心理カウンセラーになるための資格とは?おすすめ資格や仕事内容を紹介

心理カウンセラーになるための資格とは?おすすめ資格や仕事内容を紹介

記事作成日:2024.06.17
心理カウンセラーになるための資格とは?おすすめ資格や仕事内容を紹介

心理カウンセラーは、人々の悩みに寄り添い、解決への道筋を示す専門職です。心理カウンセラーになるために資格は必要ありませんが、知識を向上させ、相談者からの信頼を獲得するために資格を取得する人はたくさんいます。本記事では、心理カウンセラーにおすすめの資格の種類や仕事内容について解説していきます。

目次

心理カウンセラーとは?

【見出し】心理カウンセラーとは?

心理カウンセラーとは、悩みやストレスを抱える人に対してカウンセリングを提供する専門職のことです。心理学の知識をベースにしたカウンセリングで、相談者の悩みや問題を解決へと導いていくのが心理カウンセラーの役割です。

1-1心理カウンセラーの仕事とは?

心理カウンセラーの主な仕事は、悩みを抱える人に対するカウンセリングです。ストレス社会と言われる昨今、仕事でもプライベートでもストレスや不安、苦悩を抱える人が増加しており、カウンセリングを求める人も増えています。心理カウンセラーの需要も高まっており、民間企業や医療機関、教育現場や福祉施設などで数多くの心理カウンセラーが活躍しています。
カウンセリングの目的は、相談者の心に寄り添い、悩みを緩和したり、課題を解決へと導いたりすることです。多かれ少なかれ、誰もが悩みやストレス、問題を抱えており、その解決を求めてカウンセリングを受けにきます。仕事のことや家族のこと、恋愛のことや健康のことなど、人の悩みは多岐にわたります。こうした相談者の悩みにアプローチし、心のケアをするのが心理カウンセラーの仕事です。
なお、心理カウンセラーの仕事をするために、特定の資格は必要ありません。極端な話、「心理カウンセラーです」と名乗れば、誰でも心理カウンセラーになることができます。ですが、カウンセリングを求めている人は「誰でもいいから話を聞いてもらいたい」と思っているのではなく、「専門家に相談して悩みを解決したい」と思っています。こうした相談者に対して、専門知識やカウンセリングスキルを有していることを示すために資格を取る人は少なくありません。また、心理カウンセラーとして就職・転職する際も、資格があればアドバンテージになります。

1-2心理カウンセラーの年収・給料の相場

一般的な「カウンセラー」の年収・給料の相場をご紹介します。
カカクコムが運営する求人に特化した検索エンジン「求人ボックス」によると、カウンセラーの平均年収は正社員で383万円となっています。なお、派遣社員の平均給料は時給1,495円、パート・アルバイトの平均給料は時給1,149円となっています。
※参考:カウンセラーの仕事の平均年収は383万円|求人ボックス(2024年4月30日更新)※参考:カウンセラーの仕事の平均年収は383万円|求人ボックス(2024年4月30日更新)
また、求人情報専門検索エンジンのIndeed(インディード)によると、日本のカウンセラーの平均年収は3,600,359円となっています。月給だと254,912円、日給だと12,151円です。
※参考:日本でのカウンセラーの給与|求人情報専門検索エンジンindeed(2024年5月20日更新)

心理カウンセラーの仕事内容

【見出し】心理カウンセラーの仕事内容

心理カウンセラーの一般的な仕事内容(勤務先・働き方)についてご説明します。学校や民間企業、福祉施設で働くほか、独立して心理カウンセリングの仕事をする人もいます。

2-1学校

学校において心理カウンセラーは、「スクールカウンセラー」として働くのが一般的です。スクールカウンセラーは、児童や生徒の心の健康をサポートすることが主な仕事です。彼ら・彼女らの気持ちに寄り添い、心のケアをして、悩みの緩和・解消へと導いていきます。また、学校で働く教職員に対してカウンセリングをすることもスクールカウンセラーの仕事の一つです。子供が好きで、健やかな成長をサポートしたいと考える人には最適な仕事だと言えるでしょう。

2-2企業

民間企業においても、多くの心理カウンセラーが活躍しています。昨今は、仕事上の過度なストレスからメンタルヘルス不調に陥る従業員が増えており、企業におけるカウンセリングニーズが高まっています。カウンセリングを通して従業員の心の健康をサポートし、ストレスや悩みの解消に貢献することが、企業における心理カウンセラーの役割です。個々の従業員とのカウンセリングだけでなく、従業員を集めてストレス管理やメンタルヘルスに関する研修をおこなうこともあります。

2-3福祉施設

困難な状況にある人が常に支援を求めている福祉施設では、心理カウンセラーの存在が不可欠です。心理カウンセラーは、高齢者や障害を持つ方、虐待やDVの被害者の方などへのカウンセリングを通して、悩みや苦しみに耳を傾け、適切なアドバイスや支援をすることで生活の質の向上を図っていきます。障害者支援施設や児童福祉施設など様々な福祉施設がありますが、高齢化が進む日本においては、特に老人福祉施設におけるカウンセリングニーズが高まっています。

2-4独立

心理カウンセリングに関する知識・スキルを有している人は、独立・開業して働くという選択肢もあります。独自の強みやカウンセリングスタイルを持っている人は、独立を選択することが少なくありません。自らカウンセリングルームを開設する人もいれば、フリーランスの心理カウンセラーとして活躍する人もいます。独立はリスクも伴いますが、自分のカウンセリングルームを持ちたい方や、柔軟な働き方を求める方にとっては魅力的な選択肢だと言えるでしょう。

心理カウンセラーに向いている人とは?

