心理カウンセラーの資格は取得する意味がないといわれています。
しかし、実際には資格を取得する意味はあります。今回の記事では、なぜ心理カウンセラー資格が取得する意味がないといわれるのか、取得するメリットはあるのかを解説します。後半には活かせる場所や、各資格の難易度も紹介しているので、取得に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
心理カウンセラー資格が意味ないといわれる理由は、次の6つがあるといわれています。
1.無資格でも心理カウンセラーは名乗れる
2.民間資格取得の難易度が低い
3.仕事が見つからないといわれる
4.民間資格の知名度は低い
5.「悩み」という見えないものを扱う
6.本やネットでも知識を得られる
それぞれ詳しく解説します。
心理カウンセラーは無資格でも名乗れます。
誰でも今日から「心理カウンセラーです」と言えてしまうため、資格を取得する意味がないといわれるのでしょう。
実際に、仕事をする場所によっては資格なしでも「心理カウンセラー」になれます。しかし、相談者や雇用主側からすれば、自称カウンセラーよりも資格を持った人にお願いしたいですよね。
このような理由から、心理カウンセラー資格は取得する意味がないといわれています。
国家資格や一部民間資格を除いて、心理カウンセラーの資格の種類は数えきれないほどあり、ほとんどが難易度の低い資格です。
特に受験資格の必要のない民間資格は、合格率が70%以上のものも多く、「誰でも取れる」というのがあまりいい印象に感じない人もいます。
しかし、70%以上であっても勉強しているからこそ取得しているのに変わりありません。
どの資格もきちんと心理学の勉強をしている証拠となります。
心理カウンセラーの仕事は、「需要がない」「求人が少ない」といわれています。
一般企業の正社員や、ほかの医療職、福祉職員などと異なり、募集人数は少なめです。
しかし、一か所あたりの募集人数が少ないだけで、求人数は数多く存在しています。特に精神科などの医療領域や、スクールカウンセラーの需要は年々増加しており、需要に伴い時給も上がっています。
また、後半でも解説しますが、フリーランスや個人事業主としてオンラインで活躍する心理カウンセラーも増えました。
ここ数年は、正社員として企業にとどまる以外に、自ら仕事を探す選択肢も当たり前になってきています。心理カウンセラーの仕事も自ら見つけることは可能でしょう。
心理カウンセラーといえば「臨床心理士」が最も有名な民間資格でした。
2017年に日本初の心理カウンセラー国家資格「公認心理師」が誕生し、心理カウンセラー2大資格となっています。ほかの民間資格は、産業カウンセラーなどは有名であるものの、求人は「公認心理師または臨床心理士、もしくは両方を所有する者」が条件となりやすいのは事実です。
しかし、さまざまな働き方が広まっている現代は、活用の仕方次第でほかの民間資格も役立ちます。
知名度の高い資格であっても、「カウンセラーってなにするの?」と思っている人は多いといわれています。
例えば、同じ医療機関で勤める場合、看護師や医師は仕事内容が明確ですが、心理カウンセラーは何ができるかがあいまいな印象を持たれやすいのです。おそらくそれは、「悩み」「人の心」「メンタル」という見えないものを扱っているからでしょう。
だからこそ、心理カウンセラーの活動の幅は広いのです。個人や職場によって、持っている知識をさまざまな形で、最大限に活かせます。
心理学の本や自己啓発本は、書店に数えきれないくらい並んでいます。
心理学を勉強するだけであれば、本やネットで勉強できてしまう時代。だからこそ、わざわざ資格を取る意味がないと感じやすい人は多いのでしょう。
