ヨガのシークエンスとは?組み方のポイントや実例

ヨガのシークエンスとは?組み方のポイントや実例

記事作成日:2024.12.25
ヨガのシークエンスとは?組み方のポイントや実例

ヨガの世界では、シークエンスと呼ばれるものが存在します。
多くのヨガは、シークエンスを通じて進行されていくのが通常です。
シークエンスとは、ヨガのさまざまなアーサナ(ポーズ)を組み合わせながら、順番や流れを構成することを指します。
シークエンスを作る手順は、ヨガインストラクター自身が考えておこなうことが主流です。
ヨガのシークエンスのを組み立てる際、あらかじめ気をつけておきたいポイントもあります。
また、レッスンを受ける生徒の悩みや状況に応じたシークエンスも考えて構成していくことになるでしょう。
本記事では、ヨガのシークエンス作成のポイントや実際の例なども解説していきます。
ヨガのシークエンスに興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次
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ヨガのシークエンスとは

ヨガのシークエンスとは、数多くのヨガのアーサナ(ポーズ)の組み合わせのことを意味します。
ヨガのレッスンでは、ポーズの取り方に順番や流れがあり、いかにしてその状況に適合された構成ができるのかが問われるでしょう。
単純な思いつきでポーズを並べていくわけではありません。
筋肉や関節を徐々に慣らしながら、身体を動かす準備や動きを読み、呼吸法との兼ね合いも考えて心身の状態を整えることを目指します。
そのため、一般的なヨガスクールでは、さまざまなシークエンスの組み合わせでクラスを展開させているのが普通です。
ポーズによっても難易度の違いがあります。
シークエンスの組み方で、安心・安全なレッスンをおこなえるといってよいでしょう。

1-1大まかなヨガのシークエンスの種類

ヨガのシークエンスでは、テーマや目的に合わせながら構成します。
代表的なシークエンスとしては、日常動作シークエンス、呼吸シークエンス、筋力強化シークエンス、バランスシークエンス、リラクゼーションシークエンスなどの種類があり、その時どきの状況・環境に応じて選択されていくことになるでしょう。

1-2シークエンスは生活に密着している

ヨガのシークエンスの中でも、日常動作シークエンスは起床・洗顔・歯磨きなどの日常動作の中にポーズに織り交ぜていきます。
ほぼ無意識なままヨガのアーサナが習慣化されるので、準備運動としても有効です。
呼吸シークエンスも同様で、深い呼吸を促しながら心身リラックスを目的とします。
筋力強化シークエンスになると、意識的にトレーニングのモードに入り込む必要があるでしょう。
バランスシークエンスは、その名の通り体のバランスポーズを整え、集中力とコントロールの向上のためにおこないます。
リラクゼーションシークエンスは、瞑想を含んで心身のストレス解消などが目的です。
これらのように、各シークエンスのモードによって方法も変わっていきます。

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ヨガのシークエンスの基本

シークエンスこそが、ヨガ練習をする際の重要な要素とされ、正しい組み立てが完成できれば、練習全体もバランスよく整うとされています。
ヨガのシークエンスの組み立てにも基本があり、ヨガの効果のためにも不可欠です。
ここでは、ヨガのシークエンスの基本的概念と導入方法について解説していきます。

2-1ポーズの連動性が相乗効果を生む

ヨガのアーサナを連続させるシークエンスを組むことで、単独でのポーズをより相乗的に効果をもたらすことができるでしょう。
体内エネルギーの流れがスムーズに運ばれ、各ポーズによって相互に補完し合いながら心身のリラックスや集中力向上が期待できるからです。
動作の連動性により、呼吸と動作の連携が強化されます。
身体の柔軟性や筋力向上を効率よくおこなえるでしょう。
ヨガのシークエンスの重要さは、包括的で深い効果を得ることにあります。

2-2ヨガのシークエンスを組む理由とは

ヨガのシークエンスでポーズを継続的におこなう理由は、心身へのメリットが多くあるからです。
動作を切れ目なく続けると心拍数が適度に上がるため、心血管系の改善にもつながります。
アーサナを連動することで身体の各部位は均等に鍛えられ、体型のバランスもよくなるでしょう。
精神的にも集中力を高める効果が期待できます。
ストレス軽減やメンタルヘルス向上にも役立つとされているからです。

