
タイ古式マッサージとは、古くからタイに伝わる施術と東洋医学の知見を取り入れ融合させたタイ独自による施術法です。
全身にある経穴と筋肉へのアプローチで、歪んだ体型を改善することや、血行・リンパの循環を促進させて健康的な状態に回復させることが目的となっています。
タイ古式マッサージからは、筋肉の柔軟性向上・ストレス解消・免疫機能向上といった複数の効果が期待できるでしょう。
日常の疲労感の回復と心身の健康維持に役立ちます。
近年では、タイ古式マッサージの名目でのサロン・店舗が多く展開されていて、気軽に入りやすいことも特徴です。
本記事では、タイ古式マッサージが持つ具体的な特徴を特集します。
タイ古式マッサージについて関心が高い人は、ぜひ参考にしてみてください。
タイ古式マッサージとは、タイ発祥で伝統医学に基づいたマッサージです。
おもにストレッチ・指圧・整体などを中心に組み合わせられています。
全身の筋肉を時間をかけながらほぐし、血行の促進やリンパの流れを回復させるに特化し、リラックス効果にも期待できる施術です。
では、さらに詳しい内容を解説していきましょう。
タイ古式マッサージでは、頭の先からつま先まで全身をマッサージします。
指圧をおこなうのが主流ですが、一般的なマッサージと違って、施術者は手の平やヒジやヒザ、足など体のいろいろな部分を駆使します。
また、「セン」と呼ばれるエネルギーラインを刺激し、固まった筋肉をゆるめながら、血流促進・自律神経バランスの調整・免疫力回復や自然治癒能力を高めることを目的にしている施術です。
タイ古式マッサージ゙(タイ式マッサージ・タイマッサージ・古式マッサージとも呼ばれます)は、文字通りタイの伝統医療をベースにしたマッサージ療法です。
その源流は、インドに発足したアーユルヴェーダからの影響が強いとされています。
インドの古典的な医療や施術がタイに輸入されて独自発展しました。
すでに2500年以上もの歴史を育んでいます。
タイ式マッサージの創設者は、「シーヴァガ・コーマーラバッチャ」という名のインド人医師です。
インドのブッダとも深い関わりがあり、仏教僧集団の筆頭医師でもありました。
マッサージを主流にしながら薬草なども駆使する形式で、その伝統は本場のタイでも受け継がれています。
また、タイ古式マッサージは伝統医療としてスタートしていますが、美容法・健康法として現在は確立しています。
タイの無形文化遺産として、2019年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。
実はタイ古式マッサージの場合、本場のタイには2つの流派が存在しています。
各々、「ワットポースタイル」と「チェンマイスタイル」との区分です。
考え方のルーツなどは共通項が多いのですが、やや異なります。
ここでは、2つの流派の概要を解説しましょう。
ワットポースタイルとは、別名「バンコクスタイル(南部式タイ古式マッサージ)」とも呼ばれるスタイルです。
タイのバンコクにあるWatpo(ワットポー)寺院が、近代化とともに西洋の現代医学との関わりから成立しました。
元々は王宮内でおこなわれた施術だったタイ古式マッサージを、民間向け運用のために再構築した手法です。
伝統を重視しながら、現代的な要素も取り入れた、指圧を重点に置く施術として浸透しています。
チェンマイスタイルとは、タイ北部でおもにおこなわれてきたスタイルです。
別名「北部式タイ古式マッサージ」ともいわれることがあります。
タイ北部にある山岳地帯に住む農村で発展したものとされ、住民たちの生活様式が反映されているのが特徴です。
施術方法も、足を使う方法と動的ストレッチが主流になっています。
現在、一般化されて日本でも紹介されているタイ古式マッサージのほとんどは、このチェンマイスタイルの流れが取り入れられて発展しました。
