リフレクソロジーと足つぼマッサージの違いとは?

リフレクソロジーと足つぼマッサージの違いとは?

記事作成日:2025.03.14
リフレクソロジーと足つぼマッサージの違いとは?

手の指を駆使する場合やアイテムを利用しながら、足裏マッサージをする施術があります。
それらは大まかに「足つぼマッサージ」、もしくは「リフレクソロジー」と呼ばれ、ポピュラーな民間療法として成立してきました。
しかし足つぼマッサージとリフレクソロジーとの違いや共通項などは、あまりよく理解していないという人も目立つようです。
そこで本記事では、リフレクソロジーと足つぼマッサージの概要や双方の違い、向いているタイプなどを解説していきます。
足裏マッサージ全般について興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

リフレクソロジーとは

リフレクソロジーと足ツボマッサージでは、一見すると同じ施術のように思われがちです。
しかし双方には決定的な違いがあります。
リフレクソロジーは、反射区(ゾーン)と呼ばれるつぼ周辺の面を押圧する施術ですが、足つぼマッサージでは、つぼそのものをピンポイントに刺激する施術です。
この施術方法の違いは、受ける側の心地よさに影響します。
まずは、リフレクソロジーとは何かについて解説していきましょう。

1-1反射と学問の語呂合わせの造語

リフレクソロジーとは、「Reflex(反射)」と「Logy(学問)」という単語をミックスさせた造語で、「反射学」という意味として誕生しました。
手法の特徴は、足の裏に広く分布しているつぼを、やや広めに捉えた反射区(ゾーン)と呼ばれる末梢神経の密集したエリアを、程よい力加減で刺激します。
各反射区に対応した内臓器官の機能に効果を与え、自然治癒力や免疫力を向上させる目的での施術です。

1-2リフレクソロジーの歴史

リフレクソロジーの発祥は、1917年のアメリカからとされています。
医師のウイリアム・フィツジェラルド博士が発表した論文によって、足裏のつぼと各内蔵器官とのつながりが体系化されたことからです。
1938年には、理学療法士ユナイス・イングハム女史が反射区図、手技法を発表します。
足裏に分布した反射区の位置を示したマップは。この頃から公開されて現在に普及していたものと考えられるでしょう。
イングハム女史の与えた影響は、さらにヨーロッパの看護師など医療現場の女性たちが活用し普及しながら、少しづつ新しい流派も誕生していったとされています。
やがて、ジョセフ・オイグスター神父の概念が台湾に渡ってブームになりました。
1980年頃より、台湾式リフレクソロジーの原点として発展していきます。

1-3リフレクソロジーによるおもな効果

リフレクソロジーは、足裏に分布するつぼ周辺を「反射区(ゾーン)」と呼び、全身の臓器や器官に反映しているといった考え方をする民間療法です。
足裏を中心とした反射区を優しく刺激して、臓器や各器官に働きかけます。
自然治癒力を高めて機能の改善をはかる方法です。
おもに以下のような7つの効果が顕著とされています

● 体温を上げる効果
● 病気になりにくくなる効果
● リラックス効果
● 美容効果
● ストレス解消効果
● ダイエット効果

反射区のマッサージでは、つぼを点で刺激するんではなく、広い面として捉えて優しく圧を加えていきます。
おもに親指の先と第一関節の裏を使って、押しすべらすような動作です。
手順に細かいルールはありませんが、一つだけあるとしたら腎臓・尿管・膀胱のつぼがある「土ふまず」周辺からマッサージをはじめていきます。

1-4リフレクソロジーはさらに2種類に分類される

リフレクソロジーは、大まかに2種類に区分されます
日本でリフレクソロジーと耳にした場合、「英国式リフレクソロジー」と「台湾式リフレクソロジー」の2つが有名です。
一般的に優しいソフトタッチでゆっくり時間をかける施術は英国式で、つぼを中心にやや強めなマッサージをするのが台湾式とされています。
英国式は特徴的でわかりやすいのですが、台湾式に関しては流派や施術者の考え方などでさらに細分化され、はっきりとした区別をするのが難しいほど複雑化してきました。
「東洋式」と謳ったリフレクソロジーは、他にも「タイ式」のものもあります。
これも施術の強さに微妙な差があり、台湾式と比較するとソフトな施術ですが、基準があるようでないのも特徴です。
もし、本来の優しいタイプのマッサージを希望するのであれば、英国式を謳っているサロンや施術院などを選択するとよいでしょう。

