心理学を活かせる仕事25選!仕事内容や各職種に就く方法を徹底解説!

心理学を活かせる仕事25選!仕事内容や各職種に就く方法を徹底解説!

記事作成日:2024.08.21
心理学を活かせる仕事25選!仕事内容や各職種に就く方法を徹底解説!

心理学は専門的なスキルですが、カウンセラーなどの専門職以外でも活かせる学問です。
そこで今回は、心理学を活かせる仕事を25個紹介します。専門知識を活かす仕事だけでなく、「心理学を学習しておくといい各分野のスペシャリスト」「一般企業などで活かせる仕事」も徹底解説!心理学を学びたいけど、仕事に不安のある人やそれぞれの仕事に関心のある人はぜひ参考にしてみてください。

目次

1.心理学を活かせるのはカウンセラーだけじゃない!

心理学はあらゆる場面で活用できます。 「心理学部=カウンセラーになる」 「心理学を学ぶ=カウンセラーになる」 このようなイメージがあると思いますが、実際は全員がカウンセラーを目指しているわけではありません。まずは、心理学を学ぶメリットと心理学部出身者の進路を紹介します。

1-1心理学を学ぶメリット

心理学を学ぶメリットを以下にまとめました。 ・人間関係を構築しやすくなる ・ストレス対処やセルフケア術が身につく ・自己理解が深まる ・周りの人の悩みに気づき、対応できる ・人間の言動の理由がわかる ・相手のニーズをくみ取りやすくなる 心理学を勉強すると、日常生活やさまざまな仕事に活かせるスキルや知識が身につきます。

1-2心理学部出身者の進路

日本心理学会「第2回 大学における心理学教育調査」 によると、次のような結果が明らかとなりました。 ・心理学の専門職に【就かなかった】学生 私立大学 97名(181名中) 国立大学 22名(54名中) 公立大学 13名(16名中) ・心理学の専門性を活かした職に【就いた】学生 私立大学 112名(181名中) 国立大学 36名(54名中) 公立大学 6名(16名中) この調査は、回答の欠損もあるため厳密な数値ではないですが、参考にはなります。結果を見る限り、専門職に就かなかった学生と、専門職ではないけど心理学を活かしている学生の方が「専門職に就いた(大学院に進学した)学生」よりも多いことがわかります。

2.専門知識を活かせる心理学を活かせる仕事5選

まずは心理学を学ぶうえでイメージしやすい専門知識を活かせる仕事を5つ紹介します。 大学の学部や学科によって取得できない資格もありますので、これから紹介する5つの仕事に就きたい人は、進学先をよく調べてから決めてくださいね。

2-1公認心理師

公認心理師とは、日本初の心理職の国家資格です。 主に保健医療、教育、福祉、産業、司法などで心理に関する相談や援助を行います。 また、直接的な支援や相談援助以外に、心の健康に関する教育や情報提供を行うことも公認心理師の仕事です。公認心理師はこれから目指す場合、6年かかりますが、今回紹介するなかで最も心理学の知識を十分に活かせる仕事でしょう。 別の記事では、公認心理師の試験概要や仕事内容、就職先について詳しく解説しています。

2-2臨床心理士

臨床心理士とは、臨床心理学に基づきカウンセリングや心理検査、調査研究などを行う専門職です。 公認心理師と活動する仕事場はほぼ同じですが、臨床心理士は情報提供の役割ではなく、支援のために必要な研究を行うことも役割の1つとなっています。 臨床心理士は「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」が認定している民間資格です。しかし、公認心理師誕生までは心理職資格のなかで最も信頼のおける資格でした。 このことから、2024年現在も求人を検索すると「公認心理師または臨床心理士」というものをよく見かけます。 似ている名称の資格に「認定心理士」がありますが、公認心理師や臨床心理士よりも求人数は少ない傾向です。

2-3精神保健福祉士

精神保健福祉士とは、精神疾患を持つ人たちの社会復帰を支援する国家資格です。 心理学部で精神保健福祉士を取得できる学校は多くないですが、「福祉」と学部や専攻名に入っている場合、取れることがあります。 また、心理学部ではなくても、精神保健福祉士の授業のなかにも心理学はあるので、進学の際はカリキュラムを確認してみましょう。 精神保健福祉士は以下のような場所で仕事をします。 ・病院やクリニック(精神科・心療内科) ・グループホーム ・保健所、精神保健福祉センター ・就労移行支援事業所 ・教育機関 ・一般企業(企業内相談) いずれも、人々の話を伺ってニーズに合わせた支援を行うため、心理学の知識が活かせるでしょう。

