エステティシャンやセラピストを目指したい人は、女性を中心に増加中です。
スキルを磨きながら、いつかは自分のサロンで開業・独立を夢見ている人もいることでしょう。
しかし世の中には、エステサロンや整体院、マッサージのお店が乱立していて激戦区となっている場所もあるくらいです。
その中で確実な腕前で独立していくには、あらかじめ計画的に行動し、なによりも正しい知識を得る必要があります。
顧客との信頼関係を築く意味でも、コミュニケーションだけで通用する世界ではありません。
マッサージ・エステ・整体といった言葉の認識と、具体的な運営形態の差も知っておくことです。
とくに整体を勉強するには、国家資格・民間資格などの違いも存在します。
本記事では、整体の業務を中心に、その基本的な内容を紹介する特集です。
整体と他の施術の違いや、必要な資格について解説していきます。
これから整体の技術を身につけたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
整体とは、一般的に筋肉や骨格をバランス面から考えて、不調を改善していく施術です。
骨盤矯正・姿勢矯正などは、整体の中の1つとして分類できるでしょう。
整体師により手技での治療が普通ですが、方法に関する決まりごとはとくに定められていません。
各サロンや整体院によって、アプローチ方法はさまざまに異なってきます。
よく、大きな音でボキボキと骨を鳴らす施術をするタイプもあれば、ソフトな施術をするタイプもあり、最近では、徐々に痛みを伴わない施術のほうが人気のようです。
これから施術を受けてみたいと考えているのであれば、整体院によって施術の特色が違うので、最終的には自分にマッチする施術をしてくれる整体院やサロンを見つけるとよいでしょう。
整体で期待できることは、悪い生活習慣から引き起こる体の不調を、バランスを整えることでをケアする点です。
以下の不調の解消に、効果が期待できると考えられています。
● 首と肩のこり
● 腰痛
● 冷え性やむくみ
● 猫背
● 産後不調
他にも、小顔やダイエットを中心に美容での整体の分野もあり人気を集めています。
整体にて期待できる効果として、リラクゼーションは大きいものです。
自律神経系へのアプローチによってリラックス効果を高めてくれます。
背骨周囲を柔軟にすることで副交感神経に影響を与えることで得られる効果です。
疲労回復・心理的ストレスの解消へと促してくれるでしょう。
肩こりや腰痛にはマッサージが効果的だと、誰しも思いつくはずです。
では、一般的なマッサージと整体とは何が違うのでしょうか。
本来、マッサージをする場合は、国家資格「あん摩マッサージ指圧師」による施術とされています。
要は、あん摩マッサージ指圧師の資格がないとマッサージ店と名乗ることができません。
しかし、ボディケア・リフレクソロジーなど、類似した表記をする店やサロンが点在するのは、国家資格を有していない人物による施術の可能性があります。
これらのマッサージサロンの目的は、心身のリラックス効果です。
実は、マッサージだけでは、不調の原因を正常化することは難しいとされています。
慢性的な痛みや不調で悩みを持つようなら、整体院もしくは整骨院にて詳しく診てもらうほうが無難です。
街中を見渡せば、整体院と看板を出す店もあれば整骨院と称する店もあります。
この表記上の違いにはどのような秘密があるのでしょうか。
ここでは、整体院と整骨院のそれぞれの違いについて解説していきましょう。
双方の違いで明らかなのは、国家資格所有者が運営しているかどうかが分かります。
整体院の場合、開業や施術での必要な国家資格自体がありません。
一般的には、専門スクールに通って理論や実践を学び、経験を積みながら知識を身につけた人物が開業・独立するパターンが目立っています。
あるいは、各種関連団体による民間資格の発行と証明をしている場合もあり、その所有者が施術の認定をされているパターンです。
一方、整骨院は「接骨院」とも呼ばれ、「柔道整復師」の国家資格所有者によって運営されます。
柔道整復師の資格は、高校卒業後3年制以上の養成学校課程を修了し、国家試験に合格した人物へ、厚生労働大臣より認定される資格です。
修了過程の中には、解剖学・リハビリテーション学・整形外科学などの医療分野も含まれ、専門的知識を必要とします。
整体院と整骨院では、施術方法が異なります。
整体院で受けられる施術内容の場合、肩こりや腰痛といった不調に対応し施術をします。
背骨や骨盤の位置を矯正し、バランスを整える施術です。
骨盤などの位置が正しくなることで、血行改善や老廃物の排出が期待できます。
整体師は民間資格所有者がほとんどです。
整骨院で受けられる施術とは、骨・関節・靭帯の損傷への治療をします。
柔道整復師有資格者による、外傷性の痛みへの手技で、症状の改善をする施術です。
骨折・打撲・脱臼・捻挫・挫傷の治療が対象で、ストレッチや電気治療といった医療類似行為もおこないます。
ただし、怪我の内容によっては、整形外科への受診へと促すケースも考えられるでしょう。
整体院との大きな違いは、施術が似ているようでいて、実際は整骨院のほうが医療分野に入り込んでいる点です。
