マインドフルネスとは?仕事に必要な理由や効果・実践方法を解説

マインドフルネスとは?仕事に必要な理由や効果・実践方法を解説

記事作成日:2024.06.13
マインドフルネスとは?仕事に必要な理由や効果・実践方法を解説

目まぐるしく移り変わる現代のビジネスシーンのなかで、心の健康を保ち、常に高いパフォーマンスを発揮するための取り組みとして、「マインドフルネス」に注目が集まっています。マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を集中させるトレーニングのことで、ストレス軽減や集中力向上に効果があると言われています。本記事では、仕事におけるマインドフルネスの必要性やその効果、具体的な実践方法などについて解説していきます。

目次

マインドフルネスとは何?

【見出し】マインドフルネスとは何?

マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を集中させる心の在り方のこと、またはその実践法のことを言います。マサチューセッツ大学医学大学院教授であるジョン・カバット・ジン氏は、マインドフルネスを「意図的に、今この瞬間に、価値判断することなく注意を向けること」と説明しています。

私たちの心は常に波立っており、仕事のプレッシャーや将来の不安など、様々な雑念に支配されがちです。このような雑念を鎮め、「今、この瞬間」だけに集中するのがマインドフルネスです。

マインドフルネスが仕事において重要な理由

【見出し】マインドフルネスが仕事において重要な理由

2-1自己認識力が高まるから

自己認識力は、仕事において重要なスキルの一つです。自己認識力とは、自分の感情や考え、身体の状態などを理解する力のことです。自己認識力が高い人は、人間関係の構築力やコミュニケーションスキルが高く、判断力にも優れていると言われます。マインドフルネスを実践することで、自己認識を司る脳の領域が活性化され、自己認識力が鍛えられます。その結果、営業スキルやマーケティングスキル、交渉力などにもプラスの影響がもたらされ、ビジネスパーソンとしての総合的な仕事力が向上します。

2-2集中力が高まるから

ある研究によると、ビジネスパーソンは1日の勤務時間の約半分が経過する頃から、集中力が低下することが分かっています。過去の後悔や未来の不安に気を取られ、目の前の仕事から意識が離れてしまうことから、この状態は「マインドワンダリング(心の迷走)」とも呼ばれます。マインドフルネスを実践することで集中力が高まり、マインドワンダリングに陥るのを防ぐことができます。また、自分の感情をマネジメントできるようになり、仕事に対するネガティブな感情を抑えられるようになります。

マインドフルネス実践のメリット

3-1ストレスの軽減

マインドフルネスは仕事にプラスの影響をもたらすと言われますが、具体的な効果の一つが、ストレスの軽減です。私たちを取り巻く仕事環境は、プレッシャーやタスクに溢れており、多くの方が日々ストレスを抱えながら仕事をしています。マインドフルネスによって呼吸や身体の感覚に注意を向けることで、リラックス効果がもたらされ、ストレスの軽減につながります。その結果、高いパフォーマンスを維持できるようになり、仕事の質と効率が向上します。

3-2生産性の向上

マインドフルネスを実践することで集中力が高まり、仕事における生産性の向上が期待できます。仕事をしていれば誰でも気が散ったり、注意力が途切れたりするものです。しかし、マインドフルネスによって「今、この瞬間」に意識を向けることで、集中力を持続しやすくなります。仕事中に他のことに気を取られることが少なくなり、目の前の仕事にフォーカスできるようになるのは、マインドフルネスの効果の一つです。その結果、安定して高いパフォーマンスを発揮できるようになり、生産性の向上につながります。

3-3対人スキルの向上

マインドフルネスを実践することで、対人スキルの向上にもつながります。上述のとおり、マインドフルネスによって自己認識力を高めることができます。自己認識力が高まることで、自分の感情や思考を適切に理解し、コントロールできるようになります。その結果、他者とのコミュニケーションの質が向上し、上司や同僚と良好な関係性を築けるようになるのです。相互理解が深まることで信頼が向上し、仕事を円滑に進められるようになるでしょう。

3-4創造性の向上

創造性の向上も、マインドフルネスの実践によって期待できるメリットの一つです。マインドフルネスは、思考の柔軟性を高める効果があると言われています。繰り返しマインドフルネスをおこなうことで、先入観や固定観念にとらわれず、自由な発想ができるようになります。仕事は問題解決の連続ですが、その際も従来の方法にこだわらず、新しいアイデアやアプローチを考えられるようになります。創造的な思考プロセスが身に付くことで、仕事におけるイノベーションの創出にもつながるでしょう。

マインドフルネス実践のデメリット

4-1不安が増す可能性がある

マインドフルネスは、瞑想などを通して自分の心と向き合うことで、ストレスの低減を図ることができます。しかし、瞑想中に自分の不安を深く掘り下げていくと、不安が消えるどころか、逆に大きくなってしまうことがあります。マインドフルネスの過程で自分の心と正面から向き合うことで、心の奥深くにある悩みやネガティブな考えに気付かされることもあります。人によって、また状況によっては、マインドフルネスが不安を増幅させる原因になり得るということを認識しておかなければいけません。

4-2瞑想に依存してしまう可能性がある

マインドフルネスのデメリットの一つが、瞑想に依存してしまう可能性があることです。マインドフルネスでは、瞑想を通して自分の心と向き合うことでストレスから解放されることが多くありますが、瞑想に頼り過ぎると依存状態に陥ってしまうことがあります。瞑想に依存するようになると、自分の心に閉じこもりがちになります。そうなると、逆にストレスを感じるようになり、精神的に不安定になったり、うつ病を引き起こしたりする可能性があるため注意が必要です。マインドフルネスは適度に実践することが大切であり、瞑想に依存し過ぎないように注意しなければいけません。

