メンタルが強い人は、どのような特徴を持っているのでしょうか。
メンタルが弱い人にとって、メンタルが強い人とは「鋼(はがね)」のような強固なものを持っていて、何も気にしないイメージがあるかもしれません。
しかし、本当の意味でメンタルが強い人が共通して持つ特徴に「鋼のメンタル」「何も気にしない」は存在しません。そこで今回は、メンタルが強い人の特徴とメンタルを本当の意味で強くする方法を具体的に紹介します。
メンタルが強い人の特徴はいくつかあります。
そこで今回は特に共通する20個の特徴をご紹介。
「自分に当てはまるものはあるか」「少しでも取り入れられそうなことはあるか」と考えながら読んでみてください。
メンタルが強い人は、自分のことをよく理解しています。
自分がなにが得意で、なにが苦手なのか、自分がどうしたいのかをわかっているのです。自己理解ができていれば、自分の力の抜きどころやがんばりたいことがわかります。
このあと紹介する19個の特徴のすべての基盤は【自己理解】といってもいいくらいでしょう。
また、苦手なことをわかっていれば他者に頼っていいことがわかります。誰かに自分を否定されたとしても、自分で受け入れていれば傷は浅くて済むでしょう。
メンタルが強い人の特徴であり、基盤であるのは「自分を理解していること」です。
「自分軸」という言葉を聞いたことはありますか?
自分軸とは、自分がどうしたいのかを基準に選択し、行動していくことです。
反対の軸として「他人軸」があります。他人軸とは、自分の本音は置いといて、他人の意見を優先してしまうことです。みなさんは今、どっちの軸で日々生活しているでしょうか。
社会で生きていれば、自分の思い通りに物事がすすまない場合もあります。しかし、いつでも他人に合わせてばかりでは、自分で納得した生き方はできずモヤモヤする時間が増えてしまうのです。
メンタルが強い人は、他人軸ではなく自分軸を持っています。
自己肯定感とは、自分のありのままを受け入れている感覚のこと。ジャッジせずに、丸ごと肯定している感覚です。
メンタルが強い人は、自分を否定することはありません。だからと言って、他人を責めることもなく、気持ちを切り替えているのです。
自己肯定感を高くすることは、自分勝手になるわけでも、自分に甘くなるわけでもなく「自分を否定しないこと」と考えてみましょう。
後半に紹介する「気にしないための7つの方法」を実践することで、自己肯定感も高まっていきますよ。
客観視できている人は、冷静に物事を判断できる力を持っています。
このあと紹介する柔軟性とも関連しますが、客観視できていれば感情のコントロールもしやすくなるでしょう。
メンタルが弱い人は、自分の感情のコントロールが苦手な人が多いです。
一方で、メンタルが強い人は自分の主観(感情)と事実を切り分けることができるので、必要以上にいら立ちを感じることはありません。
また、客観視できることで相手に自分の意見を伝えるときも、伝え方や言い方を工夫しやすくなりますよ。
メンタルが強い人は、自分のストレスの原因をよく理解しているだけでなく、ストレス発散法も複数持っています。
ストレスがたまっていると、気持ちに余裕がなくなり、物事をネガティブに考えやすくなってしまいます。たとえば仕事で失敗しても、ストレス発散法を持っていれば、メンタルの安定を取り戻すことができるのです。
メンタルが強い人は、自分がどんなときにストレスを感じやすいかわかっているので、まずは自分のストレスに気づくことからはじめてみましょう。
そのうえで、さまざまなストレス発散法を試してみてください。ストレスの発散方法は1人ひとり異なるため、自分に合う方法を探すことが重要となりますよ。
メンタルが強い人は、楽観的思考やポジティブな考え方で物事を捉えています。
楽観的思考やポジティブな考え方は、非常に誤解されやすいのですが「能天気」や「危機管理能力が全くない」とは異なります。
本来の楽観的思考とは、心理学では「現実的楽観主義」のこと。
現実的楽観主義の反対が「非現実的楽観主義」です。
現実的楽観主義は、心理学者のアルバート・バンデューラの自己効力感との関連性が深いだけでなく、近年注目されているポジティブ心理学とも関係のある考え方といわれています。
自己効力感とは「私ならできる」「乗り越えられる」と自分を信じている感覚のこと。自己効力感が高い人は、前向きだけど冷静な対処ができる人といってもいいでしょう。
