ストレス社会となった現代において、メンタル面やフィジカル面での緩和についての関心を寄せている人がたくさんいます。
忙しい日常から開放されたいと願っている人もたくさんいることでしょう。
その中で、整体師の需要は増加してきました。
整体師の業務は、体のゆがみや痛みに悩まされている患者のために、バランスの面から考慮して、不調を解消させる仕事です。
他にも、自宅でできる運動・ストレッチなど、患者へのアフターフォローのアドバイスもします。
本記事では、整体の業務の根本的な在り方に着目した内容です。
整体師としていかにして働くことが理想的なのか、心得ておくべきポイントや主な活動分野などにも触れていきます。
整体師になった場合の、働き方について解説していく内容です。
整体師は、一般的に手技によって、患者の骨格の歪みを調整します。
歪みを正常に整えることで、筋肉の凝りや疲労の軽減への効果が期待できるからです。
ただし、単に施術だけをしていればよいわけではなく、そのためのさまざまな業務や雑務も含まれます。
では、整体師が普段よりどのような仕事をおこなうのか、主な仕事内容の流れについて解説しましょう。
● 受付および会計業務
● カウンセリング
● 施術
● 集客
● 事務および雑務
整体師がおこなう仕事の中には、来院した顧客への受付対応や施術後の会計を含むことがあります。
具体的な受付・会計業務としてはいくつかあげられるでしょう。
● 患者の氏名とコースの確認
● 初めての外来者の情報登録を名簿に登録
● 会員証の発行
● 待合室や更衣室などへの案内
● レジでの会計や次回予約セッティング
● 電話応対と予約スケジュール管理
もし開業して間もなくすべてを一人でこなす場合は、これくらいの受付と会計業務をする必要があるでしょう。
ただし、規模によりけりなので、複数のスタッフを雇い入れるような環境なら、各自分担して業務をこなすことになります。
カウンセリングも整体師の業務の一つとして欠かせません。
施術前に患者の症状や希望をヒアリングします。
その上で、適切な施術内容を決定し提案していく過程です。
個人差もありますが、問診票を事前に記入してもらい、それを確認しながらヒアリングしていく整体師もいます。
とくにはじめて外来する患者には、丁寧にカウンセリングを実施し、不安や緊張を解消することになりますが、なによりも自分が正しい施術をするためにも、重要な材料集めとなることでしょう。
施術こそが整体師の業務そのものです。
多くの場合、手技を駆使しながら進めていきますが、患者の状態を適宜確認しながら、強さなどをきめておこないます。
店舗により異なりますが、顧客管理の一つとしてカルテを作成することもあるでしょう。
患者の既往歴・症状・施術記録を残します。
一般的には、整体師への医療行為は認められていません。
しかし、勤務する場所が整骨院など保険診療の適応が可能ならば、保険請求の都合上でカルテでの管理を義務としています。
もし経営者や店舗責任者の立場であれば、集客も業務の一環としておこなうでしょう。
集客方法としては、以下のようなケースが考えられます。
● 店舗のwebサイト
● Twitter、InstagramなどSNS
● 新聞折り込みチラシやポスティングチラシ
現在の主流としては、Webサイトの確立が必須です。
サイトでは、集客したい属性、各種コース、料金設定、SNSの発信内容や更新頻度など、さまざまな側面から考えて公開する必要があります。
新規の顧客を獲得するためには、整体師の特長・強みなど、他店とは違うメリットにも言及していき、存在のアピールをすることになるでしょう。
整体師には事務業務の必要性もあります。
問診票・カルテのデータ入力、顧客リスト作成管理、DM発送作業、メールマガジン作成などです。
整骨院や接骨院での勤務であれば、保険請求業務(レセプト)が発生します。
これらの業務は個人事業主なら単独でこなすことになり、スタッフがいれば分担しておこなうものです。
さらには、給与計算、シフト管理、経理・労務事務、店内清掃、備品の発注管理もこなす必要があります。