4-3精神バランスを崩す可能性がある

マインドフルネスは、心身の健康に多くのメリットをもたらす一方で、過剰に実践することで、人によっては精神バランスが崩れてしまうこともあります。それが、「禅病」や「魔境」と呼ばれる不調です。禅病や魔境の主な症状としては、被害妄想、幻覚、幻聴、冷え、のぼせ、耳鳴り、頭痛、胸の痛みなどが挙げられます。マインドフルネスは、適度に正しく実践していれば心身にポジティブな変化が現れますが、過剰な取り組みは逆効果になりかねません。自分に合ったペースで、無理なく継続することが大切です。

マインドフルネスの実践方法

5-1静座瞑想

静座瞑想は、座った姿勢でおこなう瞑想で、呼吸や身体の感覚に意識を向けるトレーニングです。マインドフルネスの実践方法としてポピュラーなものであり、初心者の方でも簡単に取り組むことができます。静座瞑想の手順は以下のとおりです。

・背筋をまっすぐ伸ばし、肩の力を抜いて座ります。
・目を閉じます。
・呼吸に意識を集中させます。
・息を吸い込んだときはお腹の「ふくらみ」を、息を吐いたときはお腹の「引っ込み」を感じ取ります。

5-2歩行瞑想

歩行瞑想は、歩きながらおこなう瞑想で、足裏の感覚に意識を向けるトレーニングです。マインドフルネスの実践方法として一般的な方法の一つです。歩行瞑想の手順は以下のとおりです。

・背筋をまっすぐ伸ばし、リラックスした姿勢でゆっくりと歩きます。
・足裏の感覚や足の動きに意識を集中させます。
・「かかとが着いた」「つま先が離れた」など、一歩一歩の動作を細かく感じ取ります。
・雑念が湧いてきたら無理に消そうとせず、静かに歩行に意識を戻します。

5-3ボディスキャン瞑想

ボディスキャン瞑想は、身体の各部位に意識を向け、緊張やこわばりなどを感じ取る瞑想方法です。心身の疲れを癒し、回復を促す効果が期待できます。ボディスキャン瞑想の手順は以下のとおりです。

・椅子に座った状態で、もしくは立った状態で呼吸を整えます。
・骨盤や足の付け根、指先など、身体の各部位を巡り、順番に意識を集中させます。
・緊張やこわばりなど不快な感覚があれば、呼吸に合わせて吐き出します。

マインドフルネスを実践する際のポイント

マインドフルネスを実践する際の重要なポイントが、「評価を手放すこと」と「あるがままを受け止めること」です。

「評価を手放す」とは、自己批判や他者批判をしないということです。私たちは無意識のうちに、自分と他者を比較し、評価してしまうことがあります。ですが、こうした評価はネガティブな感情を生み出し、心を不安定にする要因になります。まずは、「評価している自分」に気付き、評価するのを止めてみましょう。

「あるがままを受け止める」とは、文字どおり、自分の感情や状況をありのままに受け入れることです。私たちは、心の中に無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を持っています。この偏見にとらわれず、今の自分の感情や状況をありのままに見つめ、受け止めることで心が安定し、「今、この瞬間」に意識を集中できるようになります。

マインドフルネスをやってはいけない人とは?

マインドフルネスは、心身の健康に多くのメリットをもたらす一方で、注意すべき点もあります。特に注意が必要なのが、精神疾患を抱えている方です。こうした方は、マインドフルネスを実践することで抑圧されていた感情や記憶が蘇り、精神的に不安定になってしまうことがあります。以下のような方は、マインドフルネスを始める前に医師や専門家に相談することをおすすめします。

・うつ病や不安障害などの精神疾患を抱えている方
・過去にトラウマを抱えている方
・心身に極度の疲労を抱えている方

資格取得でマインドフルネスの理解を深めよう

8-1マインドフルネスの資格取得で身に付く知識

マインドフルネスの資格取得に取り組むことで、マインドフルネスの基本原則や背景、心理学的な理論に関する知識が深まります。また、様々なマインドフルネスのやり方やテクニックを習得することができます。

グループセッションや個別指導の方法について学べば、他者がマインドフルネスを実践するのをサポートすることもできるようになります。昨今は、仕事におけるストレス管理やメンタルヘルス管理の重要性が高まっている時代です。こうした時代において、企業で働く人々に対してマインドフルネスの実践支援ができるようになるのは、資格取得の大きなメリットだと言えるでしょう。

マインドフルネスの資格なら「日本メディカル心理セラピー協会」

9-1日本メディカル心理セラピー協会について

日本メディカル心理セラピー協会は、心のケアを中心とした技術水準の向上、各スキルの社会的地位の確立を目指して、数多くの資格認定をおこなっています。そのなかでも、近年人気が高まっているのが、「マインドフルネスセラピスト資格」です。マインドフルネスセラピスト資格の認定試験は2ヶ月おきにインターネット上で実施しており、全国どこからでも受験していただけます。

自分自身でマインドフルネスを実践したい方も、他者にマインドフルネスを指導したい方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ

マインドフルネスの実践によって、ストレスをコントロールでき、集中力や創造性が高まることが明らかになりつつあります。マインドフルネスは短い時間で実践できるため、忙しいビジネスパーソンの方も仕事の合間に取り組むことができます。心身のバランスを整え、より健康で幸福なビジネスライフを送るため、ぜひマインドフルネスを取り入れてみましょう。マインドフルネスを一から学びたい方は、資格を取得するのもおすすめです。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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