ダイエットや健康ブームの渦中で、女性を中心にヨガも人気が高まっています。
しかし、本来のヨガがどこまで効果的なのかを詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
ヨガに興味を持ち始める動機や目的は個人差があります。
ストレスを解消したい人もいれば、運動習慣として始めやすいからといった理由で選んだ人もいるでしょう。
ヨガの本来の目的は、精神と体のバランスを整えながら心身を豊かにすることです。
心と体が健康であれば悩みは自然と解決させることができます。
本記事では、ヨガの目的と効果を中心にした特集です。
身体や心にどのような影響をもたらすのかを解説していきます。
とくに、これからヨガをやってみたいと興味がある人は、ぜひ見てください。
ヨガをおこなうことで、心身ともに健康的な状態になることが期待できます。
ヨガの基本は、呼吸法とポーズを正しい動作でおこない、筋肉や内臓・骨・神経すべての調和を目指すことです。
体のバランスが良好になれば筋肉への負担も軽減され、コリもなくなり脂肪もつきにくくなるとされています。
さらには、呼吸法を意識するため、リラックス効果をもたらすのでストレス解消になり、気持ちが穏やかになるでしょう。
一度や二度ですぐ効果が実感できることはありませんが、継続していけば次第に変化に気づくことでしょう。
ヨガは比較的誰でも取り組める方法なので、運動が苦手な人でもすぐに実施できるのがメリットです。
そこで早速スタートし1週間くらいは新鮮な気持ちで過ごせるはずです。
しかし、実質的な効果が出てくるまでには、さらに時間がかかることを覚えておく必要があります。
ヨガを始めても続かない人の多くは、すぐに兆候を期待してしまうからです。
どのようなエクササイズでも共通ですが、目的を達成するには継続するしかありません。
無理をしないで数ヶ月続ける計画を立ててください。
ヨガのポーズについての一般的な見解は、身体の柔軟性がかなり必要といった考えです。
確かに、さまざまなヨガのポーズでは、信じられないような形に身体を変化させている姿を見た記憶があるでしょう。
とはいっても、柔軟な体を持っているかどうかは個人差もあります。
まずは、自分のできる範囲から試していくことが、ヨガを楽しむポイントです。
どこまでできそうかは、自分の体から聞こえてくる声に耳を傾けてください。
無理をすると、かえって筋肉を傷めてしまうかもしれません。
その恐怖でヨガを途中で断念するのは、もったいないことです。
周りがどうあれ、自分のペースで継続しようといった気持ちを大切にしましょう。
ヨガとは、サンスクリット語で「つなぐ・調和・結びつける」といった意味があります。
ヨガを実践するためには、さまざまな理由があると思われますが、自分にどのような目的を持たせるかがポイントです。
ここでは、ヨガの本来の主な目的について解説していきましょう。
ヨガには、精神を高め自分をコントロールする目的が秘められています。
体と心の状態がバランスよく均衡を保っていることが目的となるでしょう。
そうなるために、正しい呼吸法とポーズを理解し、無理なく実践できることが大切です。
呼吸法とポーズを正しくおこなえば、体全体のゆがみが改善され姿勢が正常になります。
インナーマッスルが鍛えられることも、ヨガの目的の一つです。
ヨガを継続することで血行が正常化し、血行不良によるコリや痛みが緩和されます。
また、痛みによって引き起こされるストレスも軽減できるでしょう。
ヨガを行えば、心のリラックスになるでしょう。
リラックス状態に入ることでストレスが解消され、意味なくイライラすることも減少していきます。
気持ちにもゆとりができるため、他人への思いやりなど、違った側面での効果も期待できます。
ヨガは精神的なつながりを重視していますが、それだけではなく表面的なことにも効果があると思われます。
