今ではヨガの人気は高く、とくに女性を中心に普及してきました。
その流派は複数ありますが、比較的一般人でも通用するヨガの一つとして、ホットヨガも定着しています。
ただし、ヨガとホットヨガは同じものとして考えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、ホットヨガについての特集です。
ホットヨガとヨガの区別、ホットヨガに期待できる主な効果、さらに相乗効果となるコツなどを中心に解説していきます。
もし現在、ヨガを始めてみたい、あるいはホットヨガをやってみたい、どちらにしようか迷っているという人は、ぜひ参考にしてみてください。
ホットヨガとは、その名が示すように、ヨガをおこなう環境を温暖な状態にして実践するメソッドです。
インド人ヨガ行者のビクラム・チョードリー氏によって考案され、1970年代アメリカ西海岸にて誕生し、日本にも紹介され広まっていきました。
ヨガ発祥地であるインドの気候は、平均して35度前後、湿度60%前後とされ、室内をその環境に近い状態にすることで、より効果を期待しておこないます。
内容は、ハタヨガを中心としながら、さまざまな流派のヨガやエクササイズを取り入れているものです。
ホットヨガをおこなうことで体の柔軟性が高まることと、高い温度や湿度の中でおこなうため、心身ともに気持ちよい状態でできます。
普段の生活では体験できないような、大量の汗を出し老廃物排出を促進させることができます。
汗は大量に出ますが激しい運動ではないため、体力に自信がない人でも安心して取り組めるでしょう。
新陳代謝がよくなり、より健康な状態へと導くことが可能とされています。
ダイエット効果・ストレス解消・体力増進・骨盤矯正などの効果も期待できるでしょう。
ホットヨガは、米国にてハリウッド女優が支持したことで有名になりました。
アスリートのトレーニングにも導入されています。
さらには、UCLA、NASAなどでも、効果・効用について医学的見地から研究されているほどです。
古代インドの伝承的習わしから、今では科学的にも研究対象となっているほど認知されています。
ホットヨガのレッスン内容は、ハタヨガのポーズと2つの呼吸法との組み合わせが基本とされています。
レッスンは標準として90分程度、室温40度前後、湿度50~60%ぐらいに設定した屋内でおこなうのが普通です。
暖かい部屋で気軽にチャレンジできます。
ポーズについては、インストラクターが言葉で伝えながら実践し、鏡で確認しながら進行していく方法です。
鏡に映る自分の動作とインストラクターからのアドバイスで、ポーズを完成させます。
集中力も養えるのでおすすめです。
ホットヨガとヨガにはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、わかりやすい相違点は温度・湿度の環境です。
普通ヨガをおこなう状況では常温とされています。
屋外でやることもあれば、温度や湿度の設定をあえてしないで、そのままの環境下で実践する方法です。
一方、ホットヨガは、高温多湿の環境をキープしておこないます。
常に高温多湿の環境を想定し、意図的に設定した上で実践することで、心身の活動にもよい影響を与えることが目的です。
交感神経が優位になり、リフレッシュ効果が高まることを期待します。
ヨガとホットヨガとの違いは、優位になる神経が違う点です。
ヨガでは、呼吸(プラーナヤーマ)、ポーズ(アーサナ)、瞑想を組み合わせるのが流儀とされています。
深い呼吸によって副交感神経が優位になる方法です。
ホットヨガの場合は、高温多湿の環境で心身活動を活発にします。
それは、交感神経を優位にさせる方法です。
実は、自律神経においては、お互い全く逆な効果となるのです。
ホットヨガとヨガでは、消費カロリーの差が違います。
普通のヨガよりも、ホットヨガはカロリーを多く消費することになるでしょう。
意図的に暑い環境の中、連続的にポーズを取ることによって、有酸素運動の効果が高まるからです。
消費カロリーも高くなり、脂肪燃焼がしやすくなるものと考えられます。
ホットヨガをおこなうことで、どのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、ホットヨガによる具体的な効果を5つ厳選して解説します。
おもに、以下のような5つの効果が期待できるでしょう。
● ダイエット効果が期待できる
● 美肌効果が期待できる
● 歪み改善の効果
● 冷えやむくみの改善
● ストレス解消に役立つ
ホットヨガによる効果として、まずはダイエットがあげられるでしょう。
とくに運動習慣がない人や運動が苦手な人でも取り組めるエクササイズです。
ホットヨガには激しい運動がないので、気軽に入りやすい敷居の低さがあります。
ポーズ(アーサナ)は、インナーマッスル強化を主としたメニューです。
筋肥大させるのではなく、スタイルのよい柔軟性のある体型を目指します。
湿度が高くて温かい室内で、カロリー消費にもなり、続けていけば自然とダイエットが実現できるでしょう。
ホットヨガは美肌効果も期待できるでしょう。
高温多湿な屋内で動作を続けることで、大量の汗をかいて毛穴の汚れを排出します。