整体院と類似した形態として、カイロプラクティック院と呼ばれるものがあります。
手技で骨格の歪みを調整し、筋肉疲労の軽減や体のバランスや不調を整える技術としては共通した施術です。
また、カイロプラクティックも国家資格はなく民間資格を所持した人物が施術するパターンがほとんどといえるでしょう。
唯一、この2つの違いがあるとしたら発祥です。
整体の場合は、東洋医学をベースにした施術ですが、カイロプラクティックは西洋医学に基づいています。
整体院と整骨院ではどちらを選べばよいのでしょうか。
国家資格の有無や施術内容などで、整骨院のほうが有利に思われがちです。
しかし、症状などから適切な選び方をして、上手に利用することをおすすめします。
リラックス効果を期待したいのなら整体院がおすすめです。
整体院の施術目的の一つは、疲労回復やリラックス効果にあります。
肩こりや腰痛の慢性的症状を緩和させ、一時的にリラックス効果が期待できる施術です。
そのため、根深い痛みの全快や、受傷直後の施術のためにおこなうものではありません。
美容や痩身が目的ならば、整体院にいくとよいでしょう。
整体院では骨盤矯正をしますが、全身のゆがみを整え血行改善を促し、ダイエットや美容に効果が期待できます。
例えばデスクワーク中心の人は、座りっぱなしの姿勢で悩む傾向です。
骨盤が広がることで腰痛を招いたり、内臓の位置が下がって本来の働きが弱まっていくことがあります。
骨盤矯正でゆがみの悪影響を排除でき、ダイエットや美容効果が期待できるでしょう。
打撲や捻挫といった外因性のケガによる痛みを改善させるには、整骨院にて保険適用の上で施術を受けることをおすすめします。
この場合は、慢性の痛みにではなく、発生から1ヶ月以内のケガを対象とします。
他にも、骨折や脱臼は応急処置のみの限定で、その後の措置は医師の同意が必要です。
今後増加が予測できるのは、介護の予防としての施術です。
その際は、柔道整復師の資格を有し、機能訓練指導員として通用する整骨院にいくことが最適です。
高齢者や要支援者を対象に、介護予防・日常生活支援総合事業として、介護予防訓練サービスや個別機能訓練をする整骨院があります。
まず、整骨院として看板を掲げる以上は、柔道整復師の国家資格を所持しておかなければなりません。
一方で、整体院としての運営の場合には、国家資格含めた資格や免許の強制がありません。つまり、誰でも自称で整体師と名乗って運営すること自体は違法ではないのです。
また、現在の認識としては、柔道整復師という国家資格の知名度が低く、整体師という名称のほうが認知されている風潮といえるでしょう。
整体院という名称と整骨院という名称の差は、資格所持者であるかどうかによります。
国家資格を持っていない人物が整骨院として運営することは違法です。
ところが、逆に、国家資格所持者が整体院という名称で運営することはできます。
施術スタイルや考え方などに個人差があり、柔道整復師や鍼灸師でも整体院として開設しているケースです。
また、最近では国家資格である理学療法士が独立し、整体院として開設するケースも増え始めてきました。
つまり、整体院の運営者がすべて無資格だという判別はできず、かなり多様化してきたということです。
先述したように、国家資格を持たない人物が「整骨院」「マッサージ」といった名目で運営すると違法となります。
整体院については、国家資格ではなく民間資格所持者が運営するパターンや、資格を一切持たない人物でも運営するパターンもあるので、現実的には複雑な状態になっていると考えておくとよいでしょう。
そのため、資格には関係なく技術のある施術者も存在し、顧客がリピートしてうまくやっていけている場合も考えられます。
必ずしも国家資格所持者だからといって、施術が自分にマッチするかどうかは、実際に受けてみなければわからないことです。
大切なのは、どれだけ寄り添って適切な施術をしてくれるかを見極めることにあるでしょう。
整体に関する資格はいくつか種類がありますが、大きく分けると民間資格と国家資格があります。
施術の種類や分野によって、自分が希望する資格を選んで取得するとよいでしょう。
ただし、医療類似行為の許可をしているのは国家資格取得者のみです。
整体の国家資格としては「柔道整復師」と「あん摩マッサージ指圧師」の2つがあります。
柔道整復師とは、骨折などを整復する治療行為が認められている資格です。
医師の同意書や診断書があれば、保険適用される特徴もあります。
整骨院・接骨院という名称は、柔道整復師の資格を所持していないと使用できません。
また、必ずしも柔道の有段者や経験者でなければ取得できないというものではありません。
資格取得には、柔道整復師養成の認定を受けた3年制以上の専門学校・短大・大学を卒業し、年1回開催される国家試験に合格することが条件です。
あん摩マッサージ指圧師は、マッサージ分野において業務独占ができる資格です。
「マッサージ」の屋号をつけて独立・開業が許されています。
また、医師の同意のもとで保険適用のマッサージをおこなう際も、この資格が必要です。
資格取得のためには、文部科学大臣もしくは厚生労働省大臣が認定する専門学校・短大・大学にて、3年以上のカリキュラムを履修し、年1回実施される国家試験に合格すれば認定されます。