指圧・ストレッチ・矯正の施術を混合させた、施術者と患者がペアでおこなう施術です。
多くのマッサージ療法や施術がある中で、タイ古式マッサージは、世界でも類を見ない特徴があります。
ここでは、タイ古式マッサージの特筆すべき特徴について解説しましょう。
タイ古式マッサージは、一般的なマッサージと比較しても長い時間をかけゆっくり施術するのが特徴です。
例えば、肩こりには肩を中心といった局所的対処をするのではなく、2~3時間かけながら身体全体の施術をします。
そのため、全身の血液とリンパ液の流れが良好になり、体調の改善を図ることができるのです。
タイ古式マッサージは、部分的な痛みへの着目をせず、東洋医学思想をベースにしながら、常に全身へのアプローチが施術の中心となり、深くて根本的な改善を目指します。
タイ古式マッサージは、おもに脚部へのアプローチに時間をかけます。
体の筋肉の70%が下半身に集中していることにより、脚を重要視した施術です。
また、「セン」と呼ばれる10本の主要な経絡が、足底から股関節に集まっているという考えによって、たとえ肩こりや腰痛の場合でも足裏からスタートします。
他にも、自律神経やストレスなどに効果的なツボや経絡も足部に集中しているとされるため、タイ古式マッサージの基本は脚部へのアプローチが中心です。
タイ古式マッサージは、かなり古い時代からの発祥でありながら、ハイブリットな考え方による施術を確立しています。
中でも「マルチスティムレーション」による施術が特徴です。
これは、単一個所だけを刺激するのではなく、筋膜連結に則った「複合個所の施術」を意味します。
おもには筋膜リリース・整体・ストレッチの複数テクニックを融合させて用いることで、相乗効果を引き出す方法です。
他にも、二人三脚だからできるアクロバティックなストレッチもあり、受け手だけではなくセラピスト自身も一緒に動いて、ポジショニングを図ることがあります。
タイ古式マッサージの特徴としては、無我の境地に近づくことが目的になっている点も大きいでしょう。
α波を出すようにリラックス状態へと誘います。
それは、まるで瞑想に近い状態です。
また、呼吸法も取り入れ、ゆっくりと息を吐き、緩める時に息を吸うといった方式を取ります。
タイ古式マッサージは、施術者本人についても効果が期待できるのも特徴の一つです。
別名で「二人ヨガ」という異名を持っています。
同一姿勢で同一方向に圧を加えていく施術法は、施術者の身体に負担がかかります。
一般的なマッサージは、施術者が中腰姿勢を強いられることや、無理な体勢になるなどのリスクが考えられるでしょう。
一方、マットでおこなうタイ古式マッサージは、セラピストもさまざまに姿勢を変えて施術ができることで、本人自身のストレッチにもなります。
ストレッチの施術では、ストレッチポジションをとって施術者自身もポーズをとりながら施術するため、相乗効果があるのです。
また、瞑想や呼吸法もコンビネーションになっています。
タイ古式マッサージは、全身へのアプローチをすることで、血行やリンパの流れを促進する効果が期待できます。また、各関節や筋肉の可動域を向上させる効果なども考えられるでしょう。
他にもいろいろな効果が考えられるので、それらを総合的に解説していきます。
タイ古式マッサージによる施術は、全身のエネルギーを効率よく流せるため疲労回復にも役立つとされています。
体内に溜まった老廃物を排出し、血液とリンパの流れを促進するので、疲労物質がリンパを通して流れだし細胞の回復を図れるからです。
酸素や栄養が血管の中で通りやすくなり、健康な状態を保とうとします。
もし、疲れが溜まりやすいと悩みがあるようなら、おそらく血液やリンパの流れが滞っている可能性があるでしょう。
老廃物が次第に蓄積され疲れやすい体になった状態です。
タイ古式マッサージのアプローチによって血液やリンパの流れを回復させ、疲労回復を目指しましょう。