そのため新陳代謝を活性化させるので、肌にも影響が出てくることになるでしょう。
ホットヨガをしばらく続けていけば、毛穴の開閉機能が磨かれ汚れが溜まりにくくなり、肌荒れ防止につながります。
美肌を目指したい場合、定期的にホットヨガを導入してみるとよいでしょう。
ホットヨガは身体の歪み改善に役立ちます。
背骨・腰が曲がってしまうと体型的にも美しくありません。
姿勢が悪くなると内臓が本来の位置からずれてしまい、体調不良を引き起こすリスクが高まるでしょう。
ホットヨガをおこなうことで、姿勢の矯正を自然とおこなえるので、身体の不調解消も望めます。
呼吸なども影響を及ぼすので、正しい方法で取り組むようにしましょう。
冷え性に悩んでいる人は、ホットヨガによって改善にもつながります。
高温多湿の環境でのアーサナ(ポーズ)は、体内の血行循環が改善され、血液が巡るようになるからです。
継続的なホットヨガの習慣で、冷え性の悩みから解放されます。
また、むくみにもホットヨガが対策となるでしょう。
むくみとは、筋力や運動が不足した状態で発生しがちです。
ホットヨガでの適度なエクササイズは、汗を大量にかくため、余分な水分や塩分を排出してリセットしてくれるイメージと思えばよいでしょう。
ホットヨガは心を落ち着ける方法です。
日々のストレスに悩んでいる人はホットヨガがおすすめできます。
ストレスは女性ホルモンのバランスを崩してしまいがちです。
イライラした心の中が、自然と晴れやかな気分になり、ストレスが軽減されます。
もちろん、普通のヨガでも効果はあると思われますが、ホットヨガは大量に汗もかくので、運動やエクササイズをした実感が湧くはずです。
先述したように、ヨガとホットヨガの2種類にたいべつできますが、自分はどちらのほうが最適なのかと迷うかもしれません。
実際には、効果には個人差もあり断言することはできません。
どちらのタイプのヨガが合っているかは、体質や目的などにもよりけりです。
ここでは、どちらかといえばホットヨガに合っていそうなタイプの特徴を解説します。
普段から冷え性で悩んでいる人は、ホットヨガがおすすめです。
おそらく汗をあまりかかないタイプの人が多いでしょう。
新陳代謝の悪さが原因です。
ホットヨガによって、大量の汗をかくことになり、新陳代謝の改善に役立ちます。
ヨガ終了後には、しばらくは身体がポカポカとするはずです。
ホットヨガは、肌をきれいにしたい人に向いています。
大量の汗とともに老廃物がデトックスされ、美肌効果があるからです。
ニキビやアトピーに悩んでいる人にもおすすめできるでしょう。
ホットヨガは血行をよくするので、体の奥からきれいにする効果が期待できます。
ホットヨガは、身体がかたいと感じる人に向いています。
一般的なヨガをおこなうと身体がかたくて無理という人も多いのですが、ホットヨガはかたさが和らぐ感覚でできます。
実際に、ホットヨガのほうが柔軟性を得やすいようです。
手応えを実感しやすいのがメリットとされています。
慢性的な肩こりや腰痛を持っている人には最適です。
マッサージをするのと同じように、血行をよくすることで、一時的に痛みの軽減ができるでしょう。
さらにホットヨガの習慣を積み重ねていくことで、自然と痛みが緩和され、改善されていく可能性があります。
ただし、どのような状態なのかにもよるので、必ず完治するとは言い難いものと捉えておいてください。
ホットヨガは便秘や睡眠改善にも効果が期待できます。
実践中には水を飲む機会が増えるため、腸内環境が整い睡眠の質が向上するからです。
レッスンを受ける際には、最低1リットルの水を用意し、こまめに水分補給をします。
腸内を最適化するので便秘の解消にもなり、睡眠を良質にするホルモンも分泌しやすい状態になるでしょう。
ポーズを取ることで外側から腸を刺激する点も便秘解消になります。
また、幸福ホルモンの一種である「セロトニン」が分泌され、心の健康にも働きかけてくれるようです。
ヨガ自体をおこなえば体調も改善されスッキリした気分になりますが、より効果を得たいというのであればホットヨガがおすすめです。
なによりも、大量に汗を出すので、老廃物が排出されます。
お風呂上がりと同じような感覚と思えばよいでしょう。
ホットヨガの利点として必ず謳われるのがダイエット効果です。
ポーズを取りながら筋力作りにも役立つことや、高温多湿な状態で新陳代謝が上がることで相乗効果が期待できます。
ただし、1回やって直ぐに効果が出ることはありません。
どのようなエクササイズでも共通ですが、正しい方法で継続すれば実感できるはずです。
これからホットヨガを始めてみたいと思い立ったら、どのような点に注意を払えばよいのでしょうか。
ここでは、ホットヨガをおこなう際の注意点を解説していきます。
必ず準備するものは水分です。
できれば、常温水を500ml以上が望ましいでしょう。
理由は、体内で血液循環がよくなるので、老廃物の排出が活発化します。
そのまま放置すると、血液がドロドロ状態に陥りやすくなるからです。
老廃物をスムーズに排出させるには水が必要となります。
ジュースなどの糖分を含んだドリンクでは、排出しにくくなる恐れがあるでしょう。
