
リフレクソロジーは、足裏へのアプローチで体調を整える民間療法として知られています。
その効果を期待するためには、正しい施術方法や注意点を確認し理解する必要があるでしょう。
今では人気のリフレクソロジーは、自分ひとりでセルフケアができることでも人気があります。
とくにセルフリフレクソロジーをする場合に、どのようなポイントを押さえて注意すればよいのでしょうか。
足の裏にあるつぼの位置なども、確認しておきたいところです。
本記事では、リフレクソロジーの基本的なやり方と注意点を解説します。
リフレクソロジーに興味があって自分でもやってみたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
リフレクソロジーとは、足の裏に分布する反射区(ゾーン)と呼ばれるつぼをマッサージする施術です。
足の裏を優しくタッチしながら展開するだけで、体全体の内臓器官に働きかける効果に注目が寄せられています。
ここでは、リフレクソロジーとは何かについて基本的概念を解説していきましょう。
リフレクソロジーは、「第2の心臓」とされる足裏の反射区を刺激し、血液やリンパの滞った流れをスムーズに促すことができ、各内臓機能を活性化するマッサージ方法です。
ネーミングは、「Reflex(反射)」と「-logy(学問)」をかけ合わせた「反射学」という意味として誕生しました。
足裏の反射区とは「ゾーン」とも呼ばれ、古来から伝わる足つぼの概念も加わり、周辺を指でくまなく撫でることによって、人体が備えている本来の自然治癒力を活かしていくのが基本的な考え方です。
あくまでも、施術はつぼに圧を加えるというよりも、優しく撫でるような進行をします。
リフレクソロジーが誕生したのは、1917年のアメリカとされています。
医師であるウイリアム・フィツジェラルド博士の書いた論文で、足裏の反射点(つぼ)が各内蔵器官とのつながりを持ち反応を示すことを発表したことからです。
その理論は時代とともに体系化されていき、1938年に、理学療法士ユナイス・イングハム女史が反射区図と手技方法を改めて発表しました。
現在よく目にする足裏に分布されている反射区マップは。この時に公開されたものをルーツにし、現在に至っていると思われます。
さらに、欧州では看護師などが医療現場での実践を試みだし、少しづつ改善も加わって確立していったとされているのです。
どうしてもリフレクソロジーのイメージは、中国などの東洋がルーツと思われがちですが、実はそうではなく、米国の概念が台湾などに渡ってブームを巻き起こし、日本にも紹介されたという流れのほうが正しいといえます。
リフレクソロジーでは、足裏にある「反射点(つぼ)」の周囲も含めて「反射区(ゾーン)」と呼んで施術をします。
反射区は、全身の臓器や器官に通じていることが、古来より伝わっていて、その考え方も応用された民間療法として確立しました。
反射区への刺激は極めて優しめなので刺激というほどではなく、むしろ撫でる感覚の施術をします。
ただ足の裏を撫でるだけで、臓器や各器官によい影響を与えるというものです。
では、リフレクソロジーによって見られる効果とは何かについて解説します。
おもに以下のような効果が期待できるでしょう。
● 体温を高める効果
● 病気予防につながる効果
● リラックス効果
● 美容効果
● ストレス解消効果
● ダイエット効果
● むくみ解消効果
リフレクソロジーをおこなうことで、体温を上げる効果が期待できます。
足裏は心臓から最も遠い位置にあり、老廃物が溜まりやすい箇所です。
足裏を揉むことで、ポンプのような役目を果たします。
心臓から流れてきた血流が心臓に向かって押し戻され、全身の血流循環が整うことで体温が上昇する仕組みです。
体温が1度上昇すると、免疫力が向上するとされています。
リフレクソロジーを習慣化し続ければ、体温も健全な状態まで上昇し、体全体の機能にもよい影響を与えるでしょう。