2-4社会福祉士

社会福祉士とは、生活に困難を抱えている人たちの相談支援を行なう国家資格です。 精神保健福祉士同様、一部の心理学部で社会福祉士を目指せる場合がありますが、基本的には「社会福祉系」の学部で取得します。 社会福祉士がサポートする「生活に困難を抱えている人」というのは、心身障害者や生活困窮者、介護を要する高齢者が該当。社会福祉士はソーシャルワーカーや生活相談員として、関係者機関との調整などの役割も担っています。 社会福祉士の仕事場となるところは以下の通りです。 ・高齢者施設 ・障がい者支援施設 ・児童福祉施設 ・地域包括支援センター ・保健センター ・自治体の福祉課 ・医療機関 ・学校などの教育機関 社会福祉士は生活に困難を抱える人たちへの相談・支援であるため、心理学の知識が活かせるでしょう。

2-5スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、学校内に勤務するカウンセラーのことです。 各都道府県の教育委員会で募集している公立学校のスクールカウンセラーの場合、資格がなくても応募はできますが、8割以上が臨床心理士資格保有者(もしくは公認心理師)だと明らかになっています。 参考:文部科学省調査 また、私立の募集も多くは教育委員会の募集要項と変わらない条件もしくは、社会福祉士や精神保健福祉士の資格が必要と記載されていました。 臨床心理士や公認心理師を取得せずにスクールカウンセラーを目指すなら、次の学校がおすすめです。 ・フリースクール ・英会話スクール ・IT系などの資格スクール ・民間企業が経営するそのほかのスクール (不登校専門、発達障害専門相談機関など) 上記の場合、学歴不問もしくは心理学部卒のみで応募可能のところもありました。

3.心理学を活かせる仕事!各分野のスペシャリスト12選

心理学の専門知識を直接活用する仕事以外にも、まだ心理学を活かせる仕事はあります。 ここでは、各分野のスペシャリストとなる職種を12種類紹介!各種職業に就くための方法も解説します。

3-1精神科医

精神科医になるには、まず医学部進学と卒業、医師国家試験合格が必須です。 それだけでなく、臨床現場の研修医として2年の実務経験が必要となります。最短8年かかりますが、今回紹介する仕事のなかなら高収入ですし、安定していて信頼できる資格といえるでしょう。 精神科医は病院など、医療現場以外に児童養護施設や産業医として企業に勤める人もいます。

3-2産業カウンセラー

業カウンセラーとは、企業内で働く人々のメンタルヘルス対策を行ったり、職場の環境改善を目指したりする仕事です。 産業カウンセラーになるには、日本産業カウンセラー協会の資格試験合格が必須となります。 試験の受験資格は、「産業カウンセラー養成講座を修了した者」「大学院で心理学関連の所定の科目の単位を取得して修了した者」のいずれかとなります。これから目指す人は、産業カウンセラー養成講座の受講がおすすめです。

3-3キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、現在働いている人だけでなく、これから働きたい人の支援も行う国家資格です。 主に、教育機関の就職支援や人材紹介会社、ハローワーク、企業でマネジメントや人事などで仕事を行っています。 資格を取得する方法は以下の3つのいずれかです。 ・養成講習を修了する ・実務経験3年以上 ・国家検定合格(受けるために3年以上の実務経験) 実務経験とは、職業能力開発の向上など労働者の相談支援の経験を指します。 最もおすすめの取得方法は「養成講習受講」です。キャリアコンサルタントの講習は、誰でも受講が可能で、最短3か月で終わります。

3-4地方公務員の心理職

地方公務員の心理職は、主に心理判定(行動観察・検査)や家族等への聞き取りなどを行っています。 公務員の心理系職種はいくつかありますが、地方公務員の心専門試験は「心理学のみ」の受験が可能です。 たとえば、次のようなところで仕事をしています。 ・警察庁 ・都道府県や政令市等の自治体 東京都の場合は、特別区などそのほかの配属先もあるようです。

3-5家庭裁判所調査官

家庭裁判所調査官とは、少年事件や離婚、相続問題など家庭内で生じるトラブルの解決や非行少年に関する仕事を行っています。 調査をする仕事のため、聞き取りの際には心理学などの知識や技術があるといいでしょう。 家庭裁判所調査官になるには、裁判所職員採用総合職試験を受験し、家庭裁判所調査官補として採用されてから研修を2年間受ける必要があります。