先述したように、タイ古式マッサージの施術により、老廃物の排出を促す効果が期待できます。
そもそも、タイ古式マッサージによって老廃物が排出される仕組みは、指圧などで全身を圧迫しストレッチも加えることで、血液やリンパの流れが促進されることが重要です。
リンパの流れは次第に改善され、老廃物や毒素も排出させることにつながります。
酸素や栄養素も体中に供給されて基礎代謝が上がり、内臓を刺激することで消化や排泄機能も向上するからです。
全身くまなく圧力やストレッチを試み、老廃物排出がされやすくなります。
タイ古式マッサージは、全身への圧迫やストレッチなどのアプローチで、血液やリンパの流れを促進するため、免疫力を高める効果が期待できます。
タイ古式マッサージによってリンパの流れを改善させることで、老廃物や病原体など身体に不要なものが自然と排出されるようになり、それが免疫機能向上につながるからです。
血液の循環は、酸素や栄養素を細胞活動のために運んでくれて、身体を活性化させます。
また、副交感神経への刺激でリラックス効果を生み、ストレスホルモンの分泌が抑制されるので、免疫細胞の活動も活発化される仕組みです。
自律神経のバランスが整えば心身の安定が図られ、免疫力が向上します。
タイ古式マッサージは、筋肉や関節の可動域を広げる効果も期待できるでしょう。
おもにストレッチや指圧などのテクニックを使うことから筋肉の拘縮を緩和し、さらには関節の可動域も向上します。
タイ古式マッサージのアプローチで関節可動域が向上すれば、まず身体の柔軟性も向上するでしょう。
今までの習慣で歪んだ身体が改善され、姿勢も矯正されます。
筋肉が柔軟になることから、日常生活での身体的な制限も緩和されるでしょう。
スポーツをしている人であれば、ケガや故障の予防にもつながり、パフォーマンスの向上にも寄与するはずです。
タイ古式マッサージは、全身の筋肉バランスの均整を保つ効果が期待できるでしょう。
タイ古式マッサージを習慣化すれば、筋肉や関節の柔軟性が徐々に向上し、悪習慣からの姿勢の悪さが改善されて、痛みの軽減にもつながります。
また、内臓の位置も正しく矯正されることで、消化不良や便秘といった問題が自然と改善されることにもなるでしょう。
身体の軸も安定し始め、腰痛・肩こりなどの慢性的な症状の根本から改善が期待できます。
左右対称的になるマッサージの施術なので、関節のずれ・神経痛・関節痛が緩和されていくことでしょう。
タイ古式マッサージのアプローチによって、身体の経絡を刺激し自律神経のバランスを整える効果が期待できます。
タイ古式マッサージは、筋肉の緊張をほぐしつつ交感神経に関与するのが特徴の一つです。
幸せホルモンとされている「セロトニン」の分泌が促進されます。
セロトニンは、心身のリラックスに効果的な分泌物で、さらには免疫力向上にもなることがわかっているので、内臓を強化してくれるでしょう。
具体的には不眠・消化不良・免疫力の低下・頭痛といった症状を緩和し回復させることが期待できます。
タイ古式マッサージの施術方法は、体のいろいろな部位を使って展開されます。
親指で押すような手技は当たり前で、他にも膝や足裏などを駆使する施術も特徴的です。
基本としては、以下の5つが考えられるでしょう。
タイ古式マッサージでの基本的施術の一つ目は、膝を使った方法です。
膝を利用しながら、受け側の大きい筋肉へのアプローチができるようになります。
具体例として「ヒップ・二ーサークル」という、受け側のお尻を膝で施術する方法です。
受け手側はうつ伏せになってもらいます。
施術者は、受け手側のお尻部分へ膝を入れ込み、そのまま回すように揉むというシンプルな方法です。
自分の体重を利用しながら施術をすることができます。
前腕の中でも尺骨の部分と肘を使った施術です。