ポジティブ心理学の観点でも楽観性が注目されており、物事がうまく進み、いいことが生じるだろうと考えられる傾向のことを指します。
メンタルが強い人の特徴は、物事はすべて容易に上手くいくだろうと考えるのではなく、「自分の努力や周りの協力によって上手くいくと信じている」のです。
メンタルが強い人に共通する特徴は「依存」「期待」「執着」ではなく、「信頼」「信用」で人間関係を構築していることです。
それぞれの違いを簡単に見ていきましょう。
・依存:他人によりかかっている状
・期待:自分の思い通りになることを願っている
・執着:深く思いこみ、頭から離れない
・信頼:相手を無条件に信じている
・信用:相手の実績を信じ、頼っている
アドラー心理学では、人間関係の構築にはまずは「相手を無条件に信じることが重要」といわれています。
依存や期待ではなく、相手を信頼できれば自分と相手の違いも受け入れやすくなりますよ。
メンタルが弱い人は「今話しかけていいのか」「断られたらどうしよう」「自分でなんとかした方がいいかもしれない」などと考えてしまい、なかなか人を頼れません。もしくは、人に依存している人は、すぐにどんなことでも他人を頼っているかもしれないですね。
メンタルが強い人は頼り方や頼っていいことを理解しているので、必要に応じて人を頼れます。
自分のことを理解できると、相手の長所や短所も見えてくるため、誰になにをお願いすればいいかわかってくるのです。また、相手ができることも素直に受け止められているため、1人で抱え込むことがないという特徴を持っています。
メンタルが強い人は、自己理解をしていて、自分軸を持っています。
だからこそ、自分の考えや意見を相手に伝えようという気持ちも持っているのです。
自分の意見を伝えるというのは、自分の意見を押し通したり、相手の意見を否定することとは違います。「自分はこう思っている」とまずはただ伝えるだけなのです。伝えることで、相手と意見交換をしたり、他者の意見をうまく取り入れることができるのも、メンタルが強い人の特徴でしょう。
メンタルが強い人のことを自分勝手な人だと思っている方もいますが、全く違います。
本当の意味でメンタルが強い人は心に余裕があるのです。心に余裕があると、他人の成功をうらやむことも、他人の意見を否定することもありません。
思いやりの心を持っているので、自分ができる範囲で他人を助けようという気持ちがあります。
もし皆さんの周りに、よく怒っていて周りの意見を気にしていない人がいたら、その人はメンタルが強いのではなく、あなたと違うタイプのメンタルが弱い人なのかもしれないですね。
切り替えが上手いことも、メンタルが強い人の特徴です。
切り替えが上手いとは、仕事で失敗しても「次失敗しないためにはどうすればいいか」「失敗を減らす方法は何があるか」を考えられること。ほかにも「まあいいか」と、必要以上に考えず折り合いをつけられることも切り替えが上手い人の特徴でしょう。
先ほど解説した「現実的楽観主義」の考え方を持っていれば、切り替えはうまくなります。反対に「非現実的楽観主義」の考えになってしまうと、周りに大きな迷惑をかけても「気にしないでいいや」と考えたり、失敗を振り返らずにまた同じ失敗を繰り返してしまうので気をつけましょう。
切り替えの上手さと関連して、失敗を経験と捉えられるかもメンタルの強さには重要です。
同じ書類ミスをしたAさんとBさんがいるとします。
メンタルの強いAさんは「途中で上司にチェックしてもらえば、ミスする確率は減らせるだろう」など前向きに考えています。
しかし、メンタルが弱いBさんは「どうしよう、ミスしちゃった」「周りにできないやつだと思われる」と考えてしまいました。
Aさんはすぐに次の業務に切り替えられましたが、Bさんはなかなか集中できずまた別のミスをしてしまったのです。
このように、失敗を経験だと捉えられる力があれば、切り替えられるだけでなく負の連鎖も防げます。
メンタルが強い人は、私生活を楽しめています。
つまり、仕事や人間関係の悩みを楽しい時間に持ち越していないのです。
メンタルが強い人は日頃から、自分なりに充実した休日を過ごしています。メリハリをつけて生活しているので、ストレスがたまりにくいでしょう。また、働くための気力や体力もプライベートを自分なりに楽しむことで取り戻せているので、仕事のパフォーマンスも上がりやすくなります。
