ヨガは近年、女性を中心に人気が高まっています。
街中には、ヨガスタジオなどが点在し、正しいヨガの方法を教えています。
ヨガに関する指導者のことをヨガインストラクターと呼びます。
当初は、ダイエットや健康志向など、さまざまな目的で入門する人が多いようですが、ヨガを仕事として捉えていく人もいて、ますます需要が高まっています。
ヨガインストラクターになるためには、まずは何から始めていけばよいのでしょうか。
本記事では、ヨガインストラクターを目指している人に向け、ヨガインストラクターへの手順や業務について、また必要な資格などを紹介します。
はじめは興味本位や健康の目的で始めたヨガも、やがてヨガインストラクターを目指したいと思い立った時、どこから、何を始めたらいいのでしょうか。
ここでは、ヨガインストラクターを目指すための、おもな方法について紹介します。
ヨガインストラクターとして自立するには、なにも特別な資格取得の義務はありません。
そのため、独学で勉強をし独自スタイルでのインストラクターになっても構わないのです。
ヨガの流儀では、身体を屈伸し負荷をかけ、呼吸を重点する運動メソッドとなることや、古代インドから伝わる正しいルールもあることで、適切に教えるための一定レベルは必要となります。
安全性も考えれば、養成スクールや、養成講座など各地で開講されているので、しっかり実技の指導方法を取得しておくことをおすすめします。
ヨガインストラクターになるための通信講座も開かれています。
自宅で好きな時間を利用しながら学べて、日常生活との折り合いでも効率性があるのでおすすめです。
しかし、実践面では第三者からの意見やアドバイスがないことで、学びが正しいかどうかの判断に悩むのがデメリットになります。
通信講座は便利なので、登竜門として入るのにはよいでしょう。
なるべくなら、スクールに通って直接指導を受けるほうが安心です。
ヨガインストラクターのための民間資格を取得するとよいでしょう。
先述したように、ヨガインストラクターになるための特定の資格は存在していません。
しかし、ヨガを正しい形式で指導し、生徒からの信頼を得る意味では資格を取得しておくことで安心感が得られます。
ヨガには国家資格での認定はないので、民間資格の中から厳選していくことになるでしょう。
ヨガのための資格には、日本国内に限らず海外にも通用する認定資格も存在します。
ここからは、ヨガインストラクターとしておすすめできる、おもな資格について解説していきましょう。
これから、ヨガインストラクターになる資格を検討したい人は、参考にしてみてください。
RYT200・RYT500とは、全米ヨガアライアンスが認定する資格です。
無数にあるヨガ資格において、世界的に認知度があるとされています。
ヨガインストラクターを目指す人であれば、一度は考えておくべき資格です。
全米ヨガアライアンスの取得方法は、RYT200のコースで、認定校にて200時間プログラムの修了が条件となります。
RYT500の場合は、さらにRYT200の上位資格です。
専門性は高くなり、それ相応のスキルを取得する必要があるでしょう。
また、すでにRYT200を修了している場合なら、プラス300時間のプログラム修了が必要で、RYT200を取得していない場合、ストレートに500時間のプログラム修了を目指すことになります。
インド中央政府により国家資格として認定されているヨガ資格です。
インドとはいいながら、日本国内でも取得できる講座なのでおすすめできます。
YICの取得方法は、「日本ヨーガ・ニケタン」が開催しているヨガインストラクター講座にて、全10回講座を修了し、ヨガの理論と実技に関する指導者レベルでの学習をすることが条件です。
NPO法人の日本ヨガ連盟という団体では、ヨガ指導の実践者育成のための講座を開催しています。
ヨガインストラクターとしての意識やスキル向上、または社会的認知を高めるための資格認定制度です。
日本ヨガ連盟の資格取得方法はいくつかあります。
中でも「ヨガインストラクター」資格は、日本ヨガ連盟主催のヨガインストラクター養成講座の規定を修了し、試験に合格すれば取得できる内容です。
その他にもオプション資格がいくつか区分されているので、、各講座も受講することをおすすめします。
一般社団法人 全日本ヨガ協会は、ヨガを学びたい人の、個々の条件や環境に準じたAJYAヨガインストラクターライセンス認定試験を実施しています。
まずは、登竜門としてインストラクターを目指す人は、3級もしくは2級の取得がおすすめできるでしょう。
AJYAヨガインストラクターライセンスの取得方法は、全日本ヨガ協会で対応した講座がおこなわれ、3級では47時間の講座、2級は3級のカリキュラムへさらに67.5時間の修了が必要です。
講座修了後、それぞれ実技・学科試験にて合格となれば資格取得となります。
ヨガインストラクターとしての雇用形態は複数あります。
自分の環境や働くスタイル、キャリアに応じて選択すればよいでしょう。
どの形態でもメリット・デメリットがあることは承知しておくことです。
さしあたっては、自分のルーティンやスケジュールに柔軟であることを重視したほうがよいでしょう。
以下の雇用形態が典型的です。