面としてやさしくマッサージする場合は尺骨部分を充てながらおこない、より深い部分ヘアプローチをしたいときは、肘に部分を使うと鋭角にポイントへ入っていきます。
具体的には、仰向けの状態の受け手側の腰部分・背骨のすぐとなりの筋肉部分などです。
肘部分を軽く乗せながら、徐々に力を込めて押していきます。
注意点は、あばら骨がある部分には力を入れすぎないことです。
施術者のふくらはぎと腿の間に、受け側の足を挟みこんで圧迫する施術です。
うつ伏せ状態の受けての脚を持ち上げ、施術者のふくらはぎに乗せます。
そのまま、施術者が正座をするように挟めば完了です。
この状態のままで、軽く左右、前後に移動しながら、圧の強弱も自分で調整できます。
ふくらはぎが優しいマッサージ器のような感覚になり、気持ちよさが感じられる独特な施術です。
足裏を使う施術は、タイ古式マッサージに限らず、台湾式などでも頻繁に使われます。
足で受け手を踏む施術です。
タイ古式マッサージで多用する方法は、受けてのもも裏に片足を立てて、受けての膝を曲げながら足裏で押し込む方法を使います。
とくに足の根元に圧をかけてあげると心地よさを感じてくれるはずです。
一般的なリラクゼーション療法のほとんどでは、親指を使ってマッサージをすることがポピュラーです。
タイ古式マッサージでも、指圧は施術の重要な方法の一つとされています。
ただ、気をつけたいのは、施術者が親指や手首を痛めやすい点です。
どうしても施術する時に、親指に力を込めすぎてしまいますが、そうではなく、手首のスナップを利かせながら、テコの原理でつぼを捉えて押し込む方法がよいでしょう。
指を痛めるリスクが軽減されます。
タイ古式マッサージは、中国医学とインドの伝統医学との融合によって誕生した、タイ独自の方法です。
そのため、施術方法が独特で、他に類がないものとされています
ここでは、タイ古式マッサージと他のマッサージとの違いについて解説していきましょう。
タイ古式マッサージでは、施術者が手の平だけでなく、肘・膝・足などのさまざまな部位を駆使して施術を展開するのが特徴です。
他のマッサージではあまりない多種多様な展開といえるでしょう。
また、他のマッサージでは疲れた箇所を集中的にほぐす施術が目立っていますが、タイ古式マッサージの場合、一点集中はせずに全身の筋肉をまんべんなくストレッチと指圧でほぐす方法を取ります。
タイ古式マッサージの施術は、他のマッサージで起こる「揉み返し」が少ないというのも特徴です。
揉み返しとは、ほぐれた筋肉が元に戻ろうと作用することで、翌日以降に痛みやだるさなどを引き起こす現象ですが、しばらく時間が経てば回復します。
ただ、その間は痛みがやや残るのが不快に感じられるでしょう。
ところが、タイ古式マッサージの施術は、凝っている部分を急にほぐすといった行程がほぼないため、全身の筋肉をストレッチしていくアプローチをしていきます。
タイ古式マッサージによってほぐれた筋肉の回復は、約3週間ほどゆっくり時間をかけて戻っていくそうです。
そのため、揉み返しによる痛みや倦怠感もなく、マッサージの効果を実感できます。
タイ古式マッサージの面白い特徴は、施術者自身の健康面にも効果が期待できる点です。
施術はマット上でさまざまな姿勢を取り、ストレッチ・指圧・矯正などをします。
施術中のストレッチなどは二人三脚な状態です。
また、ツボを押す際も、施術者自身のツボを合致させることもあり、そのため、健康に相乗効果があります。
タイ古式マッサージは、古代より続く伝統的施術でありながら、現在も世界的に絶えることなく人気が高いマッサージ療法です。
東洋医学の知識もベースにあリ、施術方法や概念は総合的に考え抜かれています。
当初は、マッサージを受ける側だった人の中からも、自ら施術者として目指してみたいという人も増加中です。
もし、タイ古式マッサージを受けてみたい、あるいはやってみたい人は、ぜひ施術を受けてみてください。