近年、整体師の仕事は人気があり増加中です。
街中には、関連した店舗やサロンが点在します。
もし整体師をめざすとしたら、気になるのは働き方の形態についてではないでしょうか。
整体師になる条件には、特別な決まりが一切ありません。
すぐにでも整体師と名乗って活動ができます。
しかしそうはいっても、多くの場合は、一定の形式に則ってその道に入っていくものです。
整体師としての働き方も、一般の職業と一緒だと思えばよいでしょう。
整体師の働き方でポピュラーなのが正社員勤務でしょう。
どこかの店舗やサロンで雇用してもらいます。
メリットは給与面・処遇面が安定している点です。
フルタイム勤務するため、自然とスキル向上につながっていきます。
昇進すれば、マネージャーなどへのキャリアアップが目指せるでしょう。
また、店舗運営に関するスキルも身につけられます。
将来的に独立・開業を目指すのであれば、まずは正社員を目指してみましょう。
デメリットは、各店舗やサロンの経営方針に従って仕事をすることが義務となる点です。
最初はよくても、やがて経営方針に不満がでる場合に思い悩むシーンも多々あるでしょう。
なるべく長く勤務するのであれば、入社前の時点からしっかりリサーチするべきです。
整体師の場合、パートやアルバイトとして働くこともできます。
未経験者から就業しやすいメリットがあり、整体に関する知識がゼロベースからでもスタートできるでしょう。
当然、施術そのものからではなく、店内の雑務が仕事です。
そのため、整体師の資格取得を目的としてアルバイトから始めてみたい人や、後に正社員登用の可能性を考えて、経験を積みたい人に向いています。
また、短時間勤務で選べるケースも多いので、副業として捉えることもできるでしょう。
デメリットは。約7割ちかくがシフト制を導入しているため、固定の曜日・時間で働けない場合も考えられます。
給与面では時給制や日給制となり、福利厚生が整っていない可能性があることです。
他にも、経験を重ねて独立開業する方法があります。
独自に確立した方法で展開したい、あるいは、ビジネスとして成功したいという願望がある人に向いています。
しかし整体師としての高度なスキルが要求され、経営の知識も必要です。
ノウハウやスキルを常に学び続けていく、意識の高さがなくては勤まりません。
それ以前に、まずは経験を積むために、どこかの店舗などに勤務して実践力を磨くことが大切です。
また、整体師関連の資格を取得することが望ましいでしょう。
独立開業を実現させるには、長期スパンで計画を立てる必要があります。
整体師は儲かる仕事なのかと、考える人もいるでしょう。
もちろん、仕事の一つなので、やり方と資質によって収入面は違ってきます。
どうせなら、高収入の整体師になりたいと願うはずです。
その前に、整体師の平均的年収はどのくらいなのでしょうか。
店舗やサロンなどで正社員雇用されている場合、一般的な年収の平均は、200万〜400万円とされています。
毎月の給料は安定する傾向ですが、年収が上がるかどうかは職場の方針次第です。
未経験の場合は研修期間や試用期間もあるので、経験を積んで認められないと昇給しない場合が考えられます。
また、リラクゼーションサロンなどは歩合制を採用するケースが目立ちます。
場合によっては、一般的な整体院より高収入になることもあるでしょう。
パートやアルバイトとして働く場合、その地域の最低時給の決まりとも関係しますが、概ね1000円程度です。
それを基準にして時給1000円で8時間、週5日働いている場合、月収に換算すれば15万円となり、年収では180〜200万円程度となるでしょう。
なお、シフトに入る回数や時間数には個人差があるので、絶対的な数値ではないことを念頭に入れておいてください。
パートやアルバイトで整体師の仕事をする場合、個人的な事情で働ける時間に制限がある人や、施術の雰囲気やイメージを体験したい人、あるいはスキルを身につけるための第一歩として捉えている人に最適です。
独立開業した整体師の年収は経営状況により異なるので、一概には言い切れません。
経営が順調で顧客もリピートしてくれるような恵まれた環境なら、年収1000万円以上は夢ではないでしょう。
