整体師として独立開業するには?必要な知識や費用について紹介

整体師として独立開業するには?必要な知識や費用について紹介

記事作成日:2024.09.13
整体師として独立開業するには?必要な知識や費用について紹介

整体師になることを目指している人は、まずは経験値を積んで信頼性の高い専門家になろうと考えるはずです。
レベルの高い領域に達することを目標にしつつも、一方では、独立して整体院を開業したいと夢見る人もいることでしょう。
この業種の場合、他の多くの業種よりも独立開業することは夢ではありません。
考え方によっては、案外ハードルが低いのも特徴です。
ただし、開業に向けてのさまざまな準備や自覚が必要となり、設備投資などの初期費用もそれなりにかかることを念頭に入れておくべきでしょう。
本記事では、整体師として独立開業するために、必要な費用や知識などを紹介します。
また開業後のことも考えた成功へのポイント、役立つ資格についても特集してみました。
これから、整体師で独立開業をしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

整体師として独立開業をする前に確認しておくことは

整体師の独立開業はさほど難しくはなく、実際には本人次第で可能です。
ただし、始めるにあたっての準備はいろいろとあるので、しっかり把握し少しずつクリアしていく必要があるでしょう。
ここでは、整体院を開業するためにやっておきたい前準備について紹介します。

● 自分らしい開業形態を決める
● 事業計画を立案する
● 開業資金の調達をする
● 物件を決める
● 内装工事をする
● 集客と販促をする
● 備品の調達をする

1-1自分らしい開業形態を決める

独立開業の第一歩は、開業形態を決めることです。
整体師として開業する場合、大きく4つの方法が考えられます。

● 自宅開業
● 貸店舗での開業
● マンションの一室で開業
● レンタルサロンでの開業

開業する形態によってメリット・デメリットはさまざまなので、それぞれの特徴を理解する必要があります。
自宅での開業は、コストがかからず独立開業のファーストステップとしておすすめです。
ただし、環境によっては集客に影響が出る場合もあります。

店舗用物件は、人通りが多い場所に位置するケースが多く、顧客獲得にメリットがありますが、賃料がかかるデメリットも同時に抱えることになるでしょう。
賃貸マンションの一室での開業は、商業利用ができるマンション契約をします。
貸店舗よりも賃料が低い設定です。
ただし、物件選日を慎重におこなう必要があるでしょう。
レンタルサロンで開業する場合は、自宅開業の次に初期費用を抑えることができます。
時間・日・月単位での料金制です。
また、ベッドや備品が用意されていることもありおすすめです。
ただし、スケジュールが固定化され自由度が低くなるので、他の施設利用者との兼ね合いも考慮する必要性があります。

1-2事業計画を立案する

自分らしい整体院の事業計画を立てます。
整体院のコンセプト・サービス内容・売上目標・経費など、運営に関わる詳細を予測して計画をしましょう。
事業計画書として、開業資金調達にて提出が必要になるので、しっかりと計画を練っておく必要があります。

1-3開業資金の調達をする

整体師の独立開業では、どうしても費用がかかります。
自分で補えない費用の補填先を決めて、開業資金の調達をする場合も考えられるでしょう。
資金の調達で最初に思い出すのは、銀行を中心とした金融機関ですが、貸し渋りなどの問題もあります。
そこでおすすめなのが、日本政策金融公庫です。
国が出資する金融機関で、他の金融機関よりも長期間・低金利の融資が受けられます。
融資先の第一候補として考えておきましょう。

1-4物件を決める

整体院をどこで開業するのか物件を選定します。
とくに賃貸物件を選ぶのであれば、立地やランニングコストなども考慮すべきです。
開業する地域や環境によって異なりますが、駅から近い、駐車場があるなど、自分の希望と予算に見合った物件を探すことになるでしょう。

1-5内装工事をする

物件の契約が済んだら、内装工事に関しても検討を進めます。
内装は、第一印象を重視して、誰もが安心できる設計にすることです。
ヘルスケアの店舗なので、リラックスしながら施術を受けてもらうレイアウトを考えるのがポイントになるでしょう。
できれば内装工事の費用を抑えるために、居抜き物件や好みの近い物件を探すのも方法の一つです。