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ヨガのシークエンスの組み立て方

ヨガのシークエンスの組み立て方では、数多いアーサナの要素を総合的に捉えながら構成する必要があります。
その際の基準は、目的・筋肉グループ・強度・段階・バリエーションなどがあり、それらを相対的に検討しながらニーズに合わせた組み立てをしていくことになるでしょう。

3-1目的やニーズに合わせて選ばれる

ヨガのシークエンスでは、目的に応じながら、ターゲットとなる筋肉群へのアプローチを明確にすることが重要です。
筋力強化が目的であれば、負荷がかかりやすいプランク・チャタランガ・アシュタンガプシュチマーサナといったアーサナを選んで組み立てます。
柔軟性を目指すなら、関節可動域を広げるウッタナーサナ・ウッダーパリヴッターサナ・パシュチモタターサナといったアーサナを中心に構成するでしょう。
各々のアーサナについては機会があれば調べてみてください。
とにかく、要望や目的にマッチするアーサナを選択していくことを理解しておきましょう。
レッスンへの参加者がどのようなニーズを持っているのかによって、ヨガのプログラムはカスタマイズされていきます。

3-2段階ごとに強度を調整する

ヨガのシーケンスでは強度調整も重要です。
レッスン参加者のレベルに合わせ適切な強度を設定しないと、効果が発揮できません。
初心者などのレッスンでは、体幹、関節可動域、筋力を把握するために簡単なポーズから始めます。
そして徐々に強度を上げていくようなプログラムを考えていくはずです。
重心移動や支持基底面の変化が小さいポーズから開始して、徐々に強度の高いポーズへと進めます。
上級者には、バランス感覚や筋力が要求される高度なポーズが取り入れられるでしょう。
他にも、リラクゼーション効果やクールダウンでは、ゆっくりとしたポーズと呼吸法で構成されます。
ヨガ教室では、段階的に無理のない範囲で練習できるように考案するのが普通です。

3-3流れを無視した組み方をしない

ヨガでは座位・立位・臥位・四つ這いなどのアーサナがたくさんあります。
体位を変化させるポイントがあるので、そのつなぎ方に意識を向けてスムーズな展開を心がける必要があります。
もし寝転んだ状態で急に立ち上がるとなると、血圧変化が起こります。
貧血気味の人の中には、めまい・立ちくらみ・失神などを起こす可能性があるでしょう。
いきなりつなぐのではなくスムーズなつなぎ方を考慮することです。
部位によっても意図的な構成をしながら、目的やテーマに沿った組み方をするようにしましょう。

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ヨガのシークエンスの手順ポイント

ヨガのシークエンスにて、インストラクターはどのようなレッスンを提供すべきかを考えて組み合わせますが、場所の雰囲気、流派、強度などによってもアレンジされます。
シークエンスこそが、レッスンを面白い時間にできるか否かにかかってくるでしょう。
ここでは、ヨガのシークエンスの手順にとって重要なポイントを解説します。

4-1レッスンのテーマを持つ

ヨガのレッスンにて、どのようなテーマや目的があるのかが重要です。
ヨガをおこなった結果として、どのようになりたいのかは人それぞれとなります。
ポーズや構成は、テーマや目的が明確であり、その上で選ぶべきポーズや呼吸法などをチョイスしていく流れです。
仮に肩こりに利くヨガに集中するようなら、そのようなタイトルでレッスンを展開することもあります。
ヨガをおこなう目的を明確にし、そのテーマに沿ったレッスンを受けることが大切です。

4-2ピークポーズがどこかを決める

1回のレッスンの中には、ピークポーズと呼ばれる箇所が登場します。
ピークポーズとは、シークエンスの全体構成において、一番ヤマ場となるポーズです。
難易度として最大の場所を必ず設けています。
ピークポーズを無事に迎えるためには、事前に難易度が低いアーサナと組み合わせながら準備をしていく流れです。
少しずつピークへと持っていくようなシークエンスを組み立てることになります。

4-3心身の調和を目指す意味で共通

シークエンスは大きく3つの時間に区分できます。

● 身体を準備する時間
● 身体を使う時間
● 身体を静める時間

これらの各時間帯に合わせたポーズを組み合わせながら時間配分も考えていきます。
中でも準備時間は重要で、ここが足りないとケガや事故になりかねません。
とはいえ、メインとなる身体を使う時間が短いと、目的やテーマからずれてしまいます。
クールダウンや休息も必ず取り入れなければなりません。
つまりどの時間も大切なのです。
ヨガのインストラクターは、この3区分の時間配分をしっかり考えて構成できるスキルが問われます。