美しく健康的に過ごす目的でヨガを始める人もいますが、それも悪いことではありません。おそらく現実的には、表面的な美の追求を目的としてヨガに興味を持つ人は多いはずです。
きっかけは何でもよいのです。
ヨガを実践し成功させるには、習慣として取り入れ継続するようにしましょう。
ヨガをおこなうことは、ダイエットに最適な方法といえるのでしょうか。
これは結論を先に言えば、正解がありません。
個人差もあれば、当人の取り組み方にもより、複数の要因が絡んで成果が出る場合も考えられますが、思ったほど効果的ではなかったという人もいることでしょう。
理由は簡単で、ヨガの目的がダイエットと直結しているわけではないからです。
本来、ダイエットを成功させるのであれば、基礎代謝を上げ消費カロリーを多くし、摂取量を減らす努力が必要となるでしょう。
そのための筋トレや有酸素運動などを、複合的に取り入れて初めて実現します。
ヨガの運動量自体が、他のエクササイズと比較しても大きいものではありません。
そのため、ヨガだけに依存して痩せることはかなり難しいでしょう。
そうはいっても、熟練したヨガ実践者の外形は、脂肪が少なく引き締まっているケースが目立ちます。
それはヨガの目的が修行という捉え方であり、長年ライフスタイルとして実践し続けているため、自然とそうなっていったからです。
そこまで突き詰めてヨガマスターになりたいというのであれば、きっとダイエット効果も期待できますが、一般人でその境地に至るには、一朝一夕にはいかないと思っておくほうがよいでしょう。
しっかり消費カロリーと摂取カロリーのバランスを考えた食生活など、ヨガ以外での習慣も重視しておくことが大切です。
ヨガ人口は、一般的に女性のほうが普及率が高い印象があります。
現代的にアレンジされた日本でのヨガは、ダイエットや美容効果の魅力にスポットを当てがちです。
そのため、女性が美を求めて集まるイメージがついています。
しかし、それは本来正しくはありません。
古代ヨガの目的は、男性の修行として生まれたからです。
それに欧米などでは、女性に特化するという考えが元々ありません。
ヨガを学びに本場のインドに行けば分かりますが、ヨガマスターは男性のほうが多いと聞きます。
また、現地へさまざまな国から参加者が集いますが、男女比は半々といってよいでしょう。欧米のヨガ人口も男女公平で、各々が自由におこなっています。
ヨガを実践することで与える影響や効果は、大きく身体に与える効果・精神に与える効果に大別されると思ってよいでしょう。
さまざまなポーズによって全身の筋肉を駆使し、筋力強化や身体のゆがみ改善が狙えるので、身体的によい影響があります。
ここでは、ヨガをおこなうことで見られる身体への効果について解説しましょう。
ヨガのポーズを正しくおこなうことで、ストレッチ効果が期待できて、コリが緩められ継続次第では身体の均衡を保ってくれます。
以下の症状にお悩みがあるのならヨガを実践してみましょう。
● 肩の高さのアンバランスさ
● 猫背
● 骨盤の歪みやねじれ
ヨガは筋肉強化にも役立ち、正しい姿勢を意識するポーズ作りによって筋力アップする効果が期待できるでしょう。
もちろん、負荷を大きくかける筋トレのような方法は即効性があります。
しかし、運動が苦手な人や大きな負荷をかける体力がない人でも、ヨガから始めていけば次第に筋力がついていく可能性があるでしょう。
ヨガでは、ひとつひとつの動きを丁寧におこなうことで、身体の細かい筋肉が使われているのです。
ヨガを継続することで、基礎代謝がアップします。
そのため、エネルギー消費がしやすくなり太りにくい身体に変化することが可能です。
基礎代謝は、一切何も運動をしない静止した状態でも使われるエネルギーで、1日の代謝量の約60%は基礎代謝とされています。
生命維持のために必要なエネルギーの消費が活発化するので、身体も徐々に生まれ変わっていくことでしょう。
ヨガで顕著なのは柔軟性が高まる点です。