ヨガスタジオやフィットネスジムにて正規のフルタイム雇用されるスタイルです。
雇用側は企業として正社員・契約社員などの一定に準じて採用します。
給与の受給もスタジオなどの規定に沿っておこなわるでしょう。
レッスンスケジュール・内容は、クラブの方針や管理に沿って実施します。
正社員なら、厚生年金や健康保険など社会保険加入や福利厚生が充実しているはずです。
また、研修制度やトレーニングも充実したところもあります。
所得や生活基盤は安定するメリットがあります。
デメリットは、転勤や異動の可能性や、やりたいことへの自由度が極めて低いことです。
フリーランスのヨガインストラクターもたくさん存在します。
一定年数以上の実務経験があり自信を持っているのなら、フリーランスとして自分のペースで、自由度の高い働き方をするのも方法の一つです。
フリーランスは原則、各ヨガスタジオやフィットネスクラブから仕事を請け負います。
ヨガインストラクターとしてのブランド化、独立心のあるプロフェッショナルの意識を持って取り組む必要性があるでしょう。
様々な場所で経験を積むこともできます。
収入は、実力と人気などによって変化します。
自分らしい働き方ができるため、やりがいを実感できるスタイルでしょう。
ただしフリーランスの場合、所得税や住民税といった税金の納付は、確定申告しなくてはなりません。
フリーランスに近い働き方ではありますが、近年、オンラインによるヨガプラットフォームを利用したレッスン指導が注目されています。
ヨガインストラクターとしてプラットフォームへ登録して、パートタイム的な雇用形態で、自宅、スタジオなど好きな場所からオンラインを通じた指導ができるのがメリットです。
報酬については、各プラットフォーム運営企業の規定に準じます。
デメリットは、まだ最近出来上がった方式なので、将来性が未知数である点です。
プラットフォーム自体が何らかの事情で閉鎖してしまうと、途端に収入源を失うことになるので、併行して別の働き方もしておくとよいでしょう。
ヨガインストラクターの平均年収としては、約290〜400万円のあいだとされています。
この範囲は働き方の形態によって違ってきます。
例えば、個人としてヨガ指導をする場合、1レッスン単位での収入が得られるでしょう。
レッスン1時間としたら3000〜5000円が相場です。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータによれば、企業規模10人以上の個人教師職で支給する現金給与額平均は、26.88万円とされています。
月給は各事業所によって幅があり、経験や指導できるレッスンの種類によっても違いがでると思っておきましょう。
ヨガインストラクターの場合、以下の内容が標準です。
● 店舗スタッフクラス・・・38万円
● 店舗主任者以上・・・・・40万円
正社員は雇用契約を締結していると考えられ、ボーナス支給・研修制度・昇給などの待遇面でも優遇されます。
ただし運営方針や指導方法のルールやマニュアルに徹底しておこなう義務が発生すると考えられ、自由度は制限されるものと思っておくことです。
個人事業主などでレッスン指導する場合、1レッスン3000〜5000円の基準を元にします。
1日に何回レッスンが可能かにもよるでしょう。
日収に換算すれば6000〜1万円くらいと見なせます。
ただし、知名度が高く人気のインストラクターになっているのなら話は別となるでしょう。
集客もしやすく単価も高額となり年収も上がっていきます。
現実としては、他の業種と比べても高い報酬にはならないと考えてください。
ヨガインストラクターになれたとして、日々どのような業務をこなしていくのでしょうか。
ここでは、ヨガインストラクターの主な仕事内容について解説していきます。
ヨガインストラクターである以上、ベースとなる業務はヨガレッスンでの指導です。
担当する生徒のレベル・年齢層によって、マッチできるカリキュラムをおこないます。
例えば、初心者や高齢者が多いクラスであれば、ヨガに慣れるための、簡単で楽しめるカリキュラムを組むことになるでしょう。
経験者や段階を経てレベルアップさせたい人が多いクラスでは、難易度を高め、高度な上級者向けカリキュラムを設計するなど工夫をしていきます。
ヨガのレッスンが始まると、ヨガインストラクターが手本となるポーズを示し、生徒がポーズを真似ながら進行していきます。
その間に、生徒一人ひとりの呼吸・姿勢のポイントを見定めて、コミュニケーションを取りながら、方法をアドバイスしていくのが流れです。
また、定期的カウンセリングも実施しながら、生徒がカリキュラムを明確に修了できるようにします。
雇用形態がどうあれヨガスクールに勤務するとなった場合、スクールの窓口での問い合わせや会計などのフロント業務もおこなうものと思っておきましょう。
他にも、教室全体の運営に関わる雑務もおこないます。
レッスン開始前・終了後の清掃といったものが含まれるでしょう。
どのような職種でも、性格が向いている・向いていないの区別ができるものです。
ヨガインストラクターについても向いている特徴があります。
ここでは、ヨガインストラクターに向いている特徴について解説しましょう。