足つぼマッサージとは

リフレクソロジーと足つぼマッサージとでは、施術方法や歴史に違いがあります。
共通項目も多いのですが、微妙な違いも明らかです。
ここでは、足つぼマッサージの概要を解説しましょう。

2-1刺激が強いつぼ押しの施術

リフレクソロジーが、反射区を広めに捉えてゆっくり施術するのに対し、足つぼマッサージは一点集中型の施術です。
反射区ではなく反射点(本来のつぼ)を押していく概念のほうが強いやり方といえます。
刺激も強めで、押す箇所によっては激痛が走る場合もあるようです。
個人差もあるため絶対的に痛いというわけではないのですが、リフレクソロジーより強い刺激が特徴とされています。

2-2足つぼマッサージの歴史

足つぼマッサージの歴史はリフレクソロジーよりもはるか昔へ遡ります。
起源は、おそらく中国だろうとされていますが明確ではありません。
世界中に足つぼを押す民間療法が点在したともされているからです。
いづれにしても、2000年以上前からつぼ押しが治療として考えられていました。
つぼを刺激する施術が確立し、ポピュラーなのは中国式のマッサージです。
現在では世界保健機関(WHO)が施術を公認し、つぼの位置なども世界統一されました。

2-3足つぼマッサージによるおもな効果

足つぼマッサージによる効果も、リフレクソロジーと同じような改造器官への働きかけが中心です。
類似点は多く見受けられますが、アプローチが内臓器官へのダイレクトなものなのが特徴といえます。
足つぼマッサージの効果は以下のような内容です。

● 内臓器官の活性化
● 血行促進
● 新陳代謝の活性化
● 自然治癒力の向上

血液は心臓から全身に送られますが、末端まで流れた血液も再び心臓へ戻ります。
重力に逆らいながら血液を送り返すためには足の筋力が必要です。
そのため、足を刺激することにより血液循環がしやすくなります。
足のむくみ軽減にもなるでしょう。
また、ストレスや疲労感によって自然治癒力も衰えている時に、足つぼを刺激することで、自律神経の働きにアプローチします。

リフレクソロジーと足つぼマッサージの違い

リフレクソロジーと足つぼマッサージは、足裏を対象としたマッサージとして共通です。
しかし、具体的な施術方法や対象箇所などに微妙な違いがあります。
ここでは、リフレクソロジーと足つぼマッサージの相対的な違いを解説していきましょう。

3-1起源と歴史の違い

リフレクソロジーと足つぼマッサージとでは、発祥と歴史に差があります。
リフレクソロジーのほうが、まだ登場してから新しい施術です。
アメリカ人医師のウィリアム・フィッツジェラルド博士が、1917年に提唱したことがきっかけとなりました。
人体を10個のゾーンに分けて考える「ゾーンセラピー」という概念で、手術の際、患者の多くが痛みをこらえる動作として、手や足をベッドに押しつける様子を見て、反射区の存在に気づいたとされています。
ただし、博士はゾーンセラピーの原型となる考え方は、すでに5000年前のインドや中国に存在していたと公言しているのも特徴です。
対して、足つぼマッサージとは、東洋医学的観点から、中国での2000年の歴史の中で確立された施術とされています。
足裏に点在するつぼに注目した治療が当時からおこなわれていたそうです。
足裏の60〜70程度あるという足つぼを刺激し体調を整えます。
リフレクソロジーは西洋医学的、足つぼマッサージは東洋医学的と認識すればよいでしょう。

3-2施術方法での違い

リフレクソロジーと足つぼマッサージでは、施術方法の違いが顕著です。
リフレクソロジーでは、足裏の反射区を撫でるように優しく刺激します。
一方、足つぼマッサージでは、「経穴」という反射点(つぼ)を親指の腹でピンポイントに指圧する方法です。
エリアと面で刺激するリフレクソロジーと、点で刺激する足つぼマッサージという大きな違いがあります。
どちらが優れていて、どちらが劣っているのかの線引はできないでしょう。
効果については個人差も生じやすく、好きな方を選択すればよいことです。
例えば、リラックスできる優しいマッサージならリフレクソロジーがおすすめで、やや痛いほうが充足感が得られるのなら足つぼマッサージを選べばよいでしょう。