リフレクソロジーの施術の習慣を持てば、普段から病気予防対策にもなる期待ができます。
風邪などを中心とした病気から身体を守るには、免疫力を高める必要があるでしょう。
リフレクソロジーによって、体内に侵入したウイルスや細菌といった病原体、悪い細胞などからガードを固められる体質に変わっていきます。
免疫力低下は、ストレスや不規則な生活などの要因が複雑に絡むことが原因です。
免疫力を保つために自律神経のバランスが大切で、副交感神経と交感神経のバランスが均衡にとれている必要があります。
リフレクソロジーをおこなうことで、自律神経バランスを整えられるとされているのです。
また、自然治癒力を呼び覚ます効果も期待できるでしょう。
リフレクソロジーによってリラックス効果が期待できます。
施術方法自体が、足裏の反射区へ心地よい圧力を加えるため、手の温もりや安心感に近いものを実感できるからです。
施術中には、脳内にてアルファ波の割合が高まっていたことが科学的に証明されています。
アルファ波は、脳がリラックスできている状態に入ると起こる波長です。
痛みもほとんどないため、優しいタッチでの施術で心もリラックスできるでしょう。
リフレクソロジーを継続していけば、美容効果にも期待できます。
血の巡りが良好になるということは、新鮮な酸素が体内を循環し代謝が向上していくはずです。
正常な肌のターンオーバーを繰り返すためにも、正常な循環を得る必要があるでしょう。
乾燥などの外部からの刺激で肌トラブルが起こりやすい時にこそ、肌代謝を上げる血行改善が必要です。
足裏の反射区をよくマッサージすることで新陳代謝が高まり、内臓機能も活性化されます。
それにより、次第に美肌効果も期待できるでしょう。
リフレクソロジーは、精神的なストレス解消の効果も期待できます。
反射区への心地よいアプローチは刺激というほどの激しさではありません。
むしろ擦るような優しさに包まれる感覚です。
そのため、施術を続けると徐々に自律神経が整って、深いリラックス感を覚えることでしょう。
ストレスは次第に解消されていきます。
これは「幸せホルモン」の分泌を促進しているためです。
リフレクソロジーの心地よさは、エンドルフィン・オキシトシンなどの「幸せホルモン」の分泌を促します。
幸せホルモンが増えることで、休息したい時にスイッチの切り替えができるようになり、心身の疲労回復に誘うのです。
優しいリフレクソロジーの施術で、副交感神経を優位にして幸福ホルモンを分泌させれば、ストレス解消されやすくなります。
リフレクソロジーの施術は、ダイエットの効果にも期待できます。
ダイエットを成功させるためには、体質改善をして太りにくい身体をつくることが重要です。
足裏のマッサージを通じて老廃物を流しだすことで、内蔵機能の働きを活性化させる効果を引き出し、血流改善・リンパの流れの改善もできるようになるので、基礎代謝も向上します。
結果として脂肪分解機能も向上するので、ダイエットへも大きな期待ができるのです。
リフレクソロジーの施術は、足のむくみを解消する効果が期待できます。
リンパの流れや血流が良くなることで、酸素や栄養素を正常に運んでくれるからです。
同時に老廃物も排出するように流され、滞リも次第に解消されるでしょう。
そこで足裏を刺激し、下から上にしっかり体液を押し上げることで血流がアップし、むくみリンパの流れや血流の滞りは、代謝を落としてしまい脂肪を蓄積するきっかけになります。
やがて、セルライトという塊になって留まってしまいます。
セルライトやむくみが起きない健全な脚にするためにも、リフレクソロジーを試してみましょう。
リフレクソロジーの流派には、大きく「英国式」「台湾式」の2種類があります。
どちらも足の裏に焦点を当ててマッサージすることでは共通ですが、施術方法が微妙に異なります。
ここでは、2つのスタイルの概要などについて解説しましょう。