1-6集客と販促をする

開業する整体院が決定してそれで終わりではありません。
一番肝心なことは集客や販促の準備です。
とくに集客は、人々に浸透するまで時間がかかります。
開業前から早めに準備と対策をしておくことが望ましいでしょう。
ホームページの開設、チラシ作成、名刺作成、パンフレット作成が挙げられます。
最近では、SNSなどで集客をする方法もポピュラーになりました。

1-7備品の調達をする

整体院の中で使用する備品も揃えなければなりません。
施術に関わる主な備品は、以下のようなものがあげられます。

● 施術用ベッド
● デスク
● パソコン
● エアコン
● カーテン
● タオルやシーツ

初期費用として最低数十万円、規模によっては百万円になることも考えられます。
これらの備品は、業者の探し方などによっては格安になる場合もあるので、十分にリサーチして検討することが大切です。

整体師が独立開業するのに必要な届出は

整体師が独立開業するためには、届出書を提出する必要があるのでしょうか。
その際は、どのような書類が必要となるのか気になるところです。
ここでは、整体院を開業するにあたっての届け出・手続きについて解説していきます。

2-1原則として届出が必須ではない

整体師として独立すること自体は、とくに書類などの届出をする必要性はありません。
正確に言い換えれば、開業届を出さなくても罰則が定められていないということです。
ただし、法人として営利目的で開業するのであれば、開業届が必要となります。
また、それにともなって提出する書類もいくつか増えてくることになるでしょう。
独立当初は、まず個人として活動して経験を積み、徐々に法人化へと規模を拡大させていく方法が望ましいでしょう。

2-2開業届と青色申告承認申請書

法人扱いで確定申告を青色申告としておこなうのなら、「開業届」と「青色申告承認申請書」の2つの書類を管轄の税務署へ提出する必要があります。
個人事業主として、所得税の納付について確定申告をするのが義務です。
白色申告としておこなうのならそれでもいいのですが、本格的に青色申告にすると、税制上のメリットが生じるのでおすすめです。
整体院の開業の場合、多くは青色申告が一般的なため、「 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」と「青色申告承認申請書」の両方を提出することになります。

整体院の独立開業に向けて考えるべきアイデアとは

整体師として独立開業した際、メリットはたくさん生まれます。
自分のスキルやセンスを活かしたスタイルの確立、自由度の高い時間の使い方、オリジナルメニューの開発、顧客との独自なコミュニケーションなどです。
雇用されて勤める整体師では得られない可能性を手に入れることができます。
では、自分のスタイルで独立開業して成功するために、以下のような項目に注目していきましょう。

● ターゲットの決定
● ビジネスプランの作成
● 内装コンセプトの決定
● 施術メニューの決定
● 運用コストの見積もり

3-1ターゲットの決定

自分が理想とする整体院は、どのようなターゲットに向けて施術したいのかをを決めましょう。
ターゲットの選定は誤解を招きやすく、顧客を限定して狭めてしまうのではと思われがちです。
実はそうではありません。
しっかりと整体院の施術をしたいターゲットを決めておくことで、将来の見通しもでき、なによりも専門性を磨く指針にもなります。
ターゲットを決めるに当たり、以下の項目を細かくチェックしておきましょう。

● 年齢層
● 性別
● 収入
● 家族構成
● 職業
● 来院動機

これらの想定される人物像、属性を決めて、これらかリピートしてもらいたい顧客イメージを考えておくことは、整体院に限らずあらゆるビジネスの基本となりつつあります。
ターゲットの決定はとても大切な作業なので、怠らずにおこないましょう。

3-2ビジネスプランの作成

ターゲットを決めたら、ビジネスプランの作成に入ります。
簡単にいえば、自分の整体院の方向性・ミッションを決める作業です。
多くの有名企業は、必ず経営理念やビジョンを掲げて運営しています。
たとえ小さな店舗であっても、どのような信条を持って運営したいのかを自覚しておかなければ、間違った方向にいく危険性があるからです。
また方向性を決めることによって、サービス内容・価格・店舗の場所といった次につながる項目が自ずと見えてきます。
法人化する際にも、資金繰りの際には事業計画書の提出が求められるので、自分らしい事業とは何かをここで真剣に考えることが大切です。