3-6法務技官

法務技官とは、矯正心理専門職に分類される国家公務員です。 主に、少年院や少年鑑別所に勤務し、入所した少年の心理検査やカウンセリングなどの仕事を行います。 心理学の知識を非行臨床の最前で活かせるでしょう。なかなか忍耐力のいる仕事ではありますが、少年たちの矯正に携わる重要な役割を果たします。

3-7児童指導員

児童指導員とは、子どもたちの自立や社会参加に必要な支援を行なう仕事です。 主に児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどの通所施設、障害児入所施設、児童養護施設で働きます。 児童指導員という名称の資格はなく、一定の条件を満たした人が「児童指導員任用資格」となります。たとえば、児童福祉施設の実務経験が2年以上ある人や次の資格・免許を持っている人が該当するそうです。 ・社会福祉士や精神保健福祉士 ・教員免許状 そのほかにも、大学や大学院で、心理学や教育学、社会学、社会福祉学を学んだ人も児童指導員になれます。

3-8教授などの大学職員

心理学部の教授や、他学部の心理学の授業担当講師なども心理学の知識を活かせます。 大学における教員の上位階級が「大学教授」であり、大学教授になるにはこれまでの経歴や研究者としての功績などが必要となります。 大学教授以外にも「准教授」「講師」「助教」「助手(アシスタント)」があり、大学によっては新卒で講師や助教、アシスタントに応募できるようです。

3-9心理学者・研究職

心理学者も、その名の通り心理学を活かせる研究に関する人です。 メディアに出ている心理学者の方が馴染みのある人は多いかもしれませんが、心理学者は研究機関や民間企業等で心理に関するあらゆる研究を行っています。 心理学者全員が心理学部出身者ではないので、文学部や社会福祉学部、人間科学部など出身の人にも心理学者になって仕事をするチャンスはあるでしょう。

3-10保育士

保育士とは、未就学児の子どもを養育者から預かって成長のサポートをする仕事です。 実は保育士試験のなかには「保育の心理学」というものがあります。 胎児期から老年期に至るまでの発達段階や愛着に関する問題が出るそうです。 心理学部の学生のなかには、在学期間中に保育士免許を取得する学生もいます。保育士試験は数回に分けて科目を受験できるので、現役の学生や社会人も学習しやすいでしょう。 また、近年は保育系の学科以外でも保育士が取れるようにカリキュラムを組んでいる大学が増えています。教員などとともにダブルライセンス(2つの資格を持つこと)も夢じゃありません。

3-11養護教諭

養護教諭とは、保健室の先生のことです。皆さん一度は関わったことがあるでしょう。 養護教諭も心理学の知識を活かせる仕事の1つ。 保健室にはけがをした生徒学生だけでなく、悩みを持つ子どもたちも訪れます。 養護教諭になるには、教育学部や看護学部、医学部保健学科などの養護教諭養成課程の卒業と、養護教諭免許状が必須です。 新卒で保健室の先生になる人もいれば、看護師や保健師から転職する人もいます。

3-12教師

教師も心理学の知識を活かせる仕事です。子どもの心は複雑であり、学習指導要領に基づくだけでは寄り添いきれないことばかりでしょう。 心理学の知識を持っていれば、子どもが求めるときに相談に応じやすくなります。 多くの学校にはスクールカウンセラーが配置されていますが、1校にあたり1名であることが多く、公立の場合は週1勤務のことが多いです。 また、そもそも教職課程には、児童生徒の心に関する科目(教育心理学や発達心理学など)があります。 心理学を学ぶことで、学級で困っている子どもがいるときに気がつきやすくなったり、集団行動に必要な指導案なども考えやすくなるでしょう。

4.心理学はこの仕事にも活かせる8選

ここまでは、カウンセラーではなくても「確かに心理学を活かせる」と思うような仕事を紹介しました。 しかし、まだ心理学を活かせる仕事はあります。もしかしたら、今この記事を読んでいるあなたの仕事も心理学の知識を活かせるかもしれません。

4-1人事・労務

新卒採用は少ないかもしれませんが、心理学を活かせるキャリアパスとして「人事」はおすすめの仕事です。 人事の仕事は主に、人材採用や配置、教育・研修などの人材育成、従業員の健康管理などを行います。 まず、人事部に採用されるためには新卒で応募する以外に次の方法があります。 ・資格を取得してアピールする たとえば、社会保険労務士やキャリアコンサルタント、メンタルヘルスマネジメントなどがあります。 ・人事と親和性のある実績をアピール 総務や労務は、人事よりも新卒で目指しやすいです。また、人材業界や教育関連の業界なども経験としてアピールしやすいでしょう。 ・採用担当を狙う 人事のなかでも、採用担当の応募要件は広いといわれています。そこで採用されれば、経験を積んでさらなるキャリアアップが目指せます。