ヨガについて普段より真摯な興味と熱意を持っている人こそ向いています。
これはインストラクターである以前に、ヨガそのものが好きである証拠です。
これから継続的に指導や経営をしていくためにも、必要条件ではないでしょうか。
真摯な興味と熱量があることで、生徒はより価値のあるヨガ体験ができるでしょう。
ヨガには深い哲学なども多く含まれているので、実践テクニックだけではなく古典的な概念から勉強を積み重ねないと、本当の求道者にはなれません。
継続的に学び続けて自己実現させる意欲が求められます。
そのような情熱のあるヨガインストラクターから習う生徒は、その熱量に影響を受けて高いモチベーションが育まれ、次第に継承されていく可能性があるでしょう。
ものごとへの追求心があり向上意欲がある人に向いています。
ヨガは膨大な学びのプロセスが横たわっている分野です。
アーサナ・瞑想法・哲学的概念・歴史などが積み重なっているため、一生かけて学ぶことができます。
ヨガインストラクターとして、常に最新情報にも敏感になりつつ自己啓発を続けていける人に最適です。
ヨガインストラクターとしては、コミュニケーションが得意な人にこそ最適です。
教室運営はレッスンがあるので、必ず復数の人との接点があります。
指導者と生徒という関係性でも、生徒からの信頼を築いて個別ニーズに応えるには、コミュニケーションスキルが欠かせないからです。
ヨガを始めたいという人は、各々に理由があります。
当人たちの状況を把握して変化をさせるためにも、コミュニケーションを図ることが大切です。
ヨガインストラクターとしての責任感があって誠実に仕事する人物がふさわしいでしょう。
安全面や信頼性、ヨガに対する尊重、ビジネス上のコンプライアンスなど、あらゆる側面で誠実に対応する必要性がでてくるからです。
ヨガのコミュニティ全体にも価値あるものとして成長していくことになります。
ヨガインストラクターは、生徒の安全と成果、それに心地よく続けられる環境を提供する責任を持っておこなわなければなりません。
ものごとについて柔軟な考え方ができて最新情報などにも積極的に取り組める人は、ヨガインストラクターにも向いています。
多様性や創造性、イノベーション、信頼構築などは復数の人々と調和するのに重要です。
指導者としての質が問われる要素であり、生徒に最良なヨガ体験を提供するのに欠かせません。
柔軟性のあるヨガインストラクターなら、生徒に合わせたカスタマイズ指導ができるでしょう。
最新のトレンドに基づいてアプローチを試みることもできるため、多様なニーズに応えることができます。
リーダーとしての素質があると、ヨガインストラクターとしてクラスの調和を考慮しながら運営ができるでしょう。
安全性や正確性にも影響があり、コミュニティ構築の面でも大切な資質です。
リーダーシップを取ることで、そのヨガクラスが目指す毎回の目標が達成できます。
レッスンの回数や時間など、生徒たちの成長と変容に合わせてカリキュラムを組み時にも、率先して説明する機会もあるでしょう。
クラスの円滑な進行やポジティブな雰囲気を持続させるためにも、ヨガインストラクターは全体を把握して先導していく必要があります。
より多くの生徒がクラスでの満足感を得られるように工夫するためにも、自らが率先していく気持ちが大切です。
常にエネルギーを持っていて人々を魅了できるタイプの人は、ヨガインストラクターに向いているでしょう。
レッスンの時間でのポジティブな雰囲気を演出することが容易にできることや、生徒との円滑なコミュニケーションなどに生かされるからです。
指導者像を築き上げることもできるので、生徒が目標として目指せるお手本にもなります。
指導者はエネルギーを高めなくてはなりません。
自分も相手も、ともに成長させる意味でもエネルギッシュでいることです。
ホスピタリティ精神に満ち溢れた人にこそ、ヨガインストラクターが最適です。
誰かを助けることに喜びを感じられる人は、ヨガの奉仕的な側面を具現化しています。
他人と共感しあってサポートを通じながら、ヨガコミュニティを構築できます。
悩みや苦しみを理解し指導者として、サポートできるホスピタリティ精神こそ欠かせません。
逆にヨガインストラクターが流行りだからと安易に取り組もうとしているタイプは、献身的な態度が最初からありません。
当初は順調だとしても、後々悪い評価を受けてしまう恐れがあるでしょう。
元々古代インドにて継承されてきた古典的ヨガは、男性の修行者のためのメソッドとされてきました。
それは現代に入って改変されて、女性を中心に世界中に拡大していきました。
今では男女の隔たりなく、誰でもその気になれば入門できる分野です。
ヨガに興味本位で入ってきた人の中には、ますますヨガの奥深さの虜になり、指導者としての道を歩もうとしている人が増加中です。
ヨガインストラクターに限ったことではなく、指導者となるためには資質が大切です。
生徒を受け持って成長させる必要があるので、責任感や献身さが何よりも重要だと捉えておくようにしましょう。
人に教えるテクニックがいくら備わっていても、部分的や機械的では崩壊してしまいます。
相手に向けてのホスピタリティや思いやりのある人物がふさわしいといえるでしょう。