普段よりあまり使わない筋肉を伸縮させるため、身体の柔軟さが増してきます。
筋肉は使わないと固くなって弱まるイメージがあると思われます。
ヨガは身体の細かい筋肉も駆使し、普段使わない部位にも刺激が行き渡るため、継続していけばさらに強化されるはずです。
筋肉の柔軟性が高まれば血流がよくなり、肩コリ・腰痛・頭痛などの慢性病も緩和されます。
ヨガをおこなうと体幹(インナーマッスル)の強化につながります。
筋トレなどは、筋肉に負荷を与えるストレングストレーニングです。
腹筋や上腕二頭筋などの、筋肉部位へ集中して鍛えることができて、筋肥大が期待できるでしょう。
その一方で、ヨガでは筋肥大を目的にはしておらず、ポーズを効率的に作ることで体幹やインナーマッスルを鍛えられます。
ヨガのポーズの場合、脊柱を基本に肩甲骨や骨盤など体の基本要素に向けて、ストレッチがかかりしなやかさを生み出す方法です。
関節の機能性が改善され、体調が良く感じるだけではなく、あらゆるスポーツでの可動域を広げ、パフォーマンス向上が期待できます。
ヨガを続けることで疲れにくい身体になるとされています。
姿勢を正しく保つことで、動作がスムーズになり負荷が分散されるからです。
すると、無駄な動きがなくなるので疲れづらくなります。
今まで血管や内臓を圧迫し機能を低下させていた部位も、ヨガを通じて血流をよくすることや、呼吸を正しく導けるので、全身に栄養素が届き、老廃物や疲労物質が排出されるからです。
ヨガは身体の健康に期待しながらおこなう人が多いと思われますが、メンタル面への効果も期待できます。
ヨガが確立された頃から、 ヨガの本当の目的は「心の安定」としてきたからです。
もし、精神面でイライラしやすくて落ち着きがないと不安になっているようなら、ヨガを実践してみましょう。
ヨガにはストレス軽減やリラックス効果があるとされています。
動作と呼吸に集中するだけではなく、瞑想効果に近い状態を誘っているからです。
瞑想の特徴は、今の瞬間に集中します。
ヨガを続けていけば、自然に現実と妄想を分けて考えられるようになるようです。
感情のコントロールを自分でもしやすくなり、心がブレないのでストレスも軽減していく流れが作れます。
ヨガをおこなうとなぜか幸福感に包まれるとされています。
その理由は、セロトニン値が高くなっているからです。
セロトニンは「幸福ホルモン」とも呼ばれる脳内分泌物質の一種で、分泌が多くなると精神的安定をもたらす効果が期待できます。
ヨガをおこなうと、自分の内面を見つめて受け止める習慣ができ、自己肯定感が高まるのが特徴です。
ヨガをおこなうことで集中力が高まっていきます。
呼吸法や身体の動きに意識を働かせることで、余計な雑念がなくなり、自然と集中力が高まるからです。
ヨガに欠かせない瞑想も相乗効果があり、瞬間に集中する訓練になってくれるでしょう。
ヨガを継続していくことにより、集中力がコントロールできるので、生活の質自体も向上できると思われます。
ヨガをおこなうと、効果を一時的に感じることができます。
あくまでも新鮮さがそう思わせるだけなので、実際に体や心に変化が出るまでには、2か月〜3か月は要するものと考えた方がよいでしょう。
もしダイエット効果を期待しているのなら、もっと時間がかかります。
ヨガの効果を顕著に実感できるパターンとして、以下のような内容が考えられるでしょう。
● 姿勢が改善されボディラインが整う
● 基礎代謝がよくなり太りにくくなる
● 瞑想と腹式呼吸によりストレス軽減になる
とくにメンタル面での改善が理解できるようになり、生活に余分なことはしなくなり健全な暮らしを心がけるようになれるはずです。
ヨガを始めて観てしばらくすれば、さらに効果を引き出せるルーティンなども気になってくるはずです。
ここでは、ヨガの効果をさらに伸ばすために取り組んでもらいたいコツを紹介します。
ヨガの効果を期待するのであれば、量よりも継続する工夫が重要です。