しかし、本をよく読むと筆者の専門分野や研究領域によって、書かれている内容は異なることもあります。
「異なる」と認識できていれば、大きな問題はないですが「この本の情報だけがあっている」と思って勉強してしまうと、知識が偏ることもあるでしょう。
心理カウンセラーの資格は、取得する意味がないといわれています。
しかし、先ほど解説したような理由が背景にあるだけで、実際には取得することの意味はあります。そこでこの項目では、心理カウンセラーの資格を取得するメリットを紹介します。
相談者さんや企業などにとって、「無名・無資格・未経験」の心理カウンセラーと「無名・有資格・未経験」の心理カウンセラーだったらどちらにお願いしたいでしょう。
もちろん、人柄も大事ですが「カウンセラーとして信頼できるか」という視点で考えると、ある程度の知識がある有資格者のほうが信頼できます。
心理カウンセラーは、最初はだれでも無名で未経験です。経験を積み、知名度やスキルを高めていくには、資格取得が第一歩となります。
勉強したことは、自分のメンタルヘルスを整えるために役立ちます。心理カウンセラーになる場合は、カウンセラー自身のメンタルが整っていることは相談者さんのためにもなるでしょう。
仕事におけるパフォーマンスを高めていくためにも、メンタルバランスは重要な仕事の1つです。
また、自身の経験が周囲への助言や提案にも役立ちます。資格取得は、心理学の勉強を体系立ててできるからこそ、必要最低限の知識を得られるのです。
後半で紹介しますが、心理カウンセラーになる以外にもさまざまな職業や分野で心理学の知識は役に立ちます。
「趣味で心理学を勉強しました」という人もすごいですが、「勉強して資格を取りました」という人のほうが、きちんとした知識を持っているといえるでしょう。信頼獲得と、さまざまな分野で役立つことも、資格取得のメリットです。
心理カウンセラーに限らず、資格の勉強は独学で行うよりも、効率よく体系的に学べるテキストや講座が存在します。
心理学の本は数多くあり、選ぶのも大変ですよね。資格取得なら、どこから勉強すればいいのか、必要最低限どんな知識が必要なのかがわかります。
心理学は人間関係や普段の生活にも活かせます。
たとえば、家族の話を聴くときも心理学の知識があれば、寄り添う気持ちを感覚的にも知識としても、持ちながら関われるでしょう。感情的になって、関係が悪くなることも減っていきます。
また、自己理解や意思決定にも、心理学の知識は役立ちます。大事なことを決めるときの基準など、迷ったときの道しるべを自分で見つけられるのも心理学を学ぶメリットです。
国家資格や知名度の高い民間資格を取得した場合は、資格を活かしてさまざまな領域で活躍できます。
難易度の低い民間資格を取得した場合も、実は以下のメリットがあるのです。
・複数の資格を取得する「時間やお金の余裕」ができる
・実務経験を積んで、難易度の高い資格に挑戦できる
・自分の可能性を広げて、個人で仕事を受注できる
国家資格取得の場合、学費や受験料などで何百万円の費用がかかります。
しかし、民間資格であれば通信講座と受験料で10万円以下で済むことが多く、複数の資格取得も目指せるのです。
近年、増加傾向にあるフリーランスや副業、開業をする人たちは心理カウンセラーに限らず「無資格」でも仕事を取ろうと思えば取れます。
しかし、誰でも目指せるようになったからこそ、差別化が必要となってくるのです。
差別化をする際、「子育て経験のあるカウンセラー」も十分差別化できていますが、「子育て経験のあるチャイルド心理カウンセラー資格保有者」のほうが、自身の経験以外の視点から相談にのってくれる気がしませんか?