4-2営業

営業で心理学を活かすなら、社会心理学の知識を学んでおきましょう。 社会心理学の心理効果は、営業の際に非常に役立ちます。 たとえば、「(好意の)返報性の法則」は相手の好意にお礼したくなる心理を用いています。営業先で、熱心にクライアントの話に耳を傾けることで「この人はとても聴いてくれるからお願いしてみよう」となり、契約成立の可能性が高まるのです。 ほかにも「バンドワゴン効果」や「決定回避の法則」など、営業に使える心理学的テクニックはたくさんあります。

4-3接客・販売

買い物に来るお客様の多くは、購入する品を迷っている人が多いでしょう。 お客様のニーズを伺い、求める商品を紹介する際にも心理学の知識が活かせるのです。また、新作や予約商品をよく購入される方などに、ほかにもおすすめの商品を紹介するときにも心理学の知識は役立ちます。 お店によっては、POP(商品の販促につながる説明文)を店員が作ることも。心理学の知識があれば、効果的なキャッチコピーや色の選択などがしやすくなります。

4-4マーケティング

マーケティングこそ、心理学を最大限に活かせる仕事です。 マーケティングは顧客のニーズを満たすために、あらゆる方法を用いる仕組みの総称です。 企業内でマーケティング部に所属する場合は、BtoB(企業向け)もしくはBtoC(個人の消費者向け)のどちらかもしくは両方のマーケティングがあります。 一方、近年はフリーランスのマーケターも増えており、その場合は企業に委託される場合もあれば、CtoC(個人間取引)のマーケティングも行うようです。 マーケティングで心理学を活かす際は、特に行動心理学や社会心理学が役立ちます。

4-5キャリアアドバイザー

キャリアアドバイザーとは、就職や転職を志す人のサポートやアドバイスをする仕事です。 サポートとは、条件に合う求人の紹介や応募書類の添削、面接練習、企業との間に入る調整役(応募後含む)など多岐に渡ります。 また、企業内にいるキャリアコンサルタントをキャリアアドバイザーと呼ぶところもあるそうです。企業内の場合は、従業員のサポートだけでなく、組織活性化などの役割を担います。

4-6メンタルトレーナー

メンタルトレーナーとは、主にスポーツ分野で活躍するパフォーマンス向上や目標達成のための仕事をする人です。 スポーツ選手以外だと、企業や教育機関など、高いパフォーマンスを必要とする従業員の支援のために配置されています。 メンタルトレーナーの仕事では、心の悩みに関する問題解決ではなく、マインドセットやストレスマネジメントなどのプログラム作成と実行が求められるようです。パフォーマンスをあげて、強いメンタルをつくるサポートをするイメージがいいかもしれません。 スポーツ選手に特化するなら、スポーツ心理学科などがありますが、アンガーカウンセラー資格などもおすすめです。 アンガーカウンセラー®資格 アンガーコントロール士資格

4-7セラピスト

セラピストとは、主にリラクゼーションサロンや美容サロン、メンタルケアを行う施設などで働く人たちのことを指します。 セラピストの仕事は、訪れた人に癒しやリラックスの時間を与えたり、快適な生活のためのお手伝いなどです。 心理学を勉強していれば、どのような手法を用いたらお客様が安心や癒しを得られるか、心も体もリラックスするかがわかるでしょう。特にリラクゼーションや美容系なら、心理学の資格とともにアロマの勉強もおすすめです。

4-8フリーランスカウンセラーやコーチ

最初に紹介した国家資格や数年かけて取得する民間資格を取らなくても、カウンセラーやコーチになれます。 まず、ここでいうコーチとは「コーチング」といって、相手の話に耳を傾け、必要に応じて提案しながら目標達成を目指すコミュニケーション技術を行う人のことです。 心理カウンセラーやアドバイザー、コーチの民間資格を取ることで、カルチャースクールや外部講師、起業・独立して働けます。 ・おすすめの民間資格(一部抜粋) メンタル士心理カウンセラー 引き寄せカウンセラー 行動主義心理アドバイザー

5.まとめ

心理学を活かせる仕事は、探せばもっとあるでしょう。それほど、私たちの身近に必要な学問なのです。 自分がどんなことをしたいのか、どのように心理学を活かしたいのか考えることで、あなたに合う仕事がきっと見つかります。 まだ、心理学を学んでいない人は心理学関係の資格取得にチャレンジしてみてください!勉強するなかで、自分が目指す方向性が見えてくるかもしれません。

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