常温のミネラルウォーターが理想です。
ホットヨガをおこなう際は、伸縮性のあるウェアを着用しましょう。
実はTシャツなどコットン素材はおすすめできません。
大量の汗でウエアが重くなり動きにくくなるからです。
ポイントは速乾性に優れて伸縮性の高いスポーツウエアを選ぶほうがよいでしょう。
ホットヨガ専用やおしゃれなタイプも多く出回っているので、お気に入りのウエアを探す楽しみも増えます。
ホットヨガはエネルギー消耗が意外と激しいため、直前の入浴はおすすめできません。
どうしても、汗やニオイなどが気になるような状態なら、リフレッシュシートで軽く拭くといった対策をしましょう。
直前に食事をしないよう気をつけましょう。
目安はレッスン前1〜2時間までに済ませておくことです。
もし満腹状態でホットヨガをおこなえば、消化不良を起こし具合が悪くなる恐れがあるからです。
空腹時にレッスンを受けるほうが、ダイエット効果が期待できます。
レッスン中は無理せず休憩をはさんでおこないましょう。
どうしてもやり始めた頃は無理をしがちです。
1日に複数回おこないたいと考える人もいます。
しかし、ホットヨガは1日1レッスンを基準にしてスケジュールを組みましょう。
血圧に問題がある方や、心配がある方は、無理にポーズをとらないようにしましょう。下を向いたままキープするポーズ、下から上に体や顔を上げるようなポーズは特に血圧が上がりやすいです。注意しながら行いましょう。
レッスン終了後は、保温に努めるようにしましょう。
汗が蒸発する瞬間の身体は一気に冷えます。
レッスン後には汗をしっかり拭き、シャワーを浴びて速やかに着替えましょう。
くれぐれも体が冷えないように気をつけることです。
ホットヨガを始めるにあたって、気になるのが回数です。
週に何回のレッスンをすれば最適な頻度なのでしょうか。
これは、目的によって異なってきます。
ここでは、ホットヨガをおこなう頻度について解説します。
もし、ホットヨガの目的がリラックス効果やストレス解消を期待するのであれば、週1回でも効果が実感できるはずです。
ホットヨガは血液循環がよくなり筋肉の緊張を緩和させます。
例えば肩コリなどが激しい場合、週1回でも爽快感を得られるはずです。
もちろんすぐに完治することはないので、週1回のホットヨガでも、しばらく継続して様子を見ることが望ましいといえます。
ホットヨガの目的がダイエットや美容(肌質の改善)を期待する場合、週2回を目安にするとよいでしょう。
実際に、体重変化、肌質改善、ストレス解消、柔軟性改善などの効果が実証されているからです。
個人差もあるようなので、まずは週2回を基準に継続して様子をうかがってみましょう。
ダイエット効果を期待するのなら週2回が基準ですが、筋力アップには週3回のホットヨガが理想的です。
体脂肪も少なくなる可能性があります。
これも実証されているデータはあるようですが、個人差も当然考えられるでしょう。
ホットヨガの効果を実感しさらに最大化するのなら、週4回以上に増やしてみましょう。
そのレベルに到達していれば、おそらくダイエット上の変化、肌質向上、心身ストレス軽減など、かなり実感しているはずです。
中には、本格的にインストラクターを目指したいと考える人もいるかもしれません。
目的云々ではなく、心からヨガに愛着心がある証拠です。
ヨガ全般が心身にとって効果的であることは理解できると思います。
しかし、絶対に効果が期待できるとは限りません。
ケースによっては、ホットヨガをおこなってはいけない場合もあります。
ホットヨガについては、腹圧のかかるポーズが多く、妊娠中の女性には向いていません。
脱水症状に陥りやすくホルモンバランス、自律神経も乱れてしまうかもしれないからです。
妊婦はホットヨガはNGと考えたほうがよいでしょう。
ただし、安定期に入ってからは、ホットヨガではなくマタニティヨガとしておこなうことは可能です。
その際は、必ず専門医などに相談してから始めてください。
ホットヨガは高温多湿の環境でおこなうため、血圧上昇しやすい可能性があります。
通常血圧が高めな人や、血圧を安定させる薬を飲んでいる人は、ホットヨガを始める前に専門医に相談してください。
体質上で汗をかきづらい人にはおすすめできません。
熱が体にたまってしまう恐れがあるからです。
おこなう際は、決して無理をせず休息をはさみながら様子をみていきましょう。
ホットヨガの利点は、まずはストレス軽減ができて、ダイエット効果が期待できることにあります。
さらに継続していくことで、代謝改善やインナーマッスルを鍛えることも可能です。
自然と体が柔軟になり、冷え性の人にはとくにホットヨガをおすすめします。
普段の日常生活とは違った異空間でのレッスンなので、気分転換にもなり精神的にもよい効果が期待できるでしょう。
メリットはたくさんあるのですが注意点もありますので、必ず実施の際はリスクのことも理解しておくことが重要です。
その上で実践を重ねていけるホットヨガには、ほぼ危険性がないものと考えてよいでしょう。
興味がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。