心理カウンセラーの役割は、相談者に自分の考え方を押し付けることではなく、相談者の気持ちに寄り添い、一緒に悩みや課題を解決していくことです。常に相手の視点に立って物事を考えられる人であれば、心理カウンセラーに向いていると言えるでしょう。
また、心理カウンセラーにとって、相手の話を傾聴するスキルは重要な資質の一つです。単に話を聞くだけでなく、言葉の裏側にある「真意」を洞察できるかどうかが大事です。相手の話を「ただ聞く」のではなく「心で聞く」ことができる人や、表情や仕草など非言語的のコミュニケーションから相手の気持ちを読み取れる人なら、心理カウンセラーとしての適性があります。
寛大で忍耐強い人も心理カウンセラーに向いています。ストレスや不安を抱えている人は心理的に不安定な状態になりやすく、カウンセリング中に感情的になることもあります。また、悩みの解消に長い時間がかかることも多々あります。そのため、根気よく相手に向き合っていける人でないと心理カウンセラーは務まりません。

心理カウンセラーになるには?

上述のとおり、心理カウンセラーになるために資格は必要なく、学歴も必要ありません。ただ、資格を持っていると、カウンセリングに関する知識・スキルの証明になり、相談者や事業者からの信頼を得やすいため、資格を取得している心理カウンセラーは少なくありません。心理カウンセリングに関する資格は、国家資格と民間資格に分類することができます。

4-1国家資格の取得

心理カウンセリングに関する国家資格は唯一、「公認心理師」だけです。公認心理師は比較的新しい資格であり、2017年9月に施行された公認心理師法に基づいて生まれました。
国家資格は法律によって規定されている資格であり、権威性があり信頼性の高い資格だと言えます。それゆえ、一般的には難易度が高く、試験に合格するために要する期間も長くなりがちです。また、国家資格を取得するには受験資格を満たしている必要があり、学歴や実務経験が求められるケースもあります。国家資格の最大のメリットは、世間の信用度が高いことです。ある意味、国からの「お墨付き」をもらっている証明になるので、「国家資格を持っている人なら安心だね」というように、顧客や事業者から信頼を得やすくなります。

4-2民間資格の取得

心理カウンセリング関連の資格は、公認心理師以外はすべて民間資格です。民間資格は、民間団体や公益法人が認定している資格であり、心理カウンセリングの分野にも多くの民間資格があります。民間資格は国家資格ほどの権威性はありませんが、知識・スキルを証明するために十分に活用することができます。実際に民間資格を取得して、プロの心理カウンセラーとして活躍している人はたくさんいます。特に、受験者数が多く、認知度の高い民間資格であれば、就職・転職の際にもアドバンテージになるでしょう。
民間資格は社会のニーズに合わせて設けられることも多く、実践的で有用な資格がたくさんあります。難易度もそれほど高くないので、初学者の方でもチャレンジしやすい資格だと言えるでしょう。

心理カウンセラーになるためのおすすめの資格を紹介

心理カウンセラーになるためのおすすめのカウンセリング資格をご紹介します。公認心理師、臨床心理士、認定心理士、メンタル士心理カウンセラー®、メンタル心理インストラクター®などは、心理カウンセラーを目指す方におすすめの資格です。

5-1公認心理士

公認心理師は、日本で唯一の心理カウンセリングに関する国家資格です。心理カウンセリングに関する資格のなかでは、もっともハードルが高い資格だと言えます。

公認心理士について

公認心理師とは、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識および技術をもって、次に掲げる行為をおこなうことを業とする者を言います。
(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
※参考:公認心理師 |厚生労働省

資格を取得する方法

公認心理師の資格を取得するには、公認心理師試験を受験して合格する必要があります。ただし、公認心理師試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格があります。大学で必要な科目を修了し、卒業後、指定された科目を開設する大学院に進んで必要な科目を修了する、もしくは、法の規定する認定施設で2年間の実務経験を積むことで受験資格が与えられます。なお、近年の合格率は50%前後で推移しています。

5-2臨床心理士

臨床心理士は、心の問題に取り組む「心理専門職」の証となる民間資格であり、日本臨床心理士資格認定協会が認定しています。

臨床心理士について

臨床心理士は、心臨床心理士は臨床心理学を学問的基盤とし、相談者が抱える種々の精神疾患や心身症、精神心理的問題・不適応行動などの援助・改善・予防・研究、あるいは人々の精神的健康の回復・保持・増進・教育への寄与を職務内容とする心理職専門家です。数ある心理系の民間資格のなかでも知名度や信頼性が高く、民間企業のほか、教育機関や医療機関、行政機関などでカウンセリング業務に従事することができます。