ただし、プライベートを楽しむことは、人と会ってワイワイすることとは限りません。「自己理解」ができていれば、自分に必要な楽しみ方や休み方もわかっていきますよ。
メンタルが強い人でも疲れることはあります。
しかし、メンタルが強い人はいつでもなんでも100%全力で取り組んでいるわけではないので、疲れも最小限で済んでいるのです。
メンタルが強い人と弱い人は、休むことや力を抜くことへの考え方に違いがあります。
メンタルが弱い人の特徴は、力を抜くことや休むことに対する「罪悪感」を持っていること。メンタルが強い人は、力を抜くことも休むことも、仕事のために必要だと捉えています。
どこで力を抜き、どこを全力で取り組むかをメンタルが強い人は知っているのです。
人の顔色や言動を必要以上に気にしないのも、メンタルが強い人の特徴の1つ。
全くなにも気にしないのではなく、相手の反応は相手のものだと捉えているのです。
私たちは、人のことを変えたり、コントロールしたりすることはできませんよね。メンタルが強い人は、いい意味で「人は人、自分は自分」と理解しているのです。
たとえ相手が、自分の思っていた反応とは違ったとしても、それは「相手の意見や価値観」だと捉えています。
振り返る力や内省力を持っている人は、自らの言動を客観的に捉えることができています。
「1-4.自分を客観視できている」と少し似ていますが、振り返る力も内省力も次につなげるためという目的を持っているのです。
いいことも悪いこともジャッジせずに「なにが起きたか」「どうしてその発言をしたのか」を考え、次の行動へ活かします。
反省は失敗したことの原因を考え、修正していく作業ですが、内省は悪いことだけではないのです。
メンタルが弱い人は、悪いことを振り返るクセがついているのではないでしょうか?その力を活かし、いいことも含めてフラットに振り返ってみましょう。
メンタルが強い人は、好かれようという意識を持っていないことも共通する特徴の1つです。
自分と相手は違う人間であり、考え方や感じ方が違って当然であることを理解しているため、必要以上に共感や承認を求めようとしていません。
もちろん、共感してもらえたり承認してもらえたりしたら嬉しいですが、そこが目的ではないのです。
また、相手が自分とは違う人間だと理解しておくことで、相手に対して怒りの感情も生まれにくくなります。相手の意見をすべて受け入れなくても、メンタルの強い人は相手の価値観を尊重することができています。
メンタルが強い人は、物事のあり方を素直に受け止めるだけでなく、新しい気づきを得ていることも特徴的な傾向の1つです。
なにか厳しいことを言われたとしても「そういう考えもあるのか」と発見や提案として受け止めることができます。
その意見を取り入れるかは別として、相手の厳しい意見を「嫌な出来事」として受け取っていないのです。
また、行きたかったお店が混雑していても、メンタルが強い人は必要以上に落ち込みません。「また楽しみができた」「それほど人気のお店なんだ」と前向きに考えています。
具体的な目標に大きさは関係ありません。
メンタルが強い人は、自分なりに具体的な目標を持って日々を楽しんでいます。
また、具体的な目標も周りに流されたり、影響されたりしたものではなく「自分軸」で決めているのです。自分軸で具体的な目標を決めておけば、他人のことをうらやましく感じたり、他人の行動を見て焦ったりすることは最小限で済むでしょう。
つらいことや耐えがたい課題が目の前に来ても、メンタルが強い人は具体的な目標実現のために「今できること」を常に探し、行動し続けられるのです。
メンタルが強い人は1人で生きているわけではありません。
人とのつながりを大切にし、自分の時間も相手の時間も、共に過ごす時間も大事にしています。
自分の時間しか大切にしていない人は、相手が自分に合わせてくれないと嫌な気持ちになるでしょう。反対に相手の時間しか大事にしていない人は、自分のやりたいことがあっても相手を優先させてしまいます。
メンタルが強い人とは、つながりとそれぞれの時間を大切にしながら、自分と相手に感謝の気持ちを持って行動することができる人です。
メンタルが強い人になるには、特徴20選を手に入れていくことが大切になります。
しかし、なぜメンタルが強くなったのかはわからないと感じている人も多いのではないでしょうか。