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レベル別ヨガのシークエンスの違い

集中力向上や柔軟性向上を高めるヨガシークエンスは、各レベルごとに構成を決めます。
大まかに捉えれば、ヨガに関わっている時間や経験値によって区分されるでしょう。
シンプルに以下のような3段階で捉えられます。

● 初心者向けのヨガシークエンス
● 中級者向けのヨガシークエンス
● 上級者向けのヨガシークエンス

5-1①初心者向けのヨガシークエンス

初心者向けのシークエンスは、ゆっくりした呼吸法を伝授します。
腹式呼吸から入り心身をリラックスした状態を保つような流れです。
その後、温まりのためのポーズへと入り、足踏みやマーチングなどの軽めの有酸素運動をします。
次第に大きな動きへと移り、肩周りなどの関節の可動域を広げることになるでしょう。
やがて基本的な立位ポーズをおこないます。
タダーサナ(山のポーズ)や、片足で立つツリーポーズなどです。
おもにバランス感覚を保つためのポーズが中心となります。
それらが済んだら、座位やうつ伏せのポーズ、パシモッターサナ(前屈のポーズ)やバックボーンエクステンションなどに入るでしょう。
これらはより柔軟性を高めていくものです。
ラストには、シャバーサナ(死体のポーズ)で休息を取り、心身ともにリフレッシュさせます。
初心者でも無理なく取り組めるような内容が中心で、徐々に柔軟性や集中力を高めていけるメニューです。

5-2②中級者向けのヨガシークエンス

中級者向けのシークエンスでは、バランスと集中力を中心とした内容で組みます。
ツリーポーズからスタートして、タダアサナ(矢立ちのポーズ)、アルダチャンドラーサナ(月のポーズ)などへ移行します。
呼吸を意識しながら動作を続けていく内容です。
やがてリバースワーリアー、エクステンデッドサイドアングルなどの側屈ポーズを入れ、体幹の可動域を高めるようにします。
ラストはシャバーサナで休息し、心身の調和へと誘うようなメニューです。

5-3③上級者向けのヨガシークエンス

上級者のシークエンスでは、さらにバランスと集中力を高める高度なポーズに移行します。エクステンデッドハーフムーンポーズ、パリヴリッタチャクラーサナ(回転のポーズ)、コルナラサナ(鷹の姿勢)などのアーサナにチャレンジすることになるでしょう。
続いて、インバージョンなどの重心移動や体幹安定のためのポーズを取ります。
最後はシャバーサナで休息を取るのは先述と一緒です。
上級者はフォームを保ちつつ集中することで、より精度の高いアーサナを極めていきます。
バランス感覚とコアの強化をポイントにした内容です。

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ヨガのシークエンスの実例

ここでは、実際のヨガシークエンスの実例を紹介します。
身体の悩み別によるヨガシークエンスの事例を3選しました。
なにかの際に参考にしてみてください。

● 肩こり緩和のシークエンス
● 筋力向上やダイエット向けのシークエンス
● ストレス解消やリラックスのシークエンス

6-1肩こり緩和のシークエンス

日本人の多くが悩んでいる症状が肩の違和感です。
ヨガのシークエンス上では、単に肩を使ったポーズだけを組み合わせるのではなく、多角的な視点でアプローチしていきます。
最初は、ポーズで使う筋肉や関節周りをほぐしてから開始するのが特徴です。
肩こり緩和のためのシークエンスとしては、おもに以下のような内容があります。

● 子犬のポーズ(脇・肩回り・体側・背中)
● 猫と牛のポーズ(背骨・肩甲骨・骨盤周り)
● 糸通しのポーズ(背骨・背中・肩回り・腕)
● 鷲のポーズ(背中・肩甲骨・腕・胸・体幹・腰)
● 魚のポーズ(背中・肩甲骨・胸・首・頭頂)

肩関節そのものに限らず、肩甲骨や腕の筋肉や関節へアプローチするポーズが中心です。
最初は緩めるポーズから、徐々に身体を駆使するポーズへと移行していきます。
肩回りの血流と動きと下半身や体幹にも関係するアーサナが特徴です。