3-3内装コンセプトの決定

事前に決めたターゲット向けに、内装のコンセプトも考えましょう。
たとえば「女性向けのサロン」といった漠然としたターゲット設定では、実際のどんな内装や照明にしたいのかが判別しにくくなります。
若年層向け・年配者向けに分けただけでも、空間演出の考え方はかなり変わっていきます。
仕事疲れのキャリアウーマンを中心とした整体院、子育て中の女性のための整体院など、立場や状況も考慮して構想を練ってみると、ベッドやインテリアなども、そのコンセプトにマッチさせるほうが好印象を与えるでしょう。
余裕があれば、キッズスペースや授乳室の設置などもすれば、集客しやすくなります。
ターゲットに応じた内装コンセプトを考えるのも重要なことです。

3-4施術メニューの決定

施術メニューの決定は、その店舗の将来を決める重要なものです。
自分のやりたい得意な施術をベースにしながら、ターゲット顧客のニーズに合わせた内容にします。
価格設定についても、自身のスキルの価値と周辺の市場状況を照合しながら、慎重に決めていくことがポイントです。
そのためにも、当初のターゲット・属性をしっかり決めることが大切で、どのようにアプローチするかによって施術メニューは変わってきます。
もし、高齢者をターゲットにするなら、優しく労わるメニューがいいでしょうし、疲れや痛みへのダイレクトな効き目を求める顧客なら、満足度の高い強さが必要です。
施術メニューは、ターゲットに合わせてラインナップしましょう。

3-5運用コストの見積もり

整体院の運営に不可欠なコストを見積もりましょう。
運用コストとは、経営上毎月必須となる費用のことです。
主に次の項目が考えられます。

● 地代家賃
● 水道光熱費
● 広告宣伝費
● 消耗品費
● 借り入れの返済(融資を受けた場合)
● スタッフを雇う場合の人件費

毎月の売上とは関係なく、必ずコストとして支払うべき項目を、事前に見積もることを忘れてはなりません。
自分の生活費も無理なく収入として確保できるように見積もりましょう。

整体院を独立開業するのに必要な資金は

日本政策金融公庫が発表している「2023年度新規開業実態調査」によれば、開業費用の平均値は1,027万円、中央値は550万円となっています。
個人企業で60.5%、法人企業39.5%です。
公的融資・民間融資に限らず、審査をする際には事業計画が重視されます。
現実的な収益計画と見込みが証明されないと通過が難しくなるでしょう。
それに、日本政策金融公庫での「新創業融資制度」では、一定割合の自己資金が要件です。
つまり、初期費用の10〜30%程度は、自己資金も用意しておくのがポイントになります。
税金(住民税・健康保険料・年金)の滞納、カード利用料の未返済なども審査対象になるので、日頃から注意しておく必要があるでしょう。

整体院の開業費用を抑える方法は

整体院を開業する場合、必要な費用は大きく物件取得費・内装工事費・備品購入費・広告宣伝費の4つとなるでしょう。
これらの4つの視点から、それぞれどれだけ初期の開業費用を抑えられるかがカギとなります。

● 最初は自宅や住居兼店舗などで独立開業し物件費を抑える
● 既存のまま使える物件選びをして内装工事費を抑える
● 施術ベッドや物療機器は中古品から選び備品購入費を抑える
● ホームページは自作し無料SNSやブログを活用し広告宣伝費を抑える

つい、理想の整体師として独立開業したい願望が強くなり、資金が膨らみやすくなります。
いきなりそうするのではなく、徐々に理想へと近づく気持ちでスタートを切ることが節約になりおすすめです。

