
ハンドリフレクソロジーは、手のひらに点在する反射区を対象にした健康改善や維持のためのセラピーです。
足裏の反射区と同様に、手のひらにも全身の内臓器官に通じた反射区が存在します。
その反射区を程よい圧で刺激することにより、全身機能の活性化を図ることが狙いです。
本記事では、ハンドリフレクソロジーについて特集します。
ハンドリフレクソロジーの基本概念、おこなうメリット、注意点、基本的な施術方法などを解説していく内容です。
ハンドリフレクソロジーに興味を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
リフレクソロジーと耳にすれば、足裏の反射区に対する施術を思い出す人は多いかもしれません。
実は、リフレクソロジーの場合、足裏以外の場所にも効果を期待できる反射区があり、その一つが手のひらです。
足裏への施術と同じように、軽く圧を加えていくもので、比較的安全におこなえます。
ここでは、ハンドリフレクソロジーの概要について解説します。
反射区と呼ばれるものは全身に点在しています。
その中でも、末梢神経が集まる部分には集中しているのも特徴です。
末梢神経の場合、足裏・頭・手のひらに多く見られることがわかってきました。
そのため、手に分布した反射区を刺激することによって、副交感神経系へ影響を与え、脳脊髄液の循環を促進し、脳内物質分泌を促す効果が期待されています。
足裏リフレクソロジーと同様に、ハンドリフレクソロジーでもほぼ効果が得られるのです。
ハンドリフレクソロジーでは、施術する部位は手の平や手の甲、腕に限定されてきます。
手には、全身の内臓器官に密接したつぼと反射区があり、それらを刺激すると全身の調子を整えられることがわかってきました。
手のひらを触って少し押してみると固差を感じる場合や、痛みを感じることがあります。
その部分に通じた内臓に不調がある可能性も考えられ、ソフトに刺激することで不調緩和に効果が期待できるとされているのです。
また、リフレクソロジーと「つぼ押し」を混同されることが多くあります。
ピンポイントで強い刺激を与えるのがつぼ押しなのに対し、リフレクソロジーは、つぼ周辺を面として捉えて優しく刺激する施術です。
ソフトな刺激によりリラックス効果も引き出せます。
反射区を刺激することで、健康維持などに貢献できるのがリフレクソロジーの概念です。
一般的に足裏の反射区をマッサージする施術が一般的ですが、手を中心としたハンドリフレクソロジーでは、どのような効果が期待できるのでしょうか。
ハンドリフレクソロジーの効果について解説していきます。
ハンドリフレクソロジーは、足裏リフレクソロジーと比較した場合のリラックス効果は高いといわれています。
ハンドリフレクソロジーの施術後のほうが、身体が温まる早さを実感できるため即効性を感じさせる特徴があるからです。
つぼ押しのような激しい痛みを感じません。
それは、手のひらも神経が集まる敏感な部分でありながらも、柔らかいものなどに触って心地よさを感じやすいことにもよります。
精神的部分と密接なつながりがあるようです。
手のひらや手の甲にも全身の内蔵とつながる反射区が分布しています。
反射区へのマッサージをすれば、内臓に働きかけ活性化する効果が期待できるでしょう。
手のひらにも消化器系の反射区があります。
親指の付け根周辺なのでマッサージがしやすい部位でもあり、ゆっくりとソフトに触れながら施術することで、消化器家の症状に効果が出てくるとされるのが特徴です。
腎臓の反射区も存在し、水分の排出にも関わってきます。
むくみ・だるさなどは老廃物の蓄積によるトラブルが原因とされています。
この周辺の反射区をマッサージすることから始まるのがハンドリフレクソロジーです。
ハンドリフレクソロジーは睡眠不足にも効果的です。
疲れやストレス、心配事があると、熟睡しづらい状況に陥ります。
また、スマホなどの液晶画面やLED照明のブルーライトによって、神経の興奮が無意識に続いていることで、睡眠の質が悪くなっている人も多いようです。
そこで、ハンドリフレクソロジーによって副交感神経系を優位にします。
すると、脳内物質のセロトニンの分泌を促してくれるでしょう。
入眠がしやすく質の改善にも効果があるとされています。
ハンドリフレクソロジーは眼精疲労にも効果が期待できるでしょう。
睡眠不足と同じように、スマホの使い過ぎから眼精疲労になりやすいのが現代人です。
頭痛、首・肩こり、めまいや吐き気の原因となることがあります。
ハンドリフレクソロジーを定期的におこなって、こまめな予防をするとよいでしょう。
ハンドリフレクソロジーも、足裏リフレクソロジーと同様にメリットがあります。
身体の不調に対応できるハンドリフレクソロジーには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下のようなメリットが考えられます。
ハンドリフレクソロジーは、基本的に時間を問わず施術ができるのがメリットの一つです。
理由は、準備が一切必要ないことによります。
服装の限定や環境に関係なく、隙間時間などを利用して即効で施術ができるからです。
あえて準備としては、呼吸を整えてからおこなうくらいでしょう。