6-2筋力向上やダイエット向けのシークエンス

筋力向上やダイエットにつなげるシークエンスでは、あらかじめ対象となる筋肉を温めておくことがポイントです。
動的ストレッチが中心のアーサナとなります。
おもに以下のようなポーズが代表的です。

● トラのポーズ(体幹・お尻・下半身強化)
● 下を向いた犬のポーズ(全身運動・血流と代謝アップ・脂肪燃焼)
● 戦士のポーズ2(体幹・下半身強化・股関節外旋)
● 戦士のポーズ3(体幹・背筋・下半身強化・バランス感覚)
● 半月のポーズ(体幹・お尻・下半身強化・股関節外旋・バランス感覚)

この場合はピークポーズとして半月のポーズへと向かいます。
徐々にスイッチを入れて深めていく流れです。
全身を使うポーズの組み合わせで、初心者向けよりも強度のやや高い内容になっています。

6-3ストレス解消やリラックスのシークエンス

ストレス解消・リラックスのシークエンスは、全身を動かしつつも深いリラクゼーション要素のあるポーズを含めるのが特徴です。
もし首や肩関節、股関節を使うのであれば、その部位を事前にほぐしながらおこなうことがポイントとなるでしょう。

● 稲穂のポーズ(座位の側屈や体側・足の背面)
● 合蹠のポーズ(座位の前屈や股関節・ひざ)
● 太陽礼拝(全身運動・深呼吸)
● 木のポーズ(立位のバランス・下半身・集中力)
● 子どものポーズ(座位の前屈・腰・背中・胸を閉じる)
● 支えのあるコブラのポーズ(うつ伏せの後屈と背面・腕・胸を開く)

リラックスのためのシークエンスでは、呼吸法の後に座位のポーズに入ります。
中盤よりアクティブに全身を動かしながら、身体を緩めていく動作です。
後半では胸の開閉ポーズで心を落ち着かせ、休息のポーズへ移行していきます。

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ヨガのシークエンスに役立つおもな資格

ヨガは普通にスクールなどへ通ってレッスンを受けることや、動画などで自宅で気軽に始めることも可能です。
ただし、将来的にもっとヨガを極めてみたい意欲が芽生えた場合は、民間資格などを中心とした資格取得をおすすめします。
ヨガの場合は海外公認の資格もあり、インドおよび欧米でも通用する種類もあるのです。
ここでは、ヨガのシークエンスに役立つ資格を解説しましょう。

7-1ヨガライフセラピスト®資格認定試験

ヨガライフセラピストは、ハタ・ヨガを源流としたパワーヨガ、ホットヨガ、アシュターンガヨガ、インテグラルヨガなどで紹介されるチャクラ、瞑想についての知識が身につく内容です。
体の不調の他に、精神的にリラックスした状態にするためのヨガの基礎「ヨーガスートラ」「アシュターンガ」などが学べます。
ヨガ哲学の部分も深めていくことができ、ヨガの効果をさらに高めセラピストとして活動することができる資格です。

7-2ヨガ資格のヨガインストラクターjp資格

ヨガ資格のヨガインストラクターjp資格は、ヨガの語源や歴史、基礎知識、ヨガでの注意点、呼吸法、食事法、使用グッズ、ヨガの実践的な知識などを相対的に学べる資格です。
おもに30種類以上のヨガのポーズと効果を理解することができます。
とくに肩こり改善、骨盤の歪み解消などのアドバイスもできるでしょう。
資格取得後には講師活動もできます。

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まとめ

ヨガでは、単に静的なアーサナを保持するわけではなく、流れに乗った一連の動作により成立します。
そのための構成がシークエンスと呼ばれ、セットメニューとして確立されてきました。
これからヨガを実践したいと考えている人は、必ずシークエンスのことも考えながら取り組むことになるでしょう。
また、ヨガのレッスンを構成する立場のヨガインストラクターになる場合も、避けては通れないものと考えておくことです。
ヨガインストラクターになりたての頃は、毎日のレッスン内容を考えなければなりません。
複数クラスのシークエンス内容を考えるのは大変だと不安に思うかもしれないでしょう。
ただ、経験を積んでいくことで、バランスのいいヨガのメニュー構成を楽しくアレンジすることができるようになるでしょう。
まずは、ヨガを楽しみながら継続させ、経験値や知識を増やしていく姿勢が大切です。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
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