…
・出勤ギリギリまで寝ていたいけど、朝瞑想することを決めた場合
→本当に朝でいいのか、朝やりたい理由を考える。
 もし朝にこだわらなくてもよさそうであれば、ボディスキャンに変えて睡眠の質を上げる

・窓を開けたいけど、車の音が聞こえて気分が下がる
→YouTubeなどで自然音の動画を流して、気分をあげたり、飲み物を用意する

・いつもなんだか忘れてしまう
→歯磨きの後など、毎日やることの後に取り入れる、もしくは生活瞑想にチャレンジ!

6-3長い目でみる

マインドフルネスの効果は、3週間~2か月程度で得られます。

しかし、もっと早い人や、少々時間のかかる人もいるので実際は人それぞれです。1回で効果を得ようとしたり、数日で「何も変わらない」と考えるとモチベーションが下がります。

効果を得ようではなく、少しずつ続けてみよう、と意識するだけでデメリットの1つである「依存」となりにくくなるでしょう。

7.まとめ

マインドフルネスや瞑想のやり方を解説しました。

紹介したやり方は基本とはなりますが、正解ではありません。ご自身が続けやすいやり方で、まずは瞑想を継続してみてください。

また、もっとマインドフルネスや瞑想のことが知りたい方は、セミナーを受講したり、資格を取得したりするのもおすすめです。

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