その反面、開業1年目で廃業するリスクも考えられます。
また、店舗を増やすことや、施術メニューを特化することにより、年収アップが望めるでしょう。
つまり、工夫と努力次第というのが結論です。
整体師として働く方法はいろいろありますが、職場としてはどのようなところがあるのでしょうか。
最初にイメージするのは、整体院などの施術院ですが、実際にはいくつもの働ける場所があります。
ここでは、整体師としての技術を活かせる職場・就業先について紹介しましょう。
● リラクゼーションサロン
● 整骨院や接骨院
● 温泉・ホテル・スポーツクラブ
● 介護施設や病院
● スポーツチーム
● 講師やインストラクター
整体院と同じくらい就業先として選ばれているのがリラクゼーションサロンです。
リラクゼーションサロンの場合は、女性専用サロンやエステティックサロンなど多岐にわたりさまざまな施術サービスが点在します。
ただし、施術の目的は違っていて、治療のためというよりも精神的にリラックス効果を期待して来店する顧客がほとんどといえるでしょう。
アロマセラピー・オイルトリートメントなどもコースとして取り入れた展開をするサロンが多い傾向です。
美容やヒーリングに興味がある人は、リラクゼーションサロンでの就業も考えてみましょう。
整体院と誤解されやすいのが、整骨院および接骨院と称する場所です。
実際には、整体師の就業先として一番多いとされています。
似たような表記でありながら施術内容はやや違い、整骨院や接骨院には柔道整復師などの国家資格を所有した人物がいて、治療行為(骨折治療や保険診療)としておこないます。
あくまでも外傷的な症状への施術がメインです。
そのため、整骨院・接骨院で働く整体師は、ケガなど治療目的で施術はできません。
あくまでも有資格者の補助的な役割のケア目的での施術です。
将来的に国家資格の取得を考えている人は、整骨院や接骨院の就業を検討するとよいでしょう。
観光地の大型温泉旅館やホテルなどの宿泊施設、スポーツクラブに併設されたリラクゼーションサロンなども整体師が働ける場所です。
温泉やホテルでの勤務の場合、整骨院や整体院に所属し出張するケースがあります。
特徴は、繁忙な時間帯が夕方から夜間に集中しやすい点です。
そのため、勤務シフトの時間帯が夕方以降の遅めになることが多いでしょう。
個人的には夜間勤務のほうが得意な人や、深夜割増での高めな収入を考えている人に最適です。
今後も需要があると考えられるのは、介護施設や病院です。
高齢者や身体障害者、病気・ケガをした患者のためのリハビリ、健康増進サポートをします。
少子高齢化社会となっていく現在、これらの施設の必要性が高まり、求人も増えているのが現状です。
また、介助や送迎といった他の業務を併行して担当する場合があります。
初任者研修・介護福祉士・自動車免許といった資格をもっているとなおさらよいでしょう。
プロのスポーツチームへの参画という整体師の働き方も考えられます。
主に、選手のストレッチ補助や指導・マッサージ・リハビリ・怪我の応急処置などの身体メンテナンスを担う役割です。
国内のスポーツもプロ化していく傾向が強く、選手のフィジカルトレーナーとして対応できる人材が求められています。
ただし、身体構造やトレーニングについての理論など、さらに深い知識が必要です。
チームに帯同しながらの業務なので、原則としてフリーランスでやりたい人に向いています。
整体師として患者を施術するのではなく、整体師の養成を専門におこなうことも可能です。
各種教育機関にて講師やインストラクターに就く選択肢もあります。
この場合は、実務も教育カリキュラムに組み込まれているので、必須条件としては、自分自身が整体師の経験や実績を持っていなくてはなりません。
現実的に、まだまだ講師やインストラクターの求人は少ない傾向です。
指導スキルを高めるインストラクター養成講座を受講するといった努力を要するでしょう。
整体師として働くからには、充実した生活をしたいと思うはずです。