経験だけではだめなのではなく、信頼を獲得する手段の1つとして、資格取得にはメリットがあるのです。
心理カウンセラー資格を取る意味は、まだたくさんあります。
ここでは心理カウンセラー以外にも、資格が使える場所を知っていきましょう。
資格取得で得た知識は、次のような人間関係に役立ちます。
・夫婦、パートナー、恋愛
・友人関係
・子育て
・ママ友
・職場の上司や部下との関係
・苦手な人との関係
心理学を学んでおくことで、自己理解と他社理解が深まるでしょう。また、資格を取得することで、心理学の正しい知識が身につきます。
心理学の知識は、カウンセリングの場だけでなく、営業や接客業などでも役立ちます。
例えば、営業トーク術の1つとして「フット・イン・ザ・ドア」というものがあります。「フット・イン・ザ・ドア」は、小さな要求を行って、徐々に希望を大きくしていく方法です。
契約を確実に取りたいときや、おすすめの商品を売りたい時などに役立ちます。
企画やマーケティングには、マーケティング専門の資格もありますが、行動心理学の資格はプラスアルファのアピールポイントとして活用できます。
消費者目線を忘れないためにも、正しい行動心理学の知識を持っておくことで、企画やマーケティングの仕事に活かせるでしょう。
総務や人事は、特別な資格が必須の職種ではありません。だからこそ、周りと差をつけるためにも心理カウンセラー資格を取得すると、就職や転職で有利となりやすくなります。
現代の日本はストレス社会であり、従業員のメンタルのサポートも重要となっていますよね。
総務や人事などの、中立的な立場の人たちが心理学の知識を持っていたり、カウンセラー資格を取得していれば、周りも相談しやすくなるでしょう。
教育や保育、福祉などの資格取得の際、必ずと言っていいほど「心理学」の授業・講義があります。
しかし、その心理学の授業は教育心理学や保育心理学など、最低限知っておくといいことのみしか学べません。また、授業全体の一部であるため数時間しか学べないのです。
プラスアルファで心理カウンセラー資格の資格があることで、保育の質を向上させることができます。子どもたちだけでなく、保護者や職員のメンタルヘルスの力にもなれるので、心理カウンセラー資格を持っておくことは有利になるでしょう。
心理カウンセラー資格を取得する意味はあります。しかし、どんな資格がいいのか、難易度や合格率も気になりますよね。
ここでは、心理カウンセラー資格の取得難易度と合格率を紹介します。
公認心理師とは、日本初の心理職国家資格です。
2024年現在、公認心理師取得のためには以下の条件が基本ルートとなっています。
・4年制大学で公認心理師になるための指定カリキュラムを履修
その後、大学院で10科目履修もしくは認定施設で2年以上の実務経験
・2017年9月15日時点で特例措置該当者である
このどちらかの条件を満たしていることが必須です。
まずは最低条件をクリアする必要があり、今から心理学を学ぶ場合は、国家試験を受けるまでに最短でも6年かかります。
公認心理師の合格率は50%前後となっていますが、最新(第7回)は76.2%で、第2回は46.4%、第5回は48.3%でした。
第6回からは、現場経験が5年以上ある人たちの受験資格がなくなったため、受験者数が減っているのも合格率に影響したといわれています。試験方法はマークテストです。
臨床心理士は、心理カウンセラーの資格のなかで意味ある資格という位置づけです。
臨床心理士になるには、次のようなルートが基本となっています。
・4年制大学卒業後
第一種指定大学院に進学し卒業
第二種指定大学院に進学し卒業後、実務経験1年以上
専門職大学院を卒業
・医師免許取得者であり、心理臨床経験2年以上を有する
臨床心理士の「4年制大学」は、公認心理師と異なり、カリキュラムや学部の指定はありません。
ただし、大学院進学には研究計画書の提出や、心理学の専門科目と心理学に関する英語長文読解の試験があるため、それらの準備は必要となるでしょう。
臨床心理士の合格率は、65%程度であり、公認心理師よりも合格率は高い傾向です。試験方法は筆記試験合格者のみ、面接試験を受けられます。
産業カウンセラーは、労働者の悩みに寄り添い、サポートする資格です。
キャリアチェンジやキャリアプランに関する相談対応のほかに、職場の人間関係や環境に関する相談のカウンセリングを行っています。
産業カウンセラーの受験資格は、次の通りです。
①指定の養成講座を修了した人
②大学院において心理学または、人間科学などを専攻し、必要単位を取得した人
③社会人として週3日以上の職業経験を通算3年以上し、大学院にて必要単位を取得した人
④4年制大学にて公認心理師カリキュラムで、必要単位を取得した人
産業カウンセラーの合格率は、60%前後であることがわかりました。試験方法は、学科試験と実技試験となります。
メンタル士心理カウンセラーは、心理学とカウンセリングの基礎知識を有する人が認定される民間資格です。
資格取得後は、心理カウンセラーとして医療や福祉、フリーランスなどで活動できます。
ここまで紹介した資格と比較して、難易度が低く、はじめて心理学を学ぶ人や心理学部を卒業したけど「臨床心理士」や「認定心理士」を取得していない人におすすめです。
受験資格:なし
受験料:10,000円(税込)
受験方法:在宅
合格基準:70%以上の評価
受験資格がないため、高校生や大学生、社会人や主婦の方にも人気の資格となっています。
資格試験を受けるために必須の講座はないですが、体系的に専門知識を学びたい人には次の講座がおすすめ!