職場での休憩時間、自宅でのゆっくりした時間などを利用することができます。
ただし、食後すぐや飲酒後など、あまり奨励できない時間もあるので注意が必要です
好きな時間でできることと同様に、好きな場所で施術できるにがハンドリフレクソロジーのよさです。
一般的な足裏リフレクソロジーの場合、専用クリームの用意やベッドに横になるなどの手間が必要です。
しかし、手のセルフケアなら今すぐにでも可能ですし、他者に施術される場合でも、向かい合って座れるスペースがあれば十分でしょう。
ハンドリフレクソロジーの施術は、比較的誰にでも手軽にできるメリットがあります。
本格的なカイロプラクティックやマッサージは、医学的な深い知識や経験、開業する場合に国家資格が必要という条件付きなものです。
専門性が高く、技術を正確にマスターしないと、ケガや障害につながるトラブルも予測できます。
一方、ハンドリフレクソロジーは、反射区へのソフトなタッチが主流となり、最低限の解剖学などを理解しておけば、高度な専門性を必要とはしません。
リフレクソロジーは、足裏・手・頭部などの反射区や反射点(つぼ)を施術することでは共通です。
しかし、一般的な足裏リフレクソロジーと、ハンドリフレクソロジーには微妙な違いもあります。
その違いは以下の通りです。
ハンドリフレクソロジーは足ではなく、手のひら・指先・手の甲・腕にある反射区を刺激の対象とします。
手に点在する反射区も体の各部位に対応し、特定部分を刺激すると関連する臓器や組織へ反応が出ることがわかってきました。
親指を刺激すると頭部への影響が、小指を刺激すると骨盤への影響があるようにです。
一般的なリフレクソロジーは、足裏の反射区を中心に刺激します。
以上のように、ハンドリフレクソロジーは手、足裏リフレクソロジーは足という施術する部位の違いが顕著です。
ここで示している「場所」とは、施術環境のことを指します。
ハンドリフレクソロジーでは、手や腕への施術をするため特殊な場所の指定・限定を必要としません。
言い換えれば、日常生活にて手軽に好きな場所で実践できます。
もし、足裏リフレクソロジーをするとなれば、専用スペースが必要となるでしょう。
足を伸ばせる広さと快適な環境が求められます。
おもにサロンや施術院、自宅でもソファやベッドなどの上で、集中して時間をかける必要が生じるでしょう。
ハンドリフレクソロジーでは、施術用の特別な道具やアイテムが必要ありません。
手技を用いて刺激を加えるだけだからです。
指先・手のひら・手の甲などの反射区をマッサージやストレッチなどをしますが、ほとんど手技によるものとされています。
足裏リフレクソロジーの場合、効果的な刺激のために専用の道具を使用するのも普通です。
ローラー、スティック、小石などが一般的なアイテムとなっています。
ハンドリフレクソロジーは、自宅で簡単に施術がおこなえるので、日常生活の中に習慣として取り入れることができます。
基本的な手順さえマスターしていれば、誰でも施術が可能です。
ここでは、効果的なハンドリフレクソロジーの基本、その実践方法を解説します。
手の平と甲には、全身の内臓器官に対応する反射区があります。
反射区を正しく把握して適切に刺激して、特定の臓器や筋肉などを活性化させる手法です。
手の平中央には胃腸の反射区があり、軽く押すと消化機能の活性化になるでしょう。
手の甲には背中や肩の反射区があり、肩こりの軽減が期待できます。
これらを含めたマッサージをするには、まず手全体をリラックスさせることが大切です。
おもな順番としては、指先から手の平、手の甲へと進んでいきます。
指の付け根から手首に向かい押し流す感覚です。
反射区に沿った具体的な方法は、特定部位の健康状態への対処に有効的です。
手の親指付け根付近なら頭部に対応しており、頭痛を和らげる効果が期待できます。
手の小指側は肩や首に対応し、肩こりや首の痛みの軽減に役立つでしょう。
具体的なマッサージ方法は、指先で円を描くように優しく施術します。
あまり力を入れすぎないよう、心地よい圧力を感じることがポイントです。
各反射区によって異なるテクニックを使うこともあり、実践しながら方法をマスターするとよいでしょう。
ハンドリフレクソロジーは、仕事の合間や自宅でのリラックスタイムにできるのが魅力です。
理由は、短時間でもできてしまうマッサージでもあるからでしょう。
デスクワークの合間、手のひらや指を軽くマッサージするだけでも疲労を和らげ、集中力を高められます。
長時間のパソコン作業による目の疲れでは、親指と人差し指の間にある反射区を軽く押して眼精疲労を軽減させることが可能です。
自宅でゆっくりとリラックスしている時には、ハンドクリームを使ったマッサージができます。
指先から手の平、手の甲へと順番にマッサージをしながら保湿効果も高められるでしょう。
このように、隙間時間を利用しながら、工夫次第で日常的に取り入れられる健康法です。
自分以外に相手にやってもらうハンドリフレクソロジーは、以下のような手順でおこなうとよいでしょう。
● 適量のクリームやオイルを手のひらや指に塗布する
● 相手の手を上下から包み円を描くように優しくマッサージする