リフレクソロジーの基本的な施術は、英国式がベースになっています。
アメリカで誕生したリフレクソロジーに早い時期から注目し、看護師を中心にしながらデータ収集・実証研究が続けられてきました。
しかも保険医療としても公認されています。
英国式リフレクソロジーの特徴は、無痛という点です。
指の腹で適度な圧による施術で、癒し効果が期待できます。
日本に輸入されたのは約20年前で、元キャビンアテンダントの女性が、専門店舗を都心などの駅近くに開店し、次第に広まっていきました。
台湾式リフレクソロジーの由来は、スイス人宣教師が布教活動で赴いた際、持病を克服したことによります。
その手法を台湾の人々へ伝えていくうちに、全土に広まりました。
現在では、数多くの足ツボサロンが軒を連ねるようになり、ポピュラーな民間療法として親しまれています。
台湾式の特徴は、東洋医学の経絡やツボの要素をミックスした点です。
強い刺激による施術内容で、ピンポイントによるつぼへのアプローチをします。
台湾式リフレクソロジーと類似したような、中国式・タイ式といった名目でのマッサージサロンも多く見受けられます。
これらは、台湾式の施術をベースにしながら徐々に独自の解釈で別れた流派と思えばよいでしょう。
タイ式は台湾式よりもソフトな施術が中心です。
一方で、中国式は強めなタイプですが、店舗の方針によって差があり、実際には線引がかなり複雑になってきています。
施術の準備として用意しておくものがあります。
以下のものをあらかじめ揃えておきましょう。
● フットバス(両足が入るサイズの洗面器やバケツなど)
● 蒸しタオル(濡れたタオル)
● クリームもしくはオイル
施術前には手足を温めます。
理由は血行をよくして効果をさらに引き出すことが目的です。
足にはお湯を注いだフットバス(両足が入る容器ならなんでも可)を用います。
温度としては40℃くらいがよいでしょう。
手も蒸しタオル、お湯で濡らしたタオルで温めます。
手足を温めたら、足裏にクリームやオイルを塗ります。
クリームやオイルを塗る理由は、施術時での皮膚の摩擦を軽減させるためです。
滑りがよくなるため施術がスムーズにおこなえます。
使用するクリームは、可能であればマッサージ用クリームがおすすめです。
もしなければ、一般的なボディクリームやオイルでも構いません。
リフレクソロジーの施術は、自宅で簡単にチャレンジすることができます。
ここでは、初心者でも実践できるリフレクソロジーの基本的なやり方を解説しましょう。
施術に入る前に、ふくらはぎや足首をほぐしておきます。
血液や老廃物の流れを容易くする意味があり、先行してもみほぐしましょう。
こむら返り防止にもなります。
次に、イスに座るか床に腰を下ろし、足を片方をもう片方の膝にのせ足首を回しましょう。
足首の甲を伸ばしてストレッチしたり、ふくらはぎも併せてやさしくもみほぐします。
リフレクソロジーのs絵術を始める際は、原則として「土踏まず」部分から円を描くようにマッサージします。
土踏まずから始める理由は、多くの反射区が集まっているためです。
とくに胃や腸などの消化器系が集中しています。
この部分を適切に指圧しておくと、老廃物などの排出をしやすくなるからです。
土踏まずのマッサージのやり方は以下のような流れになるでしょう。
● 胡座をかきます
● 握りこぶしを作り、人さし指から小指の第二関節全体で土踏まずを押しましょう
● 両手の親指の腹で、気持ちいい感覚のつぼを重点的に押します
土踏まずのマッサージは、胃腸の改善、ストレス緩和、腰痛緩和などに効果的です。
土踏まず全体をほどよくマッサージし終えたら、次第に足裏全体のマッサージに移ります。
かかと方面はおもに下半身の器官と関係している箇所です。
おそらく、固い部分も向けられやすいので、しっかりとマッサージしましょう。
親指から小指方面は末端神経が集中していて、より痛みが強く反応する箇所です。