整体院開業後に必要な資金は

整体院を開業させた後に考えなくてないけないのが運転資金です。
運転資金とは、開業直後から日々発生し続ける資金のことを指します。
先述した運用コストのことを意味し、店舗継続のためにも工夫して捻出していくことになるでしょう。
一般的に運転資金の平均値は、50万円〜80万円程度が相場となっています。
テナントの立地・スタッフの有無・フランチャイズ契約でのロイヤリティの有無など、
開業形態によっても大きく変わっていくのが特徴です。
毎月最低限どのくらいの運転資金が必要で、それをクリアするための売上目標をたてて、賢く運営していく必要があります。

整体院開業後に成功するためのポイントは

整体院開業をした後で、うまく運営し成功するためには、ある程度のポイントを理解して実直にやり続けることが近道です。
では、具体的にどのようなことに注意しながら進めていけばいいのかを解説していきます。

● リピートしやすい適正な価格設定をする
● 定期的に新規顧客の獲得を狙う
● 専門スキルを向上させ続ける
● 顧客満足度を上げ続ける

7-1リピートしやすい適正な価格設定をする

整体師が独立開業するにおいて、成功のポイントのなるのはリピーターの獲得です。
興味本位で施術を受けてくれた新規顧客が、自分の整体院を気に入ってリピートしてもらえることで安定した売上が見込めます。
長期的経営にはリピーターは欠かせない存在です。
まずリピーターの獲得に大切なポイントが価格の設定にあります。
過剰に高すぎてしまうと定期的に来てもらえなくなり、安すぎても利益につながりません。
同業者がどのくらいの価格帯で運営しているのかをリサーチし、利益率や価格などを分析して設定をしましょう。

7-2定期的に新規顧客の獲得を狙う

リピーターの獲得だけではなく、当然ながら新規顧客が来院できるよう定期的に集客に向けた展開が必要です。
フリーペーパーやポスティングなど方法はいくつかあります。
開業資金ほどの費用をかける必要はありませんが、定期的に広告のための費用も考慮し、新規顧客の獲得も念頭に入れておきましょう。
SNSなどを恒常的に使いこなし、費用をかけずに広告宣伝をするのも方法の一つです。
ただし広告宣伝の場合、どうしても営業行為を毛嫌いする人も存在するため、多少のリスクを覚悟しておかなければなりません。
あまり過剰な宣伝やPRをしないよう、ある程度の一線を決めておくことも大切です。

7-3専門スキルを向上させ続ける

最終的に広告や宣伝以上の効果が期待できるのは、自身の専門性とスキルです。
満足できるサービスを提供するために、価格以上の充実した内容だと思わせる工夫をしましょう。
そのためには、常日頃から最新技術や知識の確立などを続けることです。
定期的にセミナーや技術会への参加、人気の理由の分析、足りない箇所の勉強をするなどの地道な努力をしましょう。

7-4顧客満足度を上げ続ける

来院してくれる顧客の満足度を高めるための努力が必要です。
なにをすれば顧客満足度が高くなるのかは、漠然として分かりづらいのですが、整体院を利用する人物は、身体的不調を持っていて、その緩和や回復を願って来院する目的があります。
問題解決こそ普遍的な満足なのです。
コミュニケーションを図りながら信頼関係を構築し、適切な治療によって改善していく様子を実感できるのが理想です。
また、気持ちをリラックスさせる環境づくりも顧客満足度UPを助長してくれます。
技術とコミュニケーション、環境づくりが三位一体になった理想的な店舗を目指すことです。

まとめ

整体師は年々増加傾向にあります。
それだけ世の中には、体調不良で悩みを抱えている人がたくさんいる裏付けになっているといえるでしょう。
整体師の仕事は、施術の基礎や人体の背景をマスターし経験を積み重ねれば、独立開業も夢ではありません。
一般的職業としても認知されていて、正体のキャリアパスも描きやすい職種です。
すぐにでもその気になれば取り掛かることができ、その意義もあるといえます。
運営が軌道に乗っていけば、生涯通じて就ける仕事です。
ただし、競争率も高まり同業他社が増えていく中で、施術の特徴をアピールする工夫が大切です。
独立開業にあたっての理想の整体師像を描き、どのようなポジションの属性に合わせた施術をしたいのかを明確にしましょう。
開業後もやることはたくさんあるので、常に最新情報をチェックしていくことも大切な作業です。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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