とくに独立した整体師であれば、いかにして成功させ順調に仕事を続けられるかを、常に考えていく必要があります。
整体師として成功している人は、どのようなことを考えて行動しているのでしょうか。
あらゆる分野にも気を配りながら、情報をキャッチして学び続けています。
ここでは、整体師に欠かせない成功のためのコツを紹介します。
● カウンセリングスキルを向上させる
● 店舗数を増やす
● 経営ノウハウを学ぶ
● マーケティングを学ぶ
● サービスメニューの幅を広げる
カウンセリングの知識や実践力の高い整体師は、信頼関係を築けます。
施術前に顧客をリラックスさせることで、筋肉の緊張などがほぐれ施術もしやすくなるでしょう。
また、アドバイスを上手に伝えられれば、その後の症状改善も期待できます。
顧客の悩みに寄り添える適切なカウンセリングをするためにも、日頃から対人スキルを磨く努力をしていれば、信頼性の高い整体師として成功できるでしょう。
成功している整体師は、複数店舗を展開させて年収アップさせています。
まずは最初の店舗でノウハウを培い、タイミングを見計らって2店舗のオープンに励んでいるのが特徴です。
複数店舗の運営は、売上の低い店舗を他の店舗の売上でカバーできる利点があり、グループ全体での黒字化を図れます。
それだけ、廃業リスクを減らす効果も期待できるでしょう。
ただしデメリットは、店舗展開に限界があり、多すぎてはかえって経営困難に陥ることが考えられます。
また、各店舗のクォリティに格差が生じやすく、教育が行き届かない店舗はサービスの質低下を招きかねません。
知らないうちに評判を落としてしまう恐れがあるのです。
目の行き届く範囲での複数店舗経営をすれば高収入が期待できます。
独立開業を目指す整体師は、経営者としての知識も必要となってきます。
経営概念がないと運営を維持していくことができません。
集客・資金運用・人材育成・マネージメントなどやるべきことがたくさんあり、幅広い分野に着手する必要があります。
一朝一夕にはいかなく、時間をかけて知識を得て実践していくことになるでしょう。
意外と大切なのは、マーケティングの知識です。
開業後すぐに軌道に乗せることが最初の関門となります。
そこで集客方法やマーケティングについて学び、工夫をしながら続けていくのが原則です。
高い技術があっても、集客できなければ売上が伸びません。
整体院のコンセプトを最初に決めて、その鉄則のもとでさまざまな活動をします。
● 折込チラシ
● ポスティング広告
● ダイレクトメール
● メールマガジン
● 店頭看板
● 自社サイト
● SNS広告
各種使い分けながら、顧客の属性にマッチさせてアピールする動きです。
記載内容に磨きをかけつつ、規制範囲内で合法的に表現することになります。
成功している整体師は、サービスの幅を広げることを常に考えています。
具体的な施術サービス・回数券やポイント制の導入・ストレッチやトレーニングのアドバイス・健康グッズの販売・リラクゼーション効果を高める方法など、考え方によっては個性を出すことが可能です。
ただし、内容によっては資格が必要になるサービスも考えられます。
本格的なマッサージを専門にするのなら、養成学校に行って国家試験に合格することが必須です。
その点の識別をしっかり理解しながら、顧客満足度向上を目指したアイデアを考えてみましょう。
整体師として仕事をするには、多くの場合は専門のスクールや通信教育などで知識を得て、必要な科目を履修してから、各形態のどこかに属しながら働くことになります。
もちろん、独学でゼロベースからスタートすることもできなくはありません。
ただし、相当な時間を要するのでかなり根気が要ります。
とくに人体の解剖学・生理学などの医療系分野は、一人で勉強するには困難です。
場合によっては、無駄に回り道する恐れも考えられるでしょう。
やはり、効率的に目指すのであれば、専門機関で学ぶことからスタートするのが無難です。
職業として独立した整体師を目指したいのなら、経営ノウハウや集客方法、マネージメントなどの経営知識も加えて学ぶ必要があります。
いずれにしても、それ相応に道程があることは覚えておいてください。