整体師に向いている民間資格は、かなり多くのものが存在します。
どれが最適な資格なのかは、個人差にもよるため一概には言い切れません。
それに、必ずしも資格を持っていなければ施術ができないというわけではなく、施術の手技を熟知しているのであれば、無資格でも仕事をすることが可能です。
とはいっても、これはあくまでも主観的な考え方にとどまります。
世の中の顧客は、安全で安心できる施術で、かつ効果が期待できるところに頼ってくることでしょう。
その声や反応に対処するには、やはり何らかの資格証明を持っているほうが望ましいといえます。
できれば上述した2つの国家資格のうちどれかを取得するか、まずは民間資格を調べて、自分に適合しそうな資格試験にチャレンジすることをおすすめします。
結論から言えば、整体師に年齢制限はありません。
必要なスキルや知識を身につけていれば、誰でも働き始めることができます。
実際には、社会人になってある程度年月が経過してから、平日夜間や土日に勉強をして整体師になった人もたくさんいます。
つまり、思い立ったときに何歳からでも目指すことが可能です。
一つ注意点としては、施術に体力が必要となるので、なるべく若い頃より整体師を目指して働き始めたほうが、体に慣れやすいでしょう。
ただし、それも一般論なので、興味があり熱意を感じるのなら、すぐにでも準備に取りかかることをおすすめします。
整体師の将来性は、これからも需要が高まると予測できます。
その理由は、国内の人口推移の変動を見ると明らかです。
内閣府が調査した結果では、令和38年になる頃、1億人を割って9,965万人となり、さらに人口は減っていきます。
しかし反面で、老齢化社会の歯止めが利かず、高齢者の人口は右肩上がりとなるでしょう。
令和52年には、全体の38.7%が高齢者で、国民の2.6人に1人が65歳以上となる社会が到来する
とされています。
やがて、高齢化とともに考えられるのが、健康志向の高まりです。
現在でも、団塊世代が医療や健康分野に興味を示し、健康維持のための工夫をし始めている傾向があります。
整体などにも関心や興味を持つ人が増えていて、代替医療として認識し始めています。
整体師として仕事をするためには、資格取得が必須ではありません。
施術ノウハウを理解していれば、無資格でも開業や就職することができます。
しかし、多くの施術者は、実務と技術の証明のために何らかの資格取得をしているケースがほとんどです。
国家資格ではなくとも、民間資格を認定されている整体師もたくさんいます。
整体師になりたい人は、以下の資格に注目して検討してみましょう。
● タイ古式整体セラピスト®資格認定試験
● 整体セラピスト資格認定試験
● 体幹コーディネーター®資格検定試験
タイ古式整体セラピスト®資格認定試験は、タイの古式ボディセラピーの知識を有し実践レベルであることを認定します。
タイ古式整体の歴史、仏教徒の関わり、仏教やタイの伝統に基づいた施術方法、解剖生理の知識、食事療法、体内の流れについての知識が学べます。
資格取得後には、タイ古式整体セラピストとして活動をすることができます。
整体セラピスト資格認定試験は、一般的な整体師としての施術をするために必要な基礎的知識を証明する認定試験です。
カリキュラムは豊富な内容で確立され、整体の歴史、開業方法、料金設定、人体の構成、神経、血流や血液、骨格や関節といった本格的な概要が盛り込まれています。
試験に合格すれば、整体セラピストとして自宅での施術や、カルチャースクールなどで講師活動をすることも可能です。
体幹コーディネーター®資格検定試験は、体幹に関する専門性や実践レベルを有したことを認定する資格です。
現代人の多くにありがちな猫背による悪影響や骨盤と姿勢の関係、ダイエットとの関係など、体幹バランスの専門的知識を有していることを証明します。
また、姿勢を正すストレッチやヨガの知識、良い立ち方・座り方・歩き方なども学ぶことができるでしょう。
美しい姿勢を保つ方法を通じて、生活リズムや習慣を改善する提案もできます。
資格取得後には、体幹コーディネーター®として活躍が期待できるでしょう。
現代病とともに整体師はますます増加傾向にあります。
体の不調などで悩みを抱えている人が、世の中にはたくさんいることの裏付けにもなっている現象です。
また、医療行為となると敷居が高く資格や免許取得が困難だというイメージと違い、整体師の仕事は、しっかりと施術の基礎や人体の背景をマスターすれば、資格取得も夢ではありません。
職業としても認知されているので、独立や開業などのキャリアパスも描けるのが魅力です。
年齢制限や性別などの限定も一切なく、自分がやりたいと思ったその時からすぐに準備ができます。
実力や努力によって、生涯通じて就ける仕事にもなるでしょう。
ただし、多くの人々が注目しているということは、それだけ競争率も高まり、似たようなサロンや整体院も乱立していくと考えられます。
同業他社が増えていく中で、どのような施術と特徴をアピールするのかが問われてくるはずです。
まずは、整体師になりたいと決めた以上、しっかりと技術の向上に努め、経験を一つでも積み上げながら最新情報を得ていく姿勢を持ち続けましょう。