3-3対象箇所での違い

リフレクソロジーと足つぼマッサージでは、施術箇所に違いも見られます。
どちらかといえばリフレクソロジーのほうが広範囲で、ふくらはぎ・顔・手・耳などの反射区にも施術をします。
足つぼマッサージに関しては、足裏にある経穴を刺激することに集中した施術です。

3-4効果の違い

リフレクソロジーと足つぼマッサージとでは、効果にもすこし違いがあります。
末梢神経が集中した反射区への刺激で、心身リラックスを促すのがリフレクソロジーです。
一方で、足つぼマッサージは、内臓器官の機能改善、血行促進、デトックスなどの効果を狙っておこないます。
どちらも、疲労回復や体調を整える意味では共通な考え方に則っています。

リフレクソロジーと足つぼマッサージの共通点

リフレクソロジーと足つぼマッサージは違いが目立ちますが、共通点も見受けられます。
どちらも、足裏にある反射区や経穴を刺激することで、心身を整える健康法です。
足裏にある反射区や経穴の位置もほぼ類似していて、足指の末端に向かうほど頭・首などの上半身に該当し、かかとに向かうほど下半身に該当しています。
施術のスタート地点も一緒で、必ず「土踏まず」の部分からおこないます。
土踏まずには、胃腸・膀胱などの消化器系のつぼや反射区があるため、それらをマッサージすることで代謝を促す意味では共通な考え方です。
また、不調がある箇所は痛みが生じ、その部分を中心に施術します。

リフレクソロジーが向いているタイプ

足つぼマッサージとリフレクソロジーとでは、施術方法などで微妙な違いがあります。
そのため、どちらが向いているかは個人差が生じるでしょう。
ここでは、リフレクソロジーが向いているタイプはどのような人なのかを解説していきます。

5-1痛みに弱い人

マッサージで生じやすい痛みが苦手な人は、リフレクソロジーの施術のほうがおすすめです。
足つぼマッサージの場合、原則として強い刺激でのピンポイントな指圧になるため、つぼによっては激痛を感じる場合があります。
一方で、リフレクソロジーは、優しくソフトに包み込むような感触で施術するので、痛みをほとんど感じることはありません。
心地よさのほうが優先となるマッサージです。

5-2癒されたい人

リフレクソロジーは、マッサージで癒やしを求めている人に向いています。
施術方法がソフトなタッチによるところから、自然とリラックスできるようになるでしょう。
施術中に眠ってしまう人も多いと聞きます。
基本的に、心地よさを追求した施術でもあるので、ストレスを和らげて疲労を軽減するなどのメリットも見受けられるのです。

5-3本格的な技術の入門編として学びたい人

これから何かの技術を身につけて将来役立てたい人は、足つぼマッサージよりもリフレクソロジーを先に学ぶほうが理想的です。
もちろん、足つぼマッサージの技術を習得することも悪くはありませんが、かなりの道筋を経ていく必要性があります。
つぼを指圧する医療行為は国家資格に該当するため、そのための専門的知識を得るのに年数やコストがかかるでしょう。
一方で、リフレクソロジーは今のところ民間療法として認められている状況なので、その気になれば、比較的時間もかからずコスパもよいからです。
まずはリフレクソロジーの技術や知識を得てから、やがて足つぼマッサージの知識へとチャレンジするのがベターです。

リフレクソロジーが向いていないタイプ

一見すると、心地よさげでメリットが多そうなリフレクソロジーですが、実はリフレクソロジーにも向いていないタイプがあります。
では、どのような人が不向きなのかを解説していきましょう。

6-1血行促進で悪影響を受けやすいタイプ

血行促進によって悪い影響を受けやすい状態の人は、リフレクソロジーの施術は控えておきましょう。
具体的には、高血圧・心臓疾患などを患っている状態です。
まずは、専門医などに相談をしてから判断することが大切でしょう。