おもに首・肩・頭などの反射区で、肩こり、ストレス解消に効果が期待できます。
もし、精神的疲労を感じる場合は、丁寧に刺激するとよいでしょう。
やがて、反射区の相関図(マップ)を参照にしながら、気になるところをゆっくりマッサージします。
土踏まず以外の箇所については、順番はあまり考えなくても大丈夫です。
足の裏にはほぼ人体の全箇所に通じる反射点・反射区が分布しているとされ、リフレクソロジーでは、各ポジションを理解した上でマッサージをするのが流儀です。
ここでは、足のマッサージでマストとなる代表的な反射区、その施術方法を解説します。
もし、不調を感じている箇所があれば、チェックしながら実践してみましょう。
腎臓や膀胱など老廃物の排出にかかわる反射区です。
位置としては、土踏まず中央上部からかかとの内側のつけ根くらいまでの範囲が該当するでしょう。
先述したように、土踏まず周辺はスタート時に必ずマッサージします。
力を均等に考えて指をすべらせるように圧を加えていきましょう。
方向としては、両足裏の真ん中よりやや上から内側下にかけて進行していきます。
基本的に肩こり改善に効果が期待できる反射区は、指の付け根の下、足裏で最も隆起した部分です。
親指から小指方向へとマッサージします。
また、この箇所は肺にも関係した反射区です。
普段から肩こりに悩んでいる人は、この部分が固くなっているか押すと痛みを感じるでしょう。
丁寧にマッサージしてください。
甲状腺は代謝に関係が深くあります。
反射区の位置としては、親指と人差し指のちょうど間、足裏で最も隆起した箇所です。
親指の真下あたり全体と捉えて、よくマッサージしてみましょう。
手指をあて半円を描くようになぞっていくと施術しやすいはずです。
栄養の吸収、排せつなどに関係した消化器系の反射区は、土踏まずの中央をかかと側に向けたゾーンです。
小腸や大腸に該当します。
やや強めな刺激でもよいでしょう。
大腸は、土踏まず中央からコの字を描くように圧を加えて進行します。
ここも土踏まずの部分に該当するため、リフレクソロジーの方法としては最初の段階でおこなう箇所です。
足の指部分のほとんどが脳・首・耳・目・鼻など頭部の器官に関与した反射区です。
つまんでこねるようにマッサージしたり、引っ張るような施術をします。
足の先端部分なので少し痛みが走るかもしれませんが、足指のつけ根から上に向かって1本ずつもみほぐしていきましょう。
リフレクソロジーの施術の上では、いくつかの注意点があります。
以下の内容に十分気をつけるようにしましょう。
● 食後30分程度は、消化器官に血液が集中するため施術をしないこと
● 飲酒後のマッサージは、血流が異常に上がるため施術をしないこと
● 妊娠中での施術に関して実証データがないため、担当医師の指示に従うこと
● 血行促進による影響を受けやすい状態では施術を避けること
血行促進に影響がある状態とは、心臓病や高血圧などの疾患が該当します。
また、リフレクソロジーの施術後は、水分をこまめにとることです。
普段より多めに摂取し、老廃物を体外へ排出する意識を持ちましょう。
リフレクソロジーは、現在多くの人々にも浸透している民間療法です。
中国やエジプトなどのユーラシア大陸の古代文明の時代から、足の裏のつぼを利用した医療行為が存在していて、各地にて独自に歴史を重ねていきました。
最も確立したのが中国とされていますが、足の裏の反射点を強い刺激で指圧するという足つぼマッサージのような概念です。
リフレクソロジーの場合は、20世紀に入って米国の医学博士が研究し体系化した施術で、優しいソフトなタッチでおこなわれます。
足裏に分布している反射区全体を捉え、癒し効果も期待している施術です。
比較的手軽にできる施術なので、やり方や注意点を守りながら習慣化することができるでしょう。
もし体調がすぐれないなど気になることがあるようなら、リフレクソロジーの方法をマスターして実践してみることをおすすめします。