タイ古式マッサージって聞いたことはあるけど、「どんなものなの?」「痛いんじゃないの?」って思われる方も少なくないかもしれません。タイ古式マッサージは、その名のとおりタイの伝統的なマッサージ方法で、その歴史は古く、非常に効果が高いものです。
タイ古式マッサージは無理なく全身をほぐすことができ、リラックス効果が高いといわれている理由や特徴を詳しくご紹介していきます。
タイ古式マッサージは伝統があり、古くからその効果が認められてきています。まずは、その全体像をみていきます。
タイ古式マッサージとは、ヨガや指圧、整体などの流れを汲むタイ伝統医学のひとつです。タイの伝統医学に基づいて組み立てられたマッサージで、現代の医学からみても効果が高いと認められています。
タイの保健省では、その効果に注目し、病院内で治療に応用する試みが行われています。その結果、頭痛、腰痛、肩こり、生理痛、生理不順、喘息、高血圧、冷え症、便秘、アレルギーなど数十種類の症状に効果があることがわかってきています。
タイのマッサージは仏教の愛の概念である「慈・悲・喜・捨」の心と深く結びついています。「慈」とは親愛の心を持って相手の視点で考えることであり、「悲」とは痛みに苦しんでいる人の痛みを取り去ってあげたいと思う気持ちです。「喜」とは他人の痛みがなくなったら素直に喜び、「捨」とは相手の状況を客観的にみることを意味します。このような仏教の教えとタイマッサージが融合して、タイ全土に広がっていったのです。
タイ古式マッサージは、施術者が手のひら、肘、膝、足等、身体全体を使って相手の筋肉をほぐし、頭の先からつま先まで全身くまなくマッサージを行います。そして、ストレッチを行いながら体をほぐしていくことで柔軟性を高め、疲れがたまりにくい体に変えていくので、「ふたりヨガ」ともよばれています。
タイ古式マッサージは、「世界で一番気持ちいいマッサージ」といわれています。その理由は、マッサージ中の脳内はアルファー波で満たされ、寝た状態のままで、ヨガをおこなったときと同じようなリラクゼーション効果が得られるからです。
タイ古代マッサージには長い歴史がありますが、その起源はインドにあります。
タイ古式マッサージの歴史は非常に古く、その開祖は「医学の祖」といわれるブッダの主治医だったシヴァカ・ゴーマラバット師だといわれています。
今から2500年前にインドの仏教の僧侶たちによってタイに仏教が伝えられた際に、マッサージの技術も同時に伝わったと考えられています。そして、ワットよばれるタイ寺院において、奉仕活動の一環として体の悪い人たちに無償で施されたことによって広く普及したとされています。
タイ古式マッサージには、ほかのマッサージにはない優れた特徴があります。
タイ古式マッサージでは、頭の先からつま先までの全身をくまなくマッサージしていきます。施術者が手のひら、肘、膝、足など全身を使って相手の筋肉をほぐしてしていきます。
足裏、脚のマッサージからスタートし、背中、首、肩のマッサージ、腕、ハンドマッサージを経て、フェイシャル、ヘッドマッサージ、仕上げ揉みとストレッチと進んでいきます。
マッサージの基本は、「セン」とよばれる部分をゆったりとしたリズムで刺激していき、凝り固まった筋肉を緩めていきます。センに沿って指圧し、圧迫と開放を繰り返すことによって人工的なポンプ作用を作り、血行不良を改善していくということです。その結果、血液循環が良くなり、自律神経のバランスが整って、本来の免疫力や自然治癒能力が高まってきます。
タイ古式マッサージとほかのマッサージと違い、ストレッチを施していくという特徴があります。こった筋肉を指圧やマッサージでほぐしたあとに、緩んだ筋肉をストレッチで伸ばすことによって、体の柔軟性を高めて疲れにくい体質へと変えていきます。1人でストレッチやヨガをするときに比べるとしっかりとほぐすことができるので、より深いリラクゼーションを感じることができます。
タイ古式マッサージでは、さまざまな施術のテクニックを用います。筋膜リリースやストレッチング、整体のテクニックなどを組み合わせて使うことで高い効果が得られ、ほかのマッサージにはない大きな満足感が得られます。
アクロバティックに見えるダイナミックなストレッチが多いことから、痛いようなイメージを持っている方も多いようです。しかし、ゆったりとしたリズムで筋肉に働きかけるため、強い痛みを感じることはほとんどありません。むしろ、あまりの気持ちよさに眠ってしまうほどのリラックス効果があります。
タイ古式マッサージには、ほかのマッサージでは得られない高い効果があるといわれていますが、具体的にどのような効果があるかをみていきます。
タイ古式マッサージは、ほかの一般的なマッサージと違い揉み返しが起こりにくいマッサージ方法です。凝っている部分だけをほぐそうとする一般的なマッサージでは、ほぐれた筋肉が急激に元に戻ろうとするために、マッサージ後や翌日以降に痛みやだるさを感じる、いわゆる揉み返しが起きやすいといわれています。
しかし、タイ古式マッサージでは凝っている部分だけではなく、全身の筋肉をストレッチでしっかり伸ばしながらほぐしていきます。そのため、筋肉はゆっくりと元の状態に戻っていくために揉み返しを防ぐことができ、マッサージの効果も長く続きます。また、繰り返し続ければ代謝が上がって疲れにくい体になります。
「ふたりヨガ」と呼ばれるタイ古式マッサージでは、施術を受けた人だけでなく施術をするセラピスト本人にも良い効果があるといわれます。一般的に行われている同一姿勢で同一方向に圧を加えていくマッサージでは、無理な姿勢で施術を行うことが多くなり、セラピスト自身の身体、特に腰に負担がかかりやすくなります。
しかし、タイ古式マッサージはマット上で行なうため、セラピストが様々な姿勢で施術を行なうことができます。そのため、セラピスト自身の負担が最小限に抑えられ、セラピスト本人のストレッチにもなります。また、セラピスト自身のツボの位置に施術を受ける人の身体の部位を押し当てたりすることで、セラピスト本人の健康にも効果があります。
さらに、施術の際には押す時に息を吐き、緩める時に息を吸いますが、この呼吸法は腹式呼吸と軽運動のコンビネーションになっています。このようにタイ古式マッサージは、セラピスト本人にとっても健康効果の高い施術法となっています。
タイ古式マッサージはタイの伝統医療に基づいた効果の高いマッサージで、全身をストレッジしながらほぐしていくので揉み返しもなく、健康効果の高い施術方法です。独特のリズムで揉まれることでリラックスでき、セラピスト本人にも健康効果があります。ぜひ究極のリラクゼーションを体験して、そのマッサージ方法を学んでみてください。