● 1本ずつ指の付け根から指先に向けて圧をかけて擦る
● 指をつまんでゆっくり引っ張り上下に曲げ伸ばしする
● 手の甲の骨の間をさする
● 手のひらを円を描くようにマッサージ
● 手首を上下に動かしながらストレッチする
その時の状態次第で、とくに疲れを感じている部分・気持ちいい部分を見極めながら、重点的に指圧していくとよいでしょう。
相手に合わせたマッサージをすることがポイントです。
自宅などで自分一人でおこなう、セルフマッサージの場合は以下のような手順です。
● 適量のクリームやオイルを両手になじませ円を描くようにマッサージする
● 片方の手の親指と人差し指で、もう片方の手の指を1本ずつ圧を加える
● 指をつまみゆっくりと引っ張り上下に曲げ伸ばしする
● 片方の手の親指で、もう片方の手の甲の骨の間を擦る
● 片方の手の親指で、もう片方の手のひらを下から上へ滑るようにマッサージする
● 両手を組みストレッチする
● 手首を回す
● 両手を組み、指と手をひっくり返し手のひら全体を伸ばす
基本的には2人でおこなうマッサージと同様な動きです。
やはり、強く押しすぎないように適度な力加減でマッサージしましょう。
ハンドリフレクソロジーは、セルフケアとして自分で手軽におこなえる健康法です。
その効果をより発揮するには、持続的に習慣化させることが大切となります。
ここでは、ハンドリフレクソロジーを習慣として取り入れるためのコツを解説します。
ハンドリフレクソロジーを継続させるためには、効果を実感するための工夫が大切です。
まず、自分にはどのような健康上の問題や悩みがあり、どうしたいのか目標を設定します。
肩こりを軽減させたい、あるいはリラックスしたいなど明確な目標です。
その上で、日々施術をおこなった記録をつけておくとさらに効果的でしょう。
日記やメモ程度で構いません。
カレンダーなどに施術をした印をつけていくだけでも、モチベーションを維持する励みとなります。
リフレクソロジーの効果を高めるには、リラックスできる環境を整えることも大切です。
リラックスできる音楽や場所を決めておこないます。
日常の中で特別感が出せる環境の工夫をすると、より効果を引き出しやすくなるからです。
至福の時間と空間を自分自身で作り上げていきましょう。
ハンドリフレクソロジーを習慣化するには、自分の生活リズムとして確立することです。
無理をせずになるべく長続きさせることを考えていきます。
決して毎日やろうという義務にしないほうが、かえって継続しやすくなるからです。
まずは、ライフスタイルを総合的に考えて、マストでおこなうことを重視し、その隙間を狙います。
例えば、就寝時間はマストで、その直前でおこなうか否かをその都度判断する方法です。
あくまでもマストな時間を削る必要はなく、その前後でできる限り始めてみます。
しばらくその感覚を大切にしながら始めて、やがて無意識にやれるようになれば習慣化に成功しています。
歯磨きやお風呂に入るのと一緒と思えばよいでしょう。
比較的誰でもできるハンドリフレクソロジーですが、いくつか施術上の注意点があります。
ハンドリフレクソロジーの施術前には、以下のような内容に注意が必要です。
● アレルギーの有無を確認する
● 皮膚に炎症やケガ、腫れがあれば施術しない
● 風邪を引いて発熱があれば施術しない
● 持病がある場合は施術しない
● 高血圧の場合は施術しない
● 飲酒後すぐには施術しない
● 妊娠をしている時期は専門医の判断を仰ぐ
● 食後30分は必ず開ける
これらはあくまでも一般論な部分もありますが、万が一のことも考えられるので、施術前の注意点として守ることが無難です。
例えば、妊娠時でのリフレクソロジーの効果やリスクについては、今のところ実証データが少なく判断しにくいとされています。
そのため、自己判断でおこなうことは避けたほうがよいでしょう。
ハンドリフレクソロジーの施術後では、リラックスできる状態に誘うことが重要です。
そのために、水分補給や過度な運動をしないといった注意点があります。
ハンドリフレクソロジーの施術後の注意点は、おもに以下のような内容です。
● 施術後に水分補給をすること
● 活発な行動を避けリラックスして過ごす
● 飲酒や刺激の強い食事を避ける
水分補給はとても大切で、できるだけ常温水をおすすめします。
あるいは温かいハーブティーなどでもよいでしょう。
冷水は体を冷やすことになるので、効果が半減してしまいます。
ハンドリフレクソロジーでも、足裏の反射区と同じように、さまざまな内臓との関係性が深いとされています。
健康的な不調に反応を示し自然回復力を呼び戻すことができるでしょう。
ハンドリフレクアソロジーの場合も、施術手順や概念などの知識を得てから、正しい方法でおこなうことが基本です。
足裏リフレクソロジーよりも簡易的な印象もありますが、その分、手軽さと隙間時間の有効化ができるので、忙しい現代人にとって最適な健康方法となります。
副作用などほとんどありません。
しっかりと習慣化できるようになれば、自然治癒力を呼び戻し病気予防にもつながる可能性があります。
足裏リフレクソロジーの施術とともに、ハンドリフレクソロジーの知識や技術も会得しておくようにしましょう。