とにかく無理をしないで毎日続けられる方法を自分で考えてみましょう。
毎日の体調にもよりけりなので、気が向いたら少し多めに取り組んでみたり、気分がすぐれない日は思い切って休息しても問題はありません。
コンディションや気分次第でチャレンジの方法を変えることです。
もしヨガの効果をさらに上げたければ、朝か夜のどちらかにおこなってみましょう。
朝日を浴びながらのヨガは気持ちもよくなり血行も優れてきます。
新陳代謝が良好な状態のまま、1日中キープできるでしょう。
また、夜にヨガをおこなえば、副交感神経が活発化します。
就寝にもよい効果が出て疲労回復にぴったりです。
もちろん朝と夜の両方でも構いません。
できればヨガを避けておきたい時間帯もあります。
食後はヨガの運動をしないほうがよいでしょう
なぜなら、うつ伏せや捻じる動作があるからです。
食後すぐにだと、気分が悪くなる可能性があります。
ヨガの動作によっては、消化活動に影響が出てしまうかもしれません。
ヨガをおこなう2時間前には食事をすませておきましょう。
ヨガはただ身体を動かすだけでは効果がでないことがあります。
そこで、鼻で呼吸するように習慣化しましょう。
空気を体内に取り込みながらポーズを取れば効果は高くなります。
初心者はポーズを取るのに精一杯になりがちです。
無意識に息を止めておこなってしまい、ヨガ本来の効果が半減します。
また、動作だけではなく瞑想を取り入れることでセットとなります。
ヨガと瞑想は切り離せない重要な関係性があります。
瞑想で雑念を払い、その流れでヨガに入れば、質の高いトレーニングとなることでしょう。
もし、ヨガを3ヶ月以上続けていてもなかなか効果が出ず、以前と大して変わりがないようであれば、一度、自分の方法を見直す必要があります。
その際には、以下の内容をチェックして改善しましょう。
まず考えられるのは、うろ覚えで自己流のポーズを続けていたとしたら大きな問題点となるでしょう。
間違った方法で骨格の歪みが進行してしまう恐れもあります。
例えば、ヨガではただ立つだけのポーズでも、上から下まで細かいポジショニングが定められています。
初心者が完成形をいきなり作ることは無理でも、近づくように意識しながら骨や筋肉の向きや角度を合わせながら続けるからこそ効果が実感できるのです。
もし猫背の人がまっすぐ立ったつもりでも、第三者から左右どちらかに傾斜していることなどはありがちなことでしょう。
ヨガの本を自己流で試し始める場合などは、とくに間違ったポーズを信じ込んでしまう懸念があります。
ヨガを継続するためには、無理なく自分のペースでおこなえばいいと先述しました。
ただしそれも、継続することが前提での話なので、やはり実践しなくては意味がありません。
いくらなんでも気まぐれで回数や頻度にムラがありすぎては、当然やったことにはならず、単なる「お試し」でしかないのです。
ダイエット・骨盤矯正・デトックス・体質改善など、ヨガへの期待と目的はさまざまですが実践し続けなければ何も生まれないことは自然の摂理といえるでしょう。
精神的には、幸せホルモンではなくアドレナリンの分泌のみに依存した方法になります。
アドレナリンは一時的に興奮させる脳内分泌物質で、もちろん人間に必要なものです。
ところが、持続力がないのですぐ衰退し、結局やる気が出ない気質に戻ってしまいます。
脳内にセロトニンなどの幸せホルモンを出すには、地道に継続していくしかありません。
ヨガがインドに誕生して約5000年経過しています。
その間、あらゆるヨガマスターが方法論を確立し、現在にまで受け継がれてきました。
心身のトレーニング方法としては、筋トレ以上の歴史があります。
効果がわかってくるまでには、数ヶ月気長に待つ必要があるでしょう。
しかし、自分なりに継続できる工夫をすれば、徐々に効果がわかってくるはずです。
ぜひ、焦らずに自分のぺースを守りながら取り組んでみてください。