6-2妊娠中の人女性

現在妊娠中の女性は、リフレクソロジーを控えておくほうがよいでしょう。
厳密にいえば、妊娠時にどの程度の影響があるのかが未知数であり、リフレクソロジーの施術が良いか悪いかがわからないからです。
反射区への刺激によって、妊娠時での影響がどう現れるのかは、十分な研究がなされていません。
妊娠中の女性の場合も、担当医師の指示に従ってから判断することです。

足つぼマッサージが向いているタイプ

リフレクソロジーの優しいタッチに向いているタイプがあるのなら、足つぼマッサージのほうが向いていると感じるタイプの人も存在します。
ここでは、足つぼマッサージに向いているのは、どのような特徴があるのかを解説しましょう。

7-1多少の痛みに充足感のあるタイプ

マッサージと聞けば心地よさが優先ではありつつ、そのための多少の痛さも求めているタイプは、足つぼマッサージのほうが向いています。
リフレクソロジーは優しいタッチですが、それではやってもらった感覚がないと不満がある場合です。
マッサージは多少の痛みがあるほうが施術の効果を実感できてすっきりするという人は、イタ気持ちよさがある足つぼマッサージにこそ充足感を得られるでしょう。
心身がリラックスしたい人

7-2施術後のリラックス効果を期待する人

足つぼマッサージは施術中に痛みを生じることがあり、その段階ではリラックスできる状態には入れません。
しかし施術が終わってしばらくすると、足元の軽さや身体の温まってくる感触があるので、リラックスできる施術です。
その効果を期待して、施術後のリラックス感を求めている人におすすめできます。
例えば、就寝前に足つぼマッサージをおこなえば、スムーズな眠りへと誘えるでしょう。
足つぼマッサージで、老廃物を流し出して代謝を改善するため、むくみ・冷え性・疲労。体全体のだるさなどを解消することができます。

7-3健康志向でケアを重視する人

足つぼマッサージを好む人の傾向は、癒やされることよりも日常的に健康に気を使いたいタイプです。
足裏のつぼの各位置が臓器・器官につながっているので、ピンポイントで刺激を与えることにより効果を期待できます。
両足の親指には頭や脳、人差し指・中指の付け根は目といったように、各つぼに対応した場所をケアすることができるからです。
もし日頃から気になる不調が思い当たるようなら、その部分に該当する足つぼをマッサージするよう習慣化してみるとよいでしょう。

足つぼマッサージが向いていないタイプ

足つぼマッサージにも不向きなタイプがあります。
ただし、リフレクソロジーの不向きなタイプと共通です。

8-1血流での影響がよくないタイプ

足つぼマッサージに不向きなのは、高血圧・糖尿病・肝臓病・心臓病といった持病がある人です。
血流がよくなることでかえって病状悪化に陥る危険性があるからです。
ただし病状にもよりけりなので、必ず専門医に相談してから判断しましょう。

8-2妊娠中の女性

妊娠中の女性にも施術はおすすめできません。
先述したリフレクソロジーでの理由と一緒です。
現在のところ、足裏の反射区やつぼへの刺激による妊娠時の影響は研究成果がでていないため、どのような状態になるのかが明らかになっていません。
よって、不用意におこなわないほうが無難です。

8-3飲酒前後すぐの状態

お酒を飲む前、飲んだ後の施術は注意が必要です。
足つぼマッサージでの血行促進が、飲酒による状態によい影響を与えないと思われます。
少なくとも飲酒前後では、2時間以上の時間を空けてから施術することです。

まとめ

リフレクソロジーと足つぼマッサージは、ともにマッサージの分野にて人々に浸透してきた施術方法です。
発祥地や重ねた歴史背景には差がありますが、足の裏を中心した反射区・反射点という考え方自体は共通で、全身の内蔵器官と関わる重要なポイントとして捉えています。
リフレクソロジーの場合は、優しいソフトを主流に時間をかけておこなう施術です。
足裏に分布している反射区へのアプローチは、激しい圧をかけないことがモットーで、癒し効果も狙った施術といえるでしょう。
一方で、足つぼマッサージは点を捉えた集中的指圧なので、箇所によっては痛みを感じます。
その痛みも徐々に慣れてくるため、施術後の爽快感がある方法です。
また、習慣化できる手軽さも人気の理由となっています。
どちらの施術が良いか悪いか全く線引きがされていないので、自分の好む施術タイプを最終的に選択してみるようにしましょう。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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