資格を取得する方法

臨床心理士の資格を取得するためには、臨床心理士試験を受験して合格する必要があります。ただし、臨床心理士試験を受けるためには、あらかじめ臨床心理士養成に関する指定大学院、または専門職大学院の修了を基本モデルとする受験資格の取得が必要です。主な受験資格は以下のとおりです。
・指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
・医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者 など

5-3認定心理士

認定心理士は、心理学の専門家として最低限必要な基礎学力と技能を備えていることを証明できる民間資格であり、日本心理学会が認定しています。

認定心理士について

認定心理士は、日本心理学会が認定する心理学の基礎的資格で、4年制大学で心理学の標準的な基礎知識と技術を修得したことを証明するものです。「心理学」という直接的な名称が使われていない学部・学科を卒業した場合でも、認定心理士の資格を取ることで、心理学の専門家として最小限の標準的基礎学力と技能を修得していることを証明することができます。

資格を取得する方法

認定心理士の資格を取得するために筆記試験や面接を受ける必要はなく、審査によって合否が決定されます。この審査は、大学卒業後、資格取得希望者が個人の資格で申し込むことを原則としています。4年制の大学を卒業し,その在学期間に取得した単位を認定単位として申請します。大学卒業後、他大学で履修した単位をあわせて申請することも可能です。審査に合格したら、認定料(33,000円)を支払うことで資格取得となります。

5-4メンタル士心理カウンセラー®

メンタル士心理カウンセラー®は、心理学の基礎知識や様々なストレスの対処法を理解しており、これらの知識を基にしたカウンセリングができることを証明する資格です。

メンタル士心理カウンセラー®について

メンタル士心理カウンセラー®は、心理学とカウンセリングの知識を活用して心理的問題を抱える人々をサポートし、ともに解決へと導いていきます。資格取得後は、医療、福祉、教育など、幅広い分野でプロの心理カウンセラーとして活躍することができます。メンタルヘルス不調に陥る人が増えている現代社会において、メンタル士心理カウンセラー®は多くの人々の心の健康を守る重要な資格だと言えるでしょう。

資格を取得する方法

メンタル士心理カウンセラー®の資格は、資格認定団体である日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)がおこなう試験に合格することで取得することができます。受験資格は特になく、誰でも試験を受けることができます。試験は1ヶ月おきに年に6回おこなわれています。独学でも合格できる難易度の低い資格ですが、メンタル士心理カウンセラー®資格に対応した通信講座を受講することで、より短期間での合格を目指すことができます。

5-5メンタル心理インストラクター®

メンタル心理インストラクター®は、心理カウンセリングのインストラクターとして活動できることを証明する資格です。

メンタル心理インストラクター®について

メンタル心理インストラクター®の資格を取得することで、カウンセリングという相談援助知識、カウンセリングに関わる倫理、インテーク面接、共感的理解、転移、適応機制、カタルシス、心理アセスメント、チーム医療、地域精神医療、ケースカンファレンス、来談者中心療法、指示的カウンセリングなどに関する一定以上の知識があることを証明できます。たとえば、企業が従業員向けにおこなうメンタルヘルスセミナーなどに講師として登壇し、教えることができます。

資格を取得する方法

メンタル心理インストラクター®の資格は、資格認定団体である日本インストラクター技術協会(JIA)がおこなう試験に合格することで取得することができます。受験資格は特になく、誰でも受験可能です。試験の難易度はそれほど高くはなく、70%以上の正答率が合格基準とされています。試験は在宅でおこなわれ、分からない箇所はテキストを見ながら解答できるので、初心者の方でもチャレンジしやすいでしょう。

どの資格がおすすめなのか?

心理カウンセリングに関する資格のなかでも、近年、取得者が増えているのが「メンタル士心理カウンセラー®」です。
メンタル士心理カウンセラー®は、相談者の話にじっくりと耳を傾け、心理学の知識を活用しながらカウンセリングをおこなうことで、相談者自身で問題を解決できるような方向性を示し、解決へと導いていく仕事です。相談者によってはカウンセリングでの解決が難しく、精神科や心療内科の協力を仰ぐケースもありますが、その一歩手前で、メンタル士心理カウンセラー®が話を聞くことで、改善の方向へと向かう人も少なくありません。
また、メンタル士心理カウンセラー®は、病院やクリニックでも活躍しています。医療機関では、ドクターがフォローしきれない患者さんの「心の問題」をケアします。患者さんの家族や医療従事者のメンタルヘルスをサポートするのも、メンタル士心理カウンセラー®の役割です。活躍の場がますます広がるメンタル士心理カウンセラー®の資格取得に、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ストレス社会と言われる昨今は、人々の悩みも多様化、深刻化しており、カウンセリングを求める人が増えています。一方で、質の高いカウンセリングを提供できる人は多くはありません。カウンセリングに関する資格を取得するなら、今は絶好のタイミングだと言えます。資格を取得して、心理学の知識やカウンセリングスキルを習得できれば、心理カウンセラーとしての第一歩を踏み出すことができるでしょう。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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