この項目では、メンタルが強い人になるための方法を5つ紹介します。
メンタルが強い人の特徴で紹介した「自己理解」は必ず行いましょう。
たとえば、以下のようなことを紙に書き出してみるのはどうでしょうか。
・これまでの自分史
・ターニングポイントとなった出来事
・過去に夢中になったこと、がんばったこと(理由含む)
・過去にうまくいかなかったこと(理由含む)
・今気になっていること
・興味があってまだやっていないこと
・自分の好きな時間、好きなもの
など
自分で考えても思いつかないという人は、次の方法がおすすめです。
・診断ツールを用いる
・カウンセリングを受ける
客観的なデータとして自分を理解したり、カウンセリングで専門家に話すことで気づくものがあります。
他者理解とは、他者の考えや視点、意見を客観的に理解することです。
「客観的に」が重要なポイントとなります。メンタルが強い人の特徴20選では、相手に思いやりを持ち、「人は人、自分は自分」と捉えていると解説しました。
相手の意見を尊重するためには、主観ではなく客観的に出来事や状況を捉える必要があるのです。
「自己理解のみ」「主観のみ」の場合、相手がどう感じているか関係なく思いこみで行動してしまう可能性が高まります。
相手の話をじっくり聞き、疑問や気になることは相手に確認することで、他者理解を深めていきましょう。
ストレスコーピングとは、ストレスに対処するための方法で、次の2種類に分けられています。
・問題焦点型コーピング
問題を直接的に解決する方法です。主にコントロール可能なことに対して行います。
たとえば、自分が原因でケンカをした相手と仲直りするために謝ることなどは問題焦点型コーピングです。
・情動焦点型コーピング
苦痛を軽減してストレスに対処する方法です。主に自分の感じ方や受け取り方を変えるものとなります。
たとえば、話し合っても解決しない上司とのトラブルを、同僚や友人に聴いてもらってスッキリするなどは情動焦点型コーピングです。ほかにも、サウナや温泉でリラックスしたり、ジムで身体を動かすことも情動焦点型コーピングとなります。
ネガティブになってはいけないのではありません。しかし、ネガティブな側面のみで物事を見ないようにすることはメンタルを強くするために重要です。
心理学やカウンセリング界隈では、柔軟な思考力を身につけるために認知行動療法を用いることがあります。
認知行動療法は、つい考えてしまうネガティブな思考の癖を見直し、過ごしやすくなるための新しい考え方を身につけます。本やアプリ、講座などもありますが、カウンセラーなど専門家と一緒に行うことが最もおすすめな方法です。
あなたの周りの人は、あなたを否定する人ですか?それとも受け入れてくれたり、寄り添ってくれる人でしょうか?
メンタルを強くするためには、あなたを受け入れてくれる人が必要です。否定する人やコントロールしようとする人ばかりが周りにいると、あなたがいくら力をつけても、くじけるような機会が増えてしまいます。
「適切な人=受け入れてくれる、寄り添ってくれる人」との関係を大切にしましょう。
もし、周りで見つからない人はカウンセラーやメンターなどがおすすめです。
最後にメンタルの弱い人が、無意識にやっている行動や考え方を紹介します。
メンタルを強くする方法を実践していても、メンタルを弱くする習慣が身についているとなかなか改善しにくくなります。
<メンタルが弱い人がやりがちなこと>
・自己否定をする
・生活リズムが乱れている
・変化を必要以上に恐れる
どれもメンタルを弱めてしまう習慣です。
当てはまっているものはあるでしょうか?
自己否定する癖や、ネガティブな口癖を減らしていくこともメンタルを強くするためには必要です。
その代わりに、「メンタルを強くするための方法」を実践して、少しずつ生きやすさを手に入れていきましょう。
今回はメンタルが強い人の特徴を紹介しました。
メンタルが強い人は、自分のことも相手のことも大事にできる特徴を持っています。しかし、相手というのは「全員」ではありません。
自分のことを理解し、大切にすれば、あなたが大切にしたい相手がどんな人かも見えてきます。
紹介した方法を実践して、メンタルを強くし、今よりも楽しい人生を過ごしましょう。
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