プロ監修!女性向けのテキストがわかりやすい資格スクール:SARAスクール
プロが監修した最短2か月で資格取得ができるスクール:諒設計アーキテクトラーニング
チャイルド心理カウンセラーは、思春期までの子どもの発達や心理を理解している人が認定される資格です。
子どもの発達や心理といっても、2歳の子どもがみんな同じ性格や心を持っていて、発達段階も同じとは限らないですよね。チャイルド心理カウンセラーは、基本的な子どもに関する知識を持つほかに、家族構成など子どもへ影響を与えるものに関する専門知識も有している証となります。
受験資格:なし
受験料:10,000円(税込)
受験方法:在宅
合格基準:70%以上の評価
すでに子どもに関する仕事をしている方や、子育て中の方、子育て専門家カウンセラーを目指している方におすすめの資格です。
プロ監修!女性向けのテキストがわかりやすい資格スクール:SARAスクール
プロが監修した最短2か月で資格取得ができるスクール:諒設計アーキテクトラーニング
夫婦心理カウンセラーは、夫婦関係に関するトラブルや課題解決のための知識を持っていることが認められる資格です。
夫婦関係のトラブルは、日常生活における喧嘩や口論だけでなく、浮気や失業、浪費癖などさまざまな面でも問題が生じやすいですよね。夫婦間以外にも、両家や子どもに関することなどでも悩みやすいでしょう。
夫婦心理カウンセラーはカウンセリングの現場や、教育、福祉などでも生かせる資格です。
受験資格:なし
受験料:10,000円(税込)
受験方法:在宅
合格基準:70%以上の評価
医療や教育以外に、弁護士事務所や探偵事務所などでも夫婦間トラブルに詳しいカウンセラーは必要とされています。
プロ監修!女性向けのテキストがわかりやすい資格スクール:SARAスクール
プロが監修した最短2か月で資格取得ができるスクール:諒設計アーキテクトラーニング
行動心理’カウンセラーは、人間の行動心理に関する基礎知識を持つ人に与えられる資格です。
行動心理学に関する知識を有していると、カウンセラー以外に企業のアドバイザーや講師としても活躍できます。そのほかにも、営業や企画、マーケティング担当としても活かせるでしょう。
受験資格:なし
受験料:10,000円(税込)
受験方法:在宅
合格基準:70%以上の評価
行動心理学を知っていると、カウンセリングをするときに質の高い助言がしやすくなります。また、人の行動に関する知識を持つことで、アセスメント(相談者の状態の観察)もしやすくなるでしょう。
プロ監修!女性向けのテキストがわかりやすい資格スクール:SARAスクール
プロが監修した最短2か月で資格取得ができるスクール:諒設計アーキテクトラーニング
最後に、資格を意味あるものにする方法を解説します。
資格取得を目指す際、資格を取ることがゴールになっている人がいます。
確かに、資格取得できないと意味がないですが、資格取得は仕事において通過点です。取得して終わりにせず、日々スキルを高めていけると、資格を取る意味があるでしょう。
心理カウンセラーの資格を取得しても、絶対にカウンセラーとして活動する必要はありません。
今自分がやっている仕事に活かしている人もいますし、日々の生活や自分のメンタルヘルスのために取得する人もいます。そのような場合でも、資格取得は意味あるものとなるでしょう。
もしも、心理カウンセラーを仕事としてやっていく場合は、知識だけではなくカウンセリングスキルも重要となります。トレーニングを受けたり、自分がカウンセリングを受けたり、モニター募集をしてみたりなど、さまざまな形でスキルを磨きましょう。
心理カウンセラーの資格を意味があるものにできるかは、自分次第です。資格取得後の具体的なイメージを持ち、学ぶ意欲を忘れずにいることで、どんな心理カウンセラーの資格であっても、意